建築文化発信/ FUKUMOTO

建築家/一級建築士/建築を軸に、文化、自然、芸術等を発信/不定期に建築設計の裏側を公開/岡山拠点 https://fukumoto-architects.jp/

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    マガジン

    • 建物探訪

      建物探訪記  ヘッダー:「Venice」2018年撮影

    • 今日から使える建築雑学

      観光地や旅行先で使えるウンチクや、知ってると得する建築文化の情報を一つずつ紹介していきます。これを知れば世の中に潜む面白さが少しずつ分かるような、そんな記事にしたいと思います!

    • 建築設計の裏側  

      皆さんは建築家の建物を一度は見た事があるかと思います。そんな建築家がどのように建物を創造し、設計し、建物を完成させていくのか。ここでは普段は見れない建築設計の裏側を公開したいと思います。

    • スケッチ

      スケッチ記録/旅のスケッチや設計中のスケッチ、トレースや空想スケッチなど、何でもないスケッチまで、毎日何かしらのスケッチをしている中から不定期に掲載。 "建築家の言葉は建物よりもスケッチに潜む"

    最近の記事

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    自己紹介

    こんにちは。建築家の福元です。 といっても、1991年生まれの駆け出しの建築家です。 (今までは勤め設計士だったので、自分での実作はこれからです。) この記事では、なぜnoteを始めたかと私のプロフィールを紹介したいと思います。 1.なぜnoteを始めたか私の強みは何かと問われれば、迷わず「好奇心」や「探究心」と言います。 本当に色んな事に興味を持ち、経験してみたり学んでみたりするのですが、世の中には面白い文化や深い歴史がたくさん潜んでいて、それを知るのが本当に楽しいです

      • 建築写真について。

        自分が設計した建物を世に発信するのに最も効率が良いのは建築写真。 ただ、気をつけなければならないのは写真(写真問わずメディア)によって、良くも悪くも建築の印象は決まってしまうということ。 建築は体験が全てであるのだけど、今の世の中はメディアで建築の評価が決まってしまう。 むしろ、建築家像がメディアによって作られている。 建築業界や建築学生においてでさえ、建築家の知名度の差は時代によって異なる。 独立して初めて竣工する建物の建築写真をどの写真家に頼むか悩んでいるこの頃。

        • 岡山にある古民家の調査で気づいたこと。京間、関東間、中京間だけでない畳基準。

          久しぶりの投稿です。 「これは面白い!」という出来事があったので共有したいと思いました。 タイトルからなんとなく分かってしまうとは思いますが、今回共有したいのは、"結果"よりも"過程"についてです。 こういう過程があるからやはり建築は面白いと感じる出来事でした。 それではその出来事について。 独立して間もない私に、岡山県内にある古民家をリノベーションするというご依頼を大変有難く頂きました。 その古民家をリノベーションするにあたって、既存建物の現地調査をしました。 調

          • プラン段階から手書きの鉛筆画を残しておく

            この頃、暑すぎますね。 そのためか文章がすらすらと浮かんでこないので、ご容赦ください。 建物をつくるために、設計図面は基本的にはコンピュータで作図します。そして、その設計図面をもとに工事会社が施工図面を描き、様々な職人たちの技術によって建物が完成します。 色々な現場を体験したり、世界中の様々な建築を見て感じるのは、建築家の空気感より、関わる全ての人が魂を込めた建築ほど素晴らしいものがあります。 そんな時、私は「建築家」とはいったいなんだろうと感じます。どうしても世にある

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            受け継がれるは地域に愛される建築

            活気があり、長い月日を経ても壊されずに後世に受け継がれていく建築というのは、街や地域の人に愛され、誇りとなり、思い出や記憶とともに一緒に育っていく建築です。 どんなにお金をかけても、どんなに良いデザインの建築を作っても、人々の記憶と共になければ、その建物は壊されて1、2世代の内に消えていきます。 では、どうしたら人々に愛され誇りとなる建築を作っていけるのか。 まず基本にあるのは、施主、施工者、設計者が平等に一丸となって同じ志を持っていないと良い建築はできません。建築に限

            LUNA #2 ファサード公開

            以前、スタディスケッチを記事に挙げました。 そちらの正式なコンセプトファサードを公開します! スタディスケッチは簡単でしたが、私の頭の中ではこのような形が広がっていました。ぜひ比べてみてください。 平面プランや内部の空間は私の頭の中にあります。 この建物だけでなく、いろいろな建物や景色が私のもう一つの世界に造られています。そのもう一つの世界を漂い旅することができるのが、私の特権です。 映画マトリックスの仮想空間のように、私の創造世界に皆様をお連れできたら面白そうです。

            自邸 #5 模型で検討

            今回は模型をつくって、建物ボリュームのバランスと光の入り方を検討しました。 「スタディ模型」といって、プレゼン用の模型と違い社内での検討に使います。そのため、模型の部材を作りながら削ったり足したりしているので、ちょっと荒いですが。 やはり、どれだけPC上でリアルに3Dで作ったとしても、立体で作ってリアルな環境で見ないと判断できない部分があります。改めて発見することがあったりアイデアが生まれたりすることもあります。 そのため、スタディ模型は簡単に作って何個も作って検討して

            LUNA #1 構想

            とある宿場町の崖地に、ギャラリーと瞑想空間を併設した施設のスタディ。この町の空気は澄んでいて、夜空の月明かりは町のシンボルでもある。湿った崖際の場所は嫌われているが、水の音や風がぶつかる音が逆に静寂さを呼び起こす。それは瞑想空間にふさわしい。 窪んだ崖地に月明かりが集まり、アートは月明かりのもとでのみ観ることになる。おぼろげな光の中では人間の本能的な感覚が強くなり、アートと接するに必要な感覚が呼び起こされ、新しい発見と創造が生まれる。 以下、スタディ中のスケッチ。 正式な

            中世の革新的デザイナー重源

            日本全国には神社はどのくらいあるのでしょうか。 その数は8万社を超えるといい、神社には摂社・末社などもあるため、建物の数でいうと数十万社にもおよびます。 さて、この数多くの神社建築の中で、一際目立つ造りの神社建築があります。それが岡山県にある「吉備津神社本殿」です。 神社建築には、ある程度の構造様式の種別があります。日本全国で最も多いのが「流造」といい、皆さんの氏神様の社もこの造りの可能性が高いです。 構造様式の例は下記のサイトをご参照ください。 さて、吉備津神社の構造様

            建築家が想像した星屑は消えていく

            今日は創造することについて、考えてみました。 いえ、どちらかという「想像」の方かもしれません。 世の中に建築家が設計した建物というのは数多くありますが、その実現した建物よりも実現しなかったアイデアの方がはるかに多く存在します。存在していた、というのが正しいでしょうか。 実際に建物ができるまで、いくつもの想像が生まれ消えていきます。建築コンペティションでは、数十、数百もの案から、たった1つの案のみが選ばれて実現します。建築は芸術とは違います。コストや法律、構造や環境、施主や

            明るさではなく光を届けたい

            " I was thinking about the light.    I wasn't thinking of beams or studs.    I was thinking about what there is about    the structure that will give you light. " 巨匠ルイスカーンの言葉。 建築や環境において、光は丁寧に読み取らなければならない。現代日本において、「リビングが南側にあって窓が南向きであればすべて良

            建築におけるミステリーは豊富

            建築の世界、とりわけ歴史的建造物に関わる場合は、不思議な体験をすることが多いです。 私は以前、歴史的建造物に関わったことがありますが、不思議な体験を経験しています。と言いながら、今回はそんな体験談をお話しようとは思っていません。(すみません・・公にするのも少し怖いので。) 建築においては結構ミステリーが存在するので、オカルトやスピリチュアルな事がお好きな方は結構面白い分野だと思います。 そんなミステリーの中で今日はひとつ、チェコ、プラハにある「カレル橋」についてです。現

            今も現役「アリオスの水路橋」

            スペインという国では、しばしば優れた構造家が生まれるようです。 その優れた構造家の一人、エドゥアルド・トロハ(Eduardo Torroja, 1899-1961)をご存じでしょうか。 私の好きな構造家でもあります。 彼の作品で、デザイン的にも構造的にも素晴らしい作品があります。 それが「アリオスの水路橋(Alloz Aqueduct)」 建設されたのは1939年。コンクリート打ちっ放しで、華奢にも見える水路橋が今もなお現役で使用されているとのこと。 下記のサイトで「s

            建築家の私が常に所持している物

            今日は私についてのちょっとしたご紹介。 タイトルの通り、常に所持している物のご紹介です。 この常にというのは、プライベートの外出先で、見た目が手ぶらの私でも、どこかしらのポケットに隠し持っているくらいです。 ↓こちらの写真が常に所持している物。 (※今回、財布・携帯・鍵等は除いています。) ・ペンとスケッチ帳は必須です。いつどこで気になるものに出会うか、一瞬アイデアが思い浮ぶか分りませんので、それを逃さないために持っています。スケッチ帳は色々なサイズを持っていますが、今

            今日から使える建築雑学#2「土といえば〇〇」

            1.瓦 和風の建物の屋根といえば何?  と聞かれれば、おそらく大半の人が「瓦屋根」と答えるのではないでしょうか? その瓦の原料は粘土です。(今ではセメントも使いますが。)実は、日本国内の瓦生産量の半分以上を占めるのが、愛知県生まれの瓦である「三洲瓦」です。「三州」とは愛知県の「三河地方」のことです。 2.三和土 さらにもう一つ。 こちらの漢字は何と読むか分かるでしょうか? 「三和土」 こちらは「たたき」。 日本建築に昔から土間の仕上として用いられていました。最近で

            映画『コロンバス』

            数多くのモダニズム建築を見ることができる、アメリカの地方都市コロンバスを舞台にした映画『コロンバス』。 ざっくりと内容を述べると、 ということで、あえて細かく内容を紹介しないのには、今回の記事の内容にも関係しています。(映画の内容をストーリーに沿って、細かく伝えるのが苦手というのも実際ありますが。)なので、内容は下記のページが分かりやすいかと思います。 心に残ったシーンを一つ紹介したいと思います。 エーロ・サーリネンというこれまた有名な建築家が設計した素晴らしくモダンな