TakumaTsuji|陶芸家

佐賀県有田町、聡窯の次代。1992年生まれ。陶芸でみんなで生きていくために何をすべきな…

TakumaTsuji|陶芸家

佐賀県有田町、聡窯の次代。1992年生まれ。陶芸でみんなで生きていくために何をすべきなのか。日々悩み、学んだことを発信しています。 YouTubeチャンネル➤https://youtube.com/channel/UCvfFDrsSY7Uhf1DinV5E4Cw

記事一覧

それを伝統ポルノと呼んでいる

 佐賀県有田町は400年以上続く有田焼の産地として、焼き物産業を大切に受け継いでいる土地である。私自身も有田に生まれ育ち、今は有田で作家活動をしている。最近は有田…

怒りの『トイ・ストーリー4』レビュー

 (※本稿は本作のネタバレを含みます。)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』を読んで。

(※本稿は過度なネタバレを含みません。) 先日読んだ著書に『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』というのがあって、 これが、ものすごく興味深か…

#4【オンライン展覧会】西隆行『雫シリーズ』

説明不要!映える器!もはや、焼き物好きの間では有名なので、私が取り立てて説明する必要もないのですが、、、 やっぱり手元に置いていて良いものだと実感するので、今回…

陶器市の開催如何で学んだ広告を繰り返すことの重要性

(カバー写真:辻 拓眞『白磁耳付切継花入』) こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻 拓眞と申します。 だいぶ時期外れになっちゃいましたが、 今年の有田陶器…

#3【オンライン展覧会】二位関めぐみ『花枕』

二位関めぐみ『花枕』 はじめに断っておきますが…。 この【オンライン展覧会】という記事の中では、私が本当に「いい!」と思ったり、陶芸家として勉強になったなーと感…

現代美術って未来へのバトンなんじゃないでしょうか?

こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻 拓眞と申します。 先日、ありがたいことに『TRiCERA ART』という日本から世界展開している現代美術のECサイトに掲載し…

#2【オンライン展覧会】澤田犉『安南唐津徳利』

『親しみ親しまれる作陶』 今回は私の昔話から。 私が大学に在学しているころ。 恩師の田中右紀教授に見せていただいた作品に目から鱗が落ちる面持ちがした。 その作品…

朝食をとらないことで仕事効率が上がった話。【“二種”の時間を認識する重要性】

こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。 皆様は朝昼晩と、一日3食召し上がっていますか? 最近、巷で「16時間絶食ダイエット」なるものが流行っ…

メダカのビオトープを作ってみたら、ものすごく癒やされたという話。

こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。 昨年の初夏くらいでしょうか。 妹のように可愛がっていた愛猫が他界して、いわゆるペットロスに家族みん…

#1【オンライン展覧会】縣有『白塔』

『有田に個人作家の礎を築いたオブジェ作陶』こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。 今回は、#オンライン展覧会 というハッシュタグを見つけた…

パッと目を引く高級感のある『ブートニエール』おすすめです!

今回のポイント ・『ブートニエール』とは? ・高級感のある着こなしができる! ・女性にプレゼントしても喜ばれますよ笑 こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻…

まだ何者でもない陶芸家が『チャンス』を無駄にしないために。

今回の3つのポイント ・いつでも最高の結果を出せるようにする ・自分はどのような期待をかけられてるか ・新しい挑戦は無駄にはならない こんにちは。 有田で陶芸家をや…

【御礼】個展(親子展)を終えて思う感謝の気持ち

こんにちは。 有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。 先日、福岡三越さんでの『〜有田の風、磁(いし)を刻む〜 辻聡彦・辻拓眞 親子作陶展』の会期が終了しま…

うちの食器『鉄仙』シリーズがなぜ人気なのか、3つの要素から考えてみた。(その1)

宝石のような価値を生む“線刻”の器こんにちは! 有田で陶芸家をやっています、辻拓眞と申します。 今回は私が所属している聡窯の定番食器『鉄仙』シリーズについていっし…

ものづくりをしている陶芸家がYouTubeを始めた3つの理由。

こんにちは! 有田で陶芸家をやっています、辻拓眞と申します。  最近、私が所属している聡窯でもYouTubeでの動画配信を始めました。 ものづくりを生業としてい…

それを伝統ポルノと呼んでいる

それを伝統ポルノと呼んでいる

 佐賀県有田町は400年以上続く有田焼の産地として、焼き物産業を大切に受け継いでいる土地である。私自身も有田に生まれ育ち、今は有田で作家活動をしている。最近は有田焼産業に従事する若手として、町に関わる役回りを頂いたりもする。さらには昨今、焼き物産業に関わる企業の次世代がUターンしたり、あるいは焼き物作りに興味を持った若い世代もIターンしたりという中で、同世代で有田焼産業を盛り上げようという機運も高

もっとみる
怒りの『トイ・ストーリー4』レビュー

怒りの『トイ・ストーリー4』レビュー

 (※本稿は本作のネタバレを含みます。)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『トイ・ストーリー4』は傑作だと思います。ボニーがウッディで遊ぶのに飽きてしまうところから始まり、そしてウッディが子供たちを喜ばせるためじゃない、“迷子のおもちゃ”になることを選ぶ本作はまさに、『4』に相応しいと思います。

リアルな

もっとみる
『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』を読んで。

『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』を読んで。

(※本稿は過度なネタバレを含みません。)

先日読んだ著書に『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』というのがあって、
これが、ものすごく興味深かったのでご紹介します!

いや、ヤバいタイトルですが待ってください。真面目な話ですから。

著者の品田遊さんについてこの本の著者は品田 遊さんという方です。
普段、私はこの方のことを、
『オモコロ』というウェブメディアで、ダ・ヴィ

もっとみる
#4【オンライン展覧会】西隆行『雫シリーズ』

#4【オンライン展覧会】西隆行『雫シリーズ』

説明不要!映える器!もはや、焼き物好きの間では有名なので、私が取り立てて説明する必要もないのですが、、、

やっぱり手元に置いていて良いものだと実感するので、今回は西さんの『雫シリーズ』をご紹介したいなと思います。

青白磁釉の“温度感”

西さんの作品の代名詞ともなっているのは何と言っても、雫を模したこの青白磁釉だと思います。

青白磁釉はとても遊びがいのある釉薬です。
無釉(釉薬が施されてない

もっとみる
陶器市の開催如何で学んだ広告を繰り返すことの重要性

陶器市の開催如何で学んだ広告を繰り返すことの重要性

(カバー写真:辻 拓眞『白磁耳付切継花入』)

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻 拓眞と申します。

だいぶ時期外れになっちゃいましたが、
今年の有田陶器市から、広告に関する学びがあったのでここで皆様と共有したいなと思います。

東西東西。

今年の有田陶器市は皆様ご存知の災禍による、やるorやらない論争の末、中止の運びとなりました。

結局の所、新たな打ち手である『Web有田陶器市

もっとみる
#3【オンライン展覧会】二位関めぐみ『花枕』

#3【オンライン展覧会】二位関めぐみ『花枕』

二位関めぐみ『花枕』

はじめに断っておきますが…。

この【オンライン展覧会】という記事の中では、私が本当に「いい!」と思ったり、陶芸家として勉強になったなーと感じた作品を紹介しています。

二位関さんとは、もうすぐ10年にもなろうという長い付き合いで、作家友達としては唯一と言っていいほど普段から仲良くさせてもらっている姉のような存在なのですが…、
決してステマではありませんし、頼まれたわけでも

もっとみる
現代美術って未来へのバトンなんじゃないでしょうか?

現代美術って未来へのバトンなんじゃないでしょうか?

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻 拓眞と申します。

先日、ありがたいことに『TRiCERA ART』という日本から世界展開している現代美術のECサイトに掲載していただくことになりました!すごく嬉しい!

これを受けて、現代美術に関して縁遠く感じている皆様へ、私なりの現代美術への向き合い方を少しお伝えできたらと思っております。

今回のポイント
・ドイツで観た『オラフ

もっとみる
#2【オンライン展覧会】澤田犉『安南唐津徳利』

#2【オンライン展覧会】澤田犉『安南唐津徳利』

『親しみ親しまれる作陶』

今回は私の昔話から。

私が大学に在学しているころ。
恩師の田中右紀教授に見せていただいた作品に目から鱗が落ちる面持ちがした。

その作品は、白に藍色、染め付けの磁器の鉢。たしか…見込みには『寿』という文字が配置され、側面の胴から高台にかけて呉須で引かれたラインがリズミカルに配置されていた。

のびのびとしたその意匠にも驚かされたが、興味深かったのは、器全体に細かい飛び

もっとみる
朝食をとらないことで仕事効率が上がった話。【“二種”の時間を認識する重要性】

朝食をとらないことで仕事効率が上がった話。【“二種”の時間を認識する重要性】

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

皆様は朝昼晩と、一日3食召し上がっていますか?
最近、巷で「16時間絶食ダイエット」なるものが流行っていることご存知でしょうか?

少し前に、中田敦彦さんの「YouTube大学」という動画でも話題になったかと思います。

実は私も今年度から3ヶ月程度実践しています。今回はこれに関して、私見を少し述べたいなと思います。

今回のポイン

もっとみる
メダカのビオトープを作ってみたら、ものすごく癒やされたという話。

メダカのビオトープを作ってみたら、ものすごく癒やされたという話。

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

昨年の初夏くらいでしょうか。
妹のように可愛がっていた愛猫が他界して、いわゆるペットロスに家族みんなでなっちゃいまして。

それを受けて昨年の秋くらいから、父が作ったものすごく大きい鉢に、メダカのビオトープを作ってみたんですね。

これが、すごく癒やされたので是非皆様にもおすすめしたいです!
※とはいえ、命を扱うので取り扱いは慎重に

もっとみる
#1【オンライン展覧会】縣有『白塔』

#1【オンライン展覧会】縣有『白塔』

『有田に個人作家の礎を築いたオブジェ作陶』こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

今回は、#オンライン展覧会 というハッシュタグを見つけたので、大学にいた頃の研究の中から、『戦後・肥前地区の陶芸作品』をご紹介したいと思います。

縣有『白塔』(1991) 個人蔵

まず、作品をご覧になっていかがでしょうか?

私が最も影響を受けたと言っても過言ではないこの作品!「こんなの

もっとみる
パッと目を引く高級感のある『ブートニエール』おすすめです!

パッと目を引く高級感のある『ブートニエール』おすすめです!

今回のポイント
・『ブートニエール』とは?
・高級感のある着こなしができる!
・女性にプレゼントしても喜ばれますよ笑

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

最近、自作のピンズを作りました!手前味噌ですが、なかなかいい出来で気に入っています。

このピンズ、よく展覧会などの会場で、ビシッとスーツをキメる時などに、『ブートニエール』として身につけてるんですが、すごくいいん

もっとみる
まだ何者でもない陶芸家が『チャンス』を無駄にしないために。

まだ何者でもない陶芸家が『チャンス』を無駄にしないために。

今回の3つのポイント
・いつでも最高の結果を出せるようにする
・自分はどのような期待をかけられてるか
・新しい挑戦は無駄にはならない

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

先日、福岡三越さんでの『〜有田の風、磁(いし)を刻む〜 辻聡彦・辻拓眞 親子作陶展』の会期が終了しました。

これに際して今回は私が常々考えている、
突然舞い降りたチャンスに対してど

もっとみる
【御礼】個展(親子展)を終えて思う感謝の気持ち

【御礼】個展(親子展)を終えて思う感謝の気持ち

こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

先日、福岡三越さんでの『〜有田の風、磁(いし)を刻む〜 辻聡彦・辻拓眞 親子作陶展』の会期が終了しました。

この展示会に際し、若輩者である私が学んだことはたくさんあるのですが、その内容は後日。。。今回は取り急ぎ、感謝の気持ちをここに記させていただきたいと思います。

まずこのコロナ禍において、万全の感染予防対策を持

もっとみる
うちの食器『鉄仙』シリーズがなぜ人気なのか、3つの要素から考えてみた。(その1)

うちの食器『鉄仙』シリーズがなぜ人気なのか、3つの要素から考えてみた。(その1)

宝石のような価値を生む“線刻”の器こんにちは!
有田で陶芸家をやっています、辻拓眞と申します。
今回は私が所属している聡窯の定番食器『鉄仙』シリーズについていっしょに見ていきましょう。きっと新しい価値観が見えてくると思います。

先代・辻 毅彦が1978年に、有田国際陶磁展(旧 九州山口陶磁展)で最高賞を受賞した鉄仙の作品を元に生まれた鉄仙の器。毎年、有田陶器市が近づいてくると工房

もっとみる
ものづくりをしている陶芸家がYouTubeを始めた3つの理由。

ものづくりをしている陶芸家がYouTubeを始めた3つの理由。

こんにちは!
有田で陶芸家をやっています、辻拓眞と申します。
 最近、私が所属している聡窯でもYouTubeでの動画配信を始めました。

ものづくりを生業としている陶芸家が、なぜYouTubeを始めるのか。そこには何世代にも渡り、焼き物を売り続けた聡窯ならではの考えがあります。今回はその理由について説明します。

陶芸家がYouTubeを始める3つの理由
・対面販売の代替措置
・E

もっとみる