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まだ何者でもない陶芸家が『チャンス』を無駄にしないために。

今回の3つのポイント
・いつでも最高の結果を出せるようにする
・自分はどのような期待をかけられてるか
・新しい挑戦は無駄にはならない


こんにちは。
有田で陶芸家をやっております、辻拓眞と申します。

先日、福岡三越さんでの『〜有田の風、磁(いし)を刻む〜 辻聡彦・辻拓眞 親子作陶展』の会期が終了しました。

これに際して今回は私が常々考えている、
突然舞い降りたチャンスに対してどのように臨めばいいのか、という悩みに対して
とりあえずの結論が出たのでここにまとめておきたいと思います。

チャンスが来たときに、いつでも最大の結果を出せるようにしておく。

まず私は今回の展覧会のように、百貨店で扱ってもらうにはあまりにも実績不足であるということは間違いないと思います。

本来ならば見向きもされない作家が、このように扱ってもらえたのは、やはり父や祖父の影響があります。
このあたりの恥ずかし〜い想いは、以前の記事で吐露しておりますが…

なんとなく、私の境遇は察してもらえるでしょうか…。
人よりもチャンスが巡ってきやすいが、その分求められるハードルは高い。

ですが誰しも大なり小なり、突然舞い降りるチャンスに身に覚えがあるのではないでしょうか?そのチャンスのハードルは自分が置かれている立場からすると、とてつもなく大きなものであると思います。

このハードルというものに対してかなりシンプルですが、
普段からしっかりと準備をしておくこと、がやはり大事なんだろうなぁと思います。
準備不足というものは、最高のパフォーマンスをするための最大の障壁です。(特に私の場合…準備不足に恥ずかしくて、作品包んで帰りたくなりますので笑)

肌感としては3つ
・「そのチャンスは本当に自分が取り組むべきものなのか?」
・「自分が立つ舞台を入念に調べ、その場のイメージができているのか?」
・「自分の顧客はどのような人達なのか?」

は少なくとも意識して準備すべき対象ですね。この辺りのことも、いつか記事にできたらなと思います。


舞い降りるチャンスは誰かからのパスであることが多い。人の期待を裏切らないように。

さて、チャンスが来るタイミングっていうのはいつなんでしょうか?自分の場合は、誰かが自分に対して期待をしてくれてる時なのかなと思います。

今回の展覧会の場合、まず父が、私の制作を見て百貨店に親子展を提案した→百貨店側が親子展という話題性に期待をかける→お客さんが聡窯の跡取りを見聞する、という流れかと…。これだけ、人の期待がかかってるというわけですね。

(というか、チャンスに人の期待がかからない場合があるのかな?ちょっと今、分からない…笑)

もちろん大元である、うちの看板に泥を塗るわけにはいかないし、どうやればみんなの期待に応えられるのかを必死に考えないといけません

当然ながら、自分が何を期待されているのか、を真剣に考えるべきです。

私の場合はざっくり言うと、
聡窯の次代は窯の伝統を受け継ぎながらも、どんな解釈を持って作陶をしているのか

ですね。

皆さんは周りからどんな期待をかけられていますか?


未熟であっても安牌はとらない。新しい挑戦は無駄にはならない。

最後に。
今回の展示会には、かなりの新作を出したんです。

これには、私の同じ物を作りたくないという飽き性の性格もあるのですが笑、お客様の反応を見たいというのがありました。 

結果として、お客様からご好評いただいた作品は、今後も作り続ける自信ともなりました。自分が何が得意なのか、どんな美的観点を持っているのかは案外、自身の顧客から気付かされることもあります。作家のあり方としては少しダサいかもしれませんが…笑

私がどんな作品を作っているのかは是非、一度インスタグラムをご覧ください。

まだ何者でもない私は、自分の作家像というのを早くから固定させたくないので、思いついたことは何でもやっています。

もしかすると、入念なマーケティング調査をして「商品」を作れば、早く世の中に求められるものだけを作り続けられるのかもしれませんが…

私は作家なので、新しい表現を求めて「作品」を作り続けたいと思います。
必死に挑み続ける姿勢が皆さんとも共有できるようにこれからもがんばります!

辻 拓眞 略歴

1992年 佐賀県有田町に生まれる
2015年 佐賀大学 文化教育学部 美術・工芸課程 卒業、 有田国際陶磁展 初入選(以降4回入選)
2017年 佐賀大学 教育学研究科 教科教育専攻 美術教育 修了、佐賀県立有田窯業大学校/佐賀県窯業技術センター非常勤 就任
2019年 日本現代工芸美術展 初入選、現代工芸新人賞「築~KIZUKU~」

現在、父 聡彦のもとで作陶に励む
ー聡窯について

代々、日本磁器発祥の地である佐賀県有田町で作家として活躍している辻家。香蘭社の図案部で活躍していた先代・辻一堂が、1954年に前身である新興古伊万里研究所を設立し、12年後に「聡窯」と改名し、現在に至ります。

絵を得意とする聡窯では、日本や海外の風景・身近にある自然をモチーフを、先代から受け継ぐ線刻技法と呉須(青色の絵具)で描き、日々作陶に励んでおります。


【聡窯・辻 Sohyoh Tsuji】
〒844-0002
佐賀県西松浦郡有田町中樽1-5-14
営業時間:9:00~17:00(土日祝日/定休日)
Tel:0955-42-2653 Mail:artgallery@sohyoh.com



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