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怒りの『トイ・ストーリー4』レビュー

 (※本稿は本作のネタバレを含みます。)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『トイ・ストーリー4』は傑作だと思います。ボニーがウッディで遊ぶのに飽きてしまうところから始まり、そしてウッディが子供たちを喜ばせるためじゃない、“迷子のおもちゃ”になることを選ぶ本作はまさに、『4』に相応しいと思います。

リアルな話。私もボニーのように“何かを飽きるタイミング”がよく訪れるんです。「何であんなことに一生懸命ハマっていたのだろう?」と不思議に思うことさえあります。

黒歴史という言葉がありますよね。
人生には“何かを辞める”という節目が多く訪れるような気がします。そしてそれを“人の成長”には欠かせない健全なことだと多くの人は自認しているでしょう。

ウッディが直面したそんなリアリティは、おもちゃの存在意義を揺るがすテーマ性を本作に与えます。

そんな中、ウッディの成長を描いた本作。
ウッディが出した最終結論とラストシーンには胸を打たれたし、ひいては私達世代にエールを送られたような気分にさえなりました。少なくとも劇中、何度か涙ぐむ程までには感動してしまいましたよ。
ラストシーン。『無限の彼方へ』『さあ行くぞ』の言葉に込められた想いは本当に響いた。


閑話休題。

『トイ・ストーリー4』は2019年の公開から様々な賛否の意見が加熱していましたよね。少なくとも日本では否定派が多かったようですが、テレビ放映がなされた今もその印象が強いように感じます。

 はっきり言って、ほとんどの人間がピクサーアニメーションの雑味を批評できる立場ではないと思うので、そのシナリオの結末に驚きと落胆があったのでしょう。簡単に言うと、『好みの展開じゃなかった』のですね。

 一方で、2010年の『トイ・ストーリー3』の結末の見事さに私は感動した記憶があります。
 それもそのはずで、主人公のアンディが大学に進学するという“アンディの成長”が描かれた本作は、今年30歳を迎える私達の世代に完全にリンクしていたからです。

 顧客と一緒に成長していた作品…というと、かなりおこがましいのですが、そんな現象が起こっていたのは明らかでしょう。作品のテーマ性もそれとともに変化し…。
“アンディの成長”は、同時に私達顧客の成長と卒業を意味していたのだと多くの人が悟ったと思います。

さて…



そういえば、こちらの動画で岡田斗司夫さんが、『4』を傑作だと言っていて嬉しかったので紹介したいです。
ピクサーの企業努力にフォーカスしたこの動画には、ラストシーンに込められた想いに胸を打たれたので『4』の結末の良さを実感したい素直な方はこちらをご覧になることをオススメします。『1』~『3』と連なるシリーズの大筋も解説してあるので面白かったですよ。


私は『トイ・ストーリー4』否定派と真っ向から対立するのは御免ですが、少なくとも駄作と呼ばれるようなクオリティの作品ではなかったので。
大好きな作品をバチボコに言われて頭にきたんです!終わり!


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