だて

ごちゃまぜな思考と感情のるつぼ。整理整頓しようとしたけど結局乱雑に詰め込まれたにすぎな…

だて

ごちゃまぜな思考と感情のるつぼ。整理整頓しようとしたけど結局乱雑に詰め込まれたにすぎないおもちゃ箱みたい。そんなnote。

マガジン

  • 保存版note

    心に残ったもの。読みやすい文。あとから読み返したい。そう感じたnoteたち。

  • 自分語り

    ただひたすら自分のこと。内省。赤裸々。心の深淵をのぞく。自分を切り売りしてるnoteたち。

  • 保存版note ver.医療

    医療。看護。役立つ知識。深掘りしたい情報。落とし込みたいnoteたち。

  • 医学英語文献の翻訳

記事一覧

非日常(ニチジョウ)

とある音声配信の枠で聴いていた。 配信主の。検査が。そして全身麻酔が。何もかもが怖いという話。 そうだよな。それが自然な反応だよな。そんなことを思いながら。ポツ…

だて
1日前
16

希み

"だてって他人に関心がないよね" とある人にそう言われて。 自分では。他人に、人間に、興味関心がある人だと思ってた。思ってたはずなんだけれども。 その言葉が違和感…

1,000
だて
11日前
4

秋空に似合わぬ夏の暑さの中。 ふと思い立って神社に詣でてみた。 空に浮かぼうかと感じさせるほどの大きな鳥居を潜ると。 七五三の祈祷であろうか。洋装の大人たちと和…

だて
2週間前
6

心に残っている何か

人の死に慣れちゃったな。 そう感じるようになったのはいつ頃からだろうか。 息を引き取った患者さんを見ても。その傍で泣くご家族をみても。心動かされなくなってきた。…

だて
3か月前
19

存在の境界線が溶ける瞬間

近ごろはnoteを書くような思考がまったく見当たらない。 でも何か書きたいモヤモヤした感情はある。でも文章も。文字ですら浮かんでこない。 次第にこんな疑問が頭に浮か…

だて
4か月前
3

アンビバレント

親子とか。夫婦とか。恋人とか。友だちとか。 人と人との繋がりや思いが伝わる何かが苦手だ。 そういう場面や状況。創作されたものでも現実でも。そういう場面に出くわす…

だて
8か月前
7

葛藤というなにか

医療・福祉の道に足を踏み入れて10年以上。 もはや両の手足の指では数えきれないほどの人の死を看取ってきた。 生きることから死に向かって舵を切るとき。その瞬間という…

だて
8か月前
5

寒さが一気に深まったころ。その人は運ばれてきた。 自宅で心臓が止まってしまって卒倒したけれども。医療知識のない高齢の夫に心臓マッサージを期待するのは酷なことだと…

だて
9か月前
7

隙間

その人の人生というか。生き様というか。 隙間から差し込んだ光がなにかを照らすように。その人の感情や思考、生活や生き方が浮き彫りになって。透けて見える瞬間が好きだ…

だて
1年前
10

遍歴

不倫とか。浮気とか。 悪いことといわれつつも。いろんな場面で沸騰して取り上げるくらいには。じつはみんな好きなんじゃないか。そう感じるほどに熱くなってる人々がいる…

だて
1年前
18

ミステリアスとか。 壁が厚いとか。 そう評されることが。 まあまあある。 とくに自分のことを隠しているわけではないし自分ではどちらかと言えばオープンな方だと思っ…

1,000
だて
1年前
2

距離感

夏のにおいが街を覆うころ。人々が行き交うようになった街角。 店には人が溢れ。客と客、客と店員を区切っていた仕切りは取り除かれ。 長らく開かれなかった地元の祭りで…

だて
1年前
38

彼方へ

それはなんの前触れもなくあらわれた。 脳出血で手術を受けたその人は。人工呼吸器につながれて静かに眠っている。 わたしがその人を受け持ったのは手術を受けてから数日…

だて
1年前
21

ミスドの大学生

ミスドに通い詰めている私だが。もともとはミスドがそんなに好きだったわけではない。育った街にも、いま住んでいる街にも。たまたまミスドがあった。そしてコーヒーがおか…

だて
1年前
4

ミスドの田中さん

寂れているのか栄えているのか。店も人もそれなりに多いが高齢化が進む中途半端な街。その一角にミスタードーナツがある。 そこでゆったり過ごすのが好きだ。常連を自負す…

だて
1年前
6

打ち上げ花火

その日はとても忙しかった。 看護師3年目の夏。 検査。オペ出し・オペ迎え。傷口の処置。夕方からは患者さんに覚えてもらわなければいけないケアの指導や。その中で突然…

だて
1年前
4
非日常(ニチジョウ)

非日常(ニチジョウ)

とある音声配信の枠で聴いていた。

配信主の。検査が。そして全身麻酔が。何もかもが怖いという話。

そうだよな。それが自然な反応だよな。そんなことを思いながら。ポツポツとコメントを返す。

人にとってのそんな非日常が。自分にとっての日常になってしまったのは一体いつからだろう。

医療に足を踏み入れた当初は。何もかもが非日常で。患者さんや家族がどう感じるか?とても敏感に察していたように思う。

当た

もっとみる
希み

希み

"だてって他人に関心がないよね"

とある人にそう言われて。

自分では。他人に、人間に、興味関心がある人だと思ってた。思ってたはずなんだけれども。

その言葉が違和感なく。なんの拒絶反応もなく。スッと自分の中に入ってきて。

あれっ?なんだろう?なんでだろう?

戸惑いながらも。なんでか腑に落ちている。そんな自分に驚きながら。

そういえば。

もっとみる
刻

秋空に似合わぬ夏の暑さの中。

ふと思い立って神社に詣でてみた。

空に浮かぼうかと感じさせるほどの大きな鳥居を潜ると。

七五三の祈祷であろうか。洋装の大人たちと和装の子どもたち。神主と巫女に囲まれて恭しく佇んでいる。

子の幸せを願う親たちのどれだけの祈りがこの社に座す神に捧げられてきたのだろう。

いま目の前にいる親たちの願いを知ってか知らずか。抱えられた子どもはきょろきょろと辺りを見回して

もっとみる
心に残っている何か

心に残っている何か

人の死に慣れちゃったな。

そう感じるようになったのはいつ頃からだろうか。

息を引き取った患者さんを見ても。その傍で泣くご家族をみても。心動かされなくなってきた。

自分の心はこんなにも冷たかったっけ。

一般病棟にいた頃は。患者さんとお喋りしてその人柄や考え、それまでの人生、家族との距離を感じ取ることができた。患者さんやご家族からの感謝や労いの言葉をかけられたり。時には罵声や暴言を吐かれたりし

もっとみる
存在の境界線が溶ける瞬間

存在の境界線が溶ける瞬間

近ごろはnoteを書くような思考がまったく見当たらない。

でも何か書きたいモヤモヤした感情はある。でも文章も。文字ですら浮かんでこない。

次第にこんな疑問が頭に浮かぶ

”僕は今存在しているのか”

急に怖くなって自分の両手に視線を落とした。
確かに僕の両手だ。なのにこの違和感はなんだ。

瞬間

全身に痺れるような感覚が走った。

手の平から腕にかけて走る血管が強く光を放ち始め、光に包まれた

もっとみる
アンビバレント

アンビバレント

親子とか。夫婦とか。恋人とか。友だちとか。

人と人との繋がりや思いが伝わる何かが苦手だ。

そういう場面や状況。創作されたものでも現実でも。そういう場面に出くわすと。心が震わされたり込み上げてくる感情があったりする。

家族というものや。恋愛や結婚というものに。ずいぶんと冷めた考えを持っている自分なのに。驚くほど心を揺さぶられてしまう。

そうしたアンビバレントな心に気付いたときに。心のが上下に

もっとみる
葛藤というなにか

葛藤というなにか

医療・福祉の道に足を踏み入れて10年以上。

もはや両の手足の指では数えきれないほどの人の死を看取ってきた。

生きることから死に向かって舵を切るとき。その瞬間というか、その時というか。意識があってもなくても。なぜか。

あ、この人はもう生きることを諦めたなと。そう感じることがある。

転げ落ちるように悪くなっていく人の傍で。

″ 早く元気になってね ″

そう語りかける家族の悲痛な表情を見るた

もっとみる
涙

寒さが一気に深まったころ。その人は運ばれてきた。

自宅で心臓が止まってしまって卒倒したけれども。医療知識のない高齢の夫に心臓マッサージを期待するのは酷なことだと思う。

救急隊が到着し蘇生処置が開始され。病院に到着し。蘇生が続けられて心臓の動きが戻った。戻ったけれども長く止まっていたため。酸素を受け取れなかった脳は深刻なダメージを受けた。

人工呼吸器に繋がれて静かに眠るその人の傍で。手を握りな

もっとみる
隙間

隙間

その人の人生というか。生き様というか。

隙間から差し込んだ光がなにかを照らすように。その人の感情や思考、生活や生き方が浮き彫りになって。透けて見える瞬間が好きだ。

そうした瞬間を感じるひとつ。それは人が好きな曲を知ったとき。

その曲や歌詞の何がその人の琴線に触れたのか。どんな感情があるのか。そこに至った人生の軌跡はなにか。

想像というか妄想に近いかもしれないけども。そういうことを考えながら

もっとみる
遍歴

遍歴

不倫とか。浮気とか。

悪いことといわれつつも。いろんな場面で沸騰して取り上げるくらいには。じつはみんな好きなんじゃないか。そう感じるほどに熱くなってる人々がいる。

裏切られたとか。酷いことされたとか。サレ側にはいろんな感情が沸き起こるものなのだな。

だいたいにおいて。そんな他人事のような思いで。SNSで炎上する不倫のニュースや話題を見つめている自分がいる。

その子と付き合い始めたのは。わた

もっとみる
壁

ミステリアスとか。

壁が厚いとか。

そう評されることが。

まあまあある。

とくに自分のことを隠しているわけではないし自分ではどちらかと言えばオープンな方だと思っている。

なのだけども。

この自己評価と他者評価との解離は一体なんなのだろう。

とある友人と話してて思いついたことを書き綴ってみる。

もっとみる
距離感

距離感

夏のにおいが街を覆うころ。人々が行き交うようになった街角。

店には人が溢れ。客と客、客と店員を区切っていた仕切りは取り除かれ。

長らく開かれなかった地元の祭りでは屋台が立ち並び。多くの人が口を大きく開けて笑いそして美味しそうに食べている。

入職してきた新人たちの集合写真も。マスクを外して撮影されていて。

これが日常だったっけ。そんな戸惑いにも似た疑問が頭を駆け巡る。

マスクを取って初めて

もっとみる
彼方へ

彼方へ

それはなんの前触れもなくあらわれた。

脳出血で手術を受けたその人は。人工呼吸器につながれて静かに眠っている。

わたしがその人を受け持ったのは手術を受けてから数日経ったころで。

状態は悪いながらにも安定しているように見えた。

突如血圧が下がりはじめ。60、40、30、20と瞬く間に下がっていく。医師を呼び、家族を呼ぶ。

電話で状態を伝えられた家族の声がこわばるのが分かる。

蘇生処置はしな

もっとみる
ミスドの大学生

ミスドの大学生

ミスドに通い詰めている私だが。もともとはミスドがそんなに好きだったわけではない。育った街にも、いま住んでいる街にも。たまたまミスドがあった。そしてコーヒーがおかわりできてゆっくり過ごせる。ただそれだけの理由で通うようになった。

注文するのはだいたいホットのカフェオレ。コラボやイベントのドーナツがない限り。ハニーチュロかハニーオールドファッション、またはシュガーレイズドかダブルチョコのいずれか2つ

もっとみる
ミスドの田中さん

ミスドの田中さん

寂れているのか栄えているのか。店も人もそれなりに多いが高齢化が進む中途半端な街。その一角にミスタードーナツがある。

そこでゆったり過ごすのが好きだ。常連を自負するくらい通っている。

そしてその店に田中さん(仮名)がいる。私がこの街に引っ越してきて通い始めて。早7年以上。田中さんはずっと働いている。40前後だがとても若々しく。テキパキと働く田中さんを見ているのが好きだ。

動きに無駄がなく動線は

もっとみる
打ち上げ花火

打ち上げ花火

その日はとても忙しかった。

看護師3年目の夏。

検査。オペ出し・オペ迎え。傷口の処置。夕方からは患者さんに覚えてもらわなければいけないケアの指導や。その中で突然にくる急患の対応や。日勤が帰ったあとには血糖値や内服、点滴、配膳、ナースコールの対応に追われていて。

仕事に慣れてきたとはいえ。先輩の手をとうに離れ。重症な患者さんも任せられるようになり。ストレスと外科病棟の多忙さで疲弊してる中の、い

もっとみる