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ミスドの田中さん


寂れているのか栄えているのか。店も人もそれなりに多いが高齢化が進む中途半端な街。その一角にミスタードーナツがある。

そこでゆったり過ごすのが好きだ。常連を自負するくらい通っている。

そしてその店に田中さん(仮名)がいる。私がこの街に引っ越してきて通い始めて。早7年以上。田中さんはずっと働いている。40前後だがとても若々しく。テキパキと働く田中さんを見ているのが好きだ。

動きに無駄がなく動線は最短。レジの捌き方、ドーナツの盛り付け、コーヒーを入れる動作すべてが華麗でリズム感がとてもよい。どんなお客さんにも笑顔を絶やさず明るい口調も変わらず。無駄な動きをせずにステップを踏むように動き回る田中さんを見ているのが好きだ。

もちろん恋愛感情としてではない。プロだなぁと思う。社員ではない一介のアルバイトなのだろうが。手を抜かずにテキパキと働く田中さんを見ていると。チェーン店のアルバイトであってもプロフェッショナルを感じる。

自動ドアをくぐって田中さんを見かけると。あ、田中さんだ、ラッキー。そう思う。一方的に認識しているだけであろうけども。田中さんを見ていると。なんとなく、頑張ろうと。そう思える。

そんな田中さんは今日もミスタードーナツでテキパキと働いている。



だて






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