#エッセイ
美弱あつめ001 「光る産毛」 ※創作大賞応募作
草木の蕾や実にびっしりと生えた産毛につい目がいってしまう。
五月初旬のある日、近所の公園で、淡いピンクのバラの花を囲むように、先がツンと尖った固い蕾がいくつもついているのを見た。その様子がまるで、気高く美しいお姫様をお守りする兵士のように思える。
しかしよく見れば、頑強そうな蕾たちには微細な産毛が生えている。勇敢な兵士であっても、思わず立ちすくんだり、体が震えるような恐怖に襲われたりすること
トイレットペーパーへの疑念
私は今、疑念に駆られている。
最近、お店に行くと、様々なトイレットペーパーを見かけることがある。昔はトイレットペーパーといえば、シングルかダブルくらいしか選択肢がなかったが、最近は本当に種類が多い。
どこぞのお姫様が使うのか、と思わせるような、花柄プリントのものや、フローラルなどの香り付きのもの。ウォシュレット用の破けない丈夫なものまで、使う人に合わせたラインナップが豊富だ。
私は実
茶碗が割れたら、転換の合図/2023.12.05
朝から炊き立てのごはんを、お気に入りのお茶碗に盛って食べれるのは、すごく幸せなことだ。
朝ごはんはごはん派だ。
子供のときから、卯ノ花家の朝ごはんの主食はごはんだった。
上京したばかりの頃。
シェアハウスの備品としてあった炊飯器を使うのに抵抗があり、しばらくの間、パンを毎朝食べていた。
しかし、パンはすぐにお腹が空いてしまい、お昼ごはんを多く食べてしまいがちだった。
さらにパンを毎朝食べるの