さなみ 七恵

「美弱」を届ける物書きです。人の弱さにある美しさをつづることで、その人がより自分らしく…

さなみ 七恵

「美弱」を届ける物書きです。人の弱さにある美しさをつづることで、その人がより自分らしく生きるお手伝いをします。神社&カフェ巡りが大好き。出雲が心のふるさと。

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さなみ七恵の美弱つづり

私はずっと、自分を弱い人間だと思っていました。そして、弱いことは悪いことだと思っていました。強くあらねば、生きている価値はない。弱い私がこの世からいなくなっても誰も困らない。39年間生きてこられたのはたまたま運が良かっただけで、こんな弱い人間はいつ死んでもおかしくない。そんなふうに、家族が聞いたら悲しむであろうことを思っていました。 今もなお、たくさんの弱さを抱えています。 たとえば私は、匂いのコンプレックスが小学校低学年の頃からあります。私が口を開くと、クラスメイトが「く

    • 美弱あつめ001 「光る産毛」

      草木の蕾や実にびっしりと生えた産毛につい目がいってしまう。 五月初旬のある日、近所の公園で、淡いピンクのバラの花を囲むように、先がツンと尖った固い蕾がいくつもついているのを見た。その様子がまるで、気高く美しいお姫様をお守りする兵士のように思える。 しかしよく見れば、頑強そうな蕾たちには微細な産毛が生えている。勇敢な兵士であっても、思わず立ちすくんだり、体が震えるような恐怖に襲われたりすることもあるのだろうか。産毛は、鎧の中に秘めておいたはずの弱さが顕れたものかもしれない

      • やりたいことだけをやる幸せな人生に導いてくれた「青」の話

        (※この記事はプロモーションを含みます) ぶさいくだった私がたった1年で美しく「ななちゃん、ほんっとに明るくなったよね。前までと別人だよ」 「お世辞じゃなくて、めちゃくちゃきれいになった」 昔からの私を知る家族や友人は、2023年初夏から突然、しかも急激に変わっていった私の姿にとても驚いている。私自身も毎日鏡を見るたびに「どんどん美しくなっていく……!」とすごく嬉しくなる。「よく自分で美しいなんて書けるね」と思われるかもしれない。でも実際にそうだから、堂々と書きたい!

        • 4月25日 時間やお金の概念はない

          うはぁぁぁ、友だちのトークライブに行き、タイトルどおりの話を聞いた。面白かった。今の私には言語化できないなぁぁ。そこをなんとか、かいつまんで書いてみる。あ、やっぱり無理かも。 時間が伸び縮みしたり、ないはずのところからお金が生まれたりすることは、ある。「そんなこと起こるはずない」という意識から解放されれば。 私も大いに思い当たる節があるので、引き続きその世界線で生きてゆきたい。別に私や友だちに特殊能力があるわけではなく、誰もが「そうありたい」と思えばいける世界なんだって!

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        さなみ七恵の美弱つづり

          4月24日 「ある」に満たされきる

          紗織ちゃんという年下の友だちが「七恵さん、どこか1日、全くお金を使わずに、今あるもの、手に入ってるもので、思いつく限り自分が心地いいと感じることをしながら、自分を甘やかして愛しながら、豊かさ感じる日をつくってみてください〜🥰」とアドバイスをくれた。 私、今自分に「ない」ものばかりにフォーカスしてしまっていたから「わ、紗織ちゃんにはお見通しなんだな!」とギクリとしました。 「ない」に意識を向けると、どんどん「ない!ない!」となってしまうから、「ある」に満たされきる日をつくっ

          4月24日 「ある」に満たされきる

          4月23日 ハナミズキのくるんくるん

          思い立って日記を始めてみますっ。 好き勝手書くので、読みにくかったらごめんなさい。 会社を辞めて、フリーランスになりました……と言うと聞こえがよいね。無職になりました。完全に無職!わあ! 毎日何をするとか決まっておらず、でも晴れていたら朝に散歩するようにしています。住宅街にも自然はたくさんあり、その様子を見ながら歩いてるだけでとても楽しい!!植物の成長が早くて、たった1日で景色が、世界がガラッと変わるので驚く。 今日は団地の塀の中に植っている白のハナミズキの様子をしげし

          4月23日 ハナミズキのくるんくるん

          きらいだから楽しくて作る

          連載エッセイの7話目が公開されました🎉 これまでで一番楽しく書けた!!!大好きな文章!! 頭で言葉をこねくり回すのではなく、胸のあたりから自然と言葉が生まれる感覚を初めて得た!! この感覚を忘れないでいようと思う。 きらいがテーマなのに、自分の中にたくさんの大好きが生まれたことが嬉しい。店主さんやお店を大好きになったし、松江も旅することも書くこともより大好きになった。

          きらいだから楽しくて作る

          日御碕の海がおしゃべりにする『神様の近くのタクシー運転手さん #02』

          昨年の夏から、およそ月イチで出雲をひとり旅している。毎回、出雲大社を中心に、ピンときたところ(たいていは神社)を巡る。バスや電車で行くには不便な場所ばかりなうえにペーパードライバーなので、タクシーを利用することが多い。 タクシーを捕まえる直前は、毎回緊張する。数十分、長いときは2、3時間、狭い空間で運転手さんと二人きりになるのだ。もし感じの悪い人に当たったらどうしよう……と少し不安になってしまう。でもそれは運転手さんも同じだよな。というか運転手さんはこの巡り合わせを毎日毎日

          日御碕の海がおしゃべりにする『神様の近くのタクシー運転手さん #02』

          27年間に650台のアップルパイを焼いた母の「続けるリズム」

          CORECOLORでの連載エッセイの第5回が公開されました(うおおお、5回…嬉しい…) お時間あれば、読んでいただけると嬉しいです。 数年前にも母のアップルパイの話を書いたのですが、今思えば、その文章は「自分の人生のままならなさ」を母のせいにしていたなぁぁ。そのままの私なら、「書き続ける人生」を諦めることになってたかもしれない。

          27年間に650台のアップルパイを焼いた母の「続けるリズム」

          世界との接点をつくる

          CORECOLORでの連載エッセイが今月も無事に公開されました…涙。 初稿を提出した際、編集長でライティングの師匠でもあるさとゆみさんに「世界との接点がほしい」「自分を癒すための文章ではなく、読者さんが何かを得られる文章が書けるようになるとよい」などなど、たくさんのアドバイスをいただきました。 「自分を知ってもらいたい」欲が、文章に滲み出てしまっていたのだなぁと気づかされて、「でも待てよ。私はもう十分愛し、愛される存在なのだから、『私を知って!!』のフェーズは卒業していい

          世界との接点をつくる

          大きな壁の向こうの宝石を取りにゆく

          エッセイ連載『会いたいから食べるのだ』の3話目が公開されました。 私がこれまで書いたエッセイの中で、いっっっっちばん難しかったです。 書きながら成長するしかない、という感じでした。 今の自分の全てを出し切りました。 「大きな壁の向こうの宝石を取りにゆく」は、エッセイの中で登場したAちゃんが最近言っていた言葉です。 目の前の道に大きな壁が立ちはだかっているが、その向こうには美しい宝石があるのがわかる。 一方、隣の道には壁がなく、お菓子が置いてある。 楽をしようとすると、お

          大きな壁の向こうの宝石を取りにゆく

          会いたいから食べるのだ 第2回が公開されました☕️🍞

          CORECOLORでの連載2回目が公開されました☺️ とてもとても「無口」な店主さんのカフェについて。 最近、「音」を意識するようになったな…と思います。 お時間がありましたら、読んでいただけたら嬉しいです。 (これから第二水曜日に公開される予定です☺️☺️)

          会いたいから食べるのだ 第2回が公開されました☕️🍞

          真夏なのに、春うららだった 『神様の近くのタクシー運転手さん #01』

          7月から一人旅をたくさんしている。 「やりたいことをやれるようになるには、まず1ヶ月以内に行きたい場所に行くと決めて、実行するといいよ。そうすると自信がつくから。できるだけ遠くね。お金や時間がないって思うかもしれないけど、案外なんとかなるから」 友だちの「青ちゃん」の言葉を信じて一人旅をしてみたら、本当になんとかなった。味を占めた私は、日本各地の気になる場所に行こうと決めた。 旅の目的地は、神社が多い。 母の信仰の影響もあって、子どもの頃からずっと神社は恐ろしくて遠い存

          真夏なのに、春うららだった 『神様の近くのタクシー運転手さん #01』

          連載『会いたいから食べるのだ』がスタートしました

          私のライティングの師匠である佐藤友美(さとゆみ)さんが運営するWebメディア『CORECOLOR』にて、エッセイの連載をさせていただけることになりました😭 連載タイトルは『会いたいから食べるのだ』です。 自分のことを食いしん坊だと思っていたのですが、ただ美味しいものを食べられればいいのではなく、大切な人と心を通わせたいのだなあ、温かい時間を一緒に過ごしたいのだなあと改めて感じました。 ただ、いつも誰かといたいわけではなくて、どちらかというと、一人で過ごす時間のほうが長いで

          連載『会いたいから食べるのだ』がスタートしました

          39年間ずっとブスだったけれど

          「ブスなんだから化粧くらいしろよ」 「化粧して色気を出すなんて、はしたない」 子どもの頃から自分をブスだと思っていた。 一重のまぶたは目に覆いかぶさるほど分厚い。まつ毛は産毛ほどしか生えておらず、眉毛は薄くて三角形。真正面から丸い鼻の穴がこんにちは。 言った本人はもう覚えていないかもしれないし、私も今は相手を責める気は全くないのだけど、昔から兄に「ブス」と言われてきた。小学生の頃、夕飯中に私がおしゃべりを始めると「黙れブス」。口答えすればブスと連呼されるから、すぐに黙った

          39年間ずっとブスだったけれど

          一縷の美弱

          「美弱」とは、人やものがもつ美しい弱さです。弱さなので、強さのように主張せず、控えめに存在しています。特に人の弱さは、これまで「出てこないで!」と隠されがちだったため、余計に見えにくいです。でも、どんなに隠されようと、それらは微弱な光を放ち、「ここにいるよ」とささやいています。とても美しいと私は思います。 弱さが美しいだなんて、信じられないかもしれません。弱さなんて忌まわしいものは、なくなってしまえばいいとも思うかもしれません。でも、自分の弱さをじっと見つめて、その存在を認