ミーミー

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ミーミー

競馬と阪神と本とスピッツとタモリが好き! 元学校司書&元中学校教員。 経験を全部笑いに変えたくて主にエッセイを書いています。 2023年の受賞 【マイナビ×note #あの選択をしたから グランプリ】 【文藝春秋×note #未来のためにできること 優秀賞】

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    素敵なクリエイターさんたちの勉強になるnoteを集めています!文章術や考え方、おいしいものの作り方などなど✨

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    一読だけではもったいない!何度でも読みたい!という大好きな記事を集めています🍀

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  • 《 みんなの本棚 》絵本・児童書コーナー

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    【こちらは絵本・児童書コーナーです】 noteで見つけた素敵な絵本・児童書の記事を、みんなでシェアしませんか。 【共同運営マガジン】

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誰かいる場所

「芋の子を洗うよう」と言ったら失礼かもしれないが、 実際に目の前に広がっている光景はまさにそんな感じだった。 そう広くもない中学校の図書室に沢山の生徒たち。 見慣れたその光景は、 私が想像していた 「一般的な図書室」とはちょっと違うものだった。 図書室。 それは、 人が本を求めてやってきて、 読んだり借りたり調べたりする場所。 しかし、本とはまったく関係なしにやってくる人もいる。 半分くらいはそうだった。 並んでいる本はただのインテリアだと思っている様子で、 ただ、やって

    • 【創作大賞感想】孫になりたい

      私には祖父母との思い出が(あまり)ありません。 私が3歳の時点で存命だったのは父方の祖母だけで、 その祖母とも離れて暮らしていたので、 「おばあちゃんとの触れ合い」のようなものを知らずに大人になりました。 友人たちから聞く、 おじいちゃん、おばあちゃんの話は 私にはどう頑張っても手の届かない、 「羨ましい」のかたまりでした。 しかし、 結婚をしたら、 「おばあちゃん」が出来ました。 夫の祖母です。 お盆と年末年始、夫の田舎に帰ると、 「おばあちゃん」に会えました。 お

      • ごきげんとり 第7話〈最終話〉

        ○ 2025年8月16日〈根子例祭前日〉 乾恭子は、篠山正海のあとを追って外に出た。 時間差で2階から降りてきた息子の克夫を 「あとは私がすべてうまいことやるわ」と言って、部屋に戻るよう指示をしたあと、 キョロキョロとあたりを見渡して、ため息をついた。 篠山は今出て行ったばかりだ。 そんなに遠くへは行っていないだろう。 車で追いかければすぐに追いつくが、 こんな暗闇では、どこかに隠れられたらわからない。 深呼吸をして、エプロンのポケットに入れていた車のキーを取り出す。

        • ごきげんとり 第6話

          〇 2025年8月16日〈根子例祭前日〉 その日、真巳子は忙しかった。 根子例祭を明日にひかえ、朝から数名の町民たちが入れ替わり立ち替わり義父のもとを訪れた。 そのたびに義父に呼ばれ、 「真巳子です。よろしくお願いいたします」と挨拶をさせられる。 4月に引っ越してきた時にも同じようなことをしたはずなのに、祭りの前となるとまた特別なのだろうか。 そのうえ夜には別の来客があった。 夫の乾克夫に「お世話になった」という篠山正海だ。 1ヶ月ほど前、タクシーが捕まらず困って

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        誰かいる場所

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        記事

          ごきげんとり 第5話

          ○ 2025年7月 今年もこの季節がやってきたなぁと、 乾克夫は上機嫌で、根子神社から駅前へと続く道をドライブしていた。 これは数年前から続けている克夫の中のルーティンみたいなもので、 おねこさまがお喜びになるであろう貢ぎ物を探す、地道な活動である。 狭く小さな町だ。 どこからどう漏れるかわからないから、なるべくこの町以外の人を探したい。 そういう思いで克夫は毎日、仕事の合間にドライブをしていた。 ドライブ、というより、 パトロール、と言った方がしっくりくる。 駅前

          ごきげんとり 第5話

          ごきげんとり 第4話

          ○ 2025年7月 篠山正海が九州の海沿いにある田舎町に到着したのは夕方の5時を回ったところだった。 町の雰囲気を見ておこうとなんとかここまでやってきたが、 生暖かい風を感じた瞬間、東京からの移動の疲れがドッと出た。 もう今日はウロウロせずにこのまま予約した宿に向かおうとタクシーを探す。 今利用したばかりのバスが行ってしまい、小さな駅前から見えるのは閉店の紙が貼られた弁当屋とコンビニと自動販売機のみだった。 この町の人たちはほぼ1人1台の自家用車移動なのだと、千鶴から聞

          ごきげんとり 第4話

          ごきげんとり 第3話

          〇 2025年7月 「克夫さんの妹!?」 乾真巳子は驚いて、飲んでいたコーヒーをつまらせ、咳き込んだ。 真巳子の同僚で社会科教師の鳥居由紀は、 驚く真巳子を見て、逆に驚いた様子だった。 中学校の職員室。 同じ学年の担当になり、席が隣同士の真巳子と由紀は最近よく話す仲になった。 真巳子は48歳で、由紀は38歳。10も年下のはずなのに気が合う。どちらかというと、由紀の方が落ち着いていた。 「え?本当に聞いてないの?一度も?誰からも?」 咳き込みながら、由紀の問いに「うんう

          ごきげんとり 第3話

          ごきげんとり 第2話

          ○ 2025年4月 私は乾亜巳、小学6年生。 この春から、ここ、根子町に引っ越してきた。 ママが「いぬいかつお」という男の人と結婚して、 私は「いぬいあみ」になった。 このたび初めて、 かわく、と書いて、 いぬい、と読むことを知った。 知らなかった読み方の漢字が自分の名字になるなんて変な気分。 ママは私にかつおさんのことを 「お父さん」もしくは「パパ」と呼んでほしいみたいで、何度も「そう呼んだっていいのよ」と言ってくるけど、 私はそのどちらの呼び方もしたくない。と、いう

          ごきげんとり 第2話

          ごきげんとり 第1話

          ○ 2022年8月 俺がライター仲間の千鶴に頼まれ、九州のこの田舎町にやってきたのが昨年の10月。早いもので10ヶ月が経った。 普段は静かで朴訥な雰囲気漂う町だというのに、今月に入るとまるで町全体が何かにとりつかれたかのように一気に活気づき始めた。 毎年8月に開催される、町はずれにある小さな神社の例大祭が町の人々の心を浮き立たせているのだ。 町には他にもいくつかの神社が点在しているが、例祭として地域の人々の心を踊らせるのはこの祭りだけで、漂う空気にもそこに住む人間たち

          ごきげんとり 第1話

          創作大賞小説部門、皆さんの作品がすごいので無理だろうなと思いつつも「何か1つくらいは書きあげて出したい」と今ヒーヒー言いながら書いてます。こんなギリギリになって書いている私が悪いのだけどここにきて家族が体調不良。間に合うのだろうか…。早く出して皆さんの記事の感想を書きたい!

          創作大賞小説部門、皆さんの作品がすごいので無理だろうなと思いつつも「何か1つくらいは書きあげて出したい」と今ヒーヒー言いながら書いてます。こんなギリギリになって書いている私が悪いのだけどここにきて家族が体調不良。間に合うのだろうか…。早く出して皆さんの記事の感想を書きたい!

          【創作大賞感想】名前について考える

          ここのところ、頻繁に名前について考えていました。 自分の本名についても、 このnoteネーム(ミーミー)についても。 そんな時に、 「名前に不満がある状態=人生に不満がある状態ではないか?という仮説」 という、SHIGE姐さんの記事を発見! もう、 「そう!そうなの!そうなのですよ!」と、 ひとりごとで記事に(SHIGE姐さんに)話しかけちゃうくらい、 SHIGE姐さんと私の「名前境遇」と似ていました。 私の名前は父がつけてくれました。 こう言うと、 「親が名前をつける

          【創作大賞感想】名前について考える

          【創作大賞感想】傷を負った大人と傷の場所を知らない少年のお話

          本を読んで「楽しいな、良かったな」と思う瞬間。 それは人それぞれだと思いますが、 私の場合は読書を通じて 「知らなかった世界のことを知れる」瞬間がたまらなく楽しくてワクワクします。 丁寧に書かれていればいるほど感情移入できますし、その世界に没入できます。 そんな小説を読み終えたあとは、 もうなんて言えばいいんでしょう。 ほわわわわーん、ですよ。 ひとしきり、ほわわんしたあとは、 「読書って素晴らしい!」 「神様ありがとう!」 「いや、神様じゃなかった!作者さんだよ!作

          【創作大賞感想】傷を負った大人と傷の場所を知らない少年のお話

          【創作大賞感想】憧れのホームパーティー

          私はあまりホームパーティー(ホムパ)をしません。 友人の家にお呼ばれすることや、 我が家に来てもらってお茶程度はあっても 「友人知人を沢山呼んで自分で料理を作ってふるまう」ということのハードルが高すぎて。 自分から皆さんを「招待する」をやったことがないんです。 数年間のコロナ禍を経て、 「そろそろいけるのではないか」というこのタイミングで、 なぜ私が「ホムパ」に尻込みしてしまうのか、 その理由を考えてみました。 まず「掃除しなきゃ」から始まって、 「何飲むの?」「何食べ

          【創作大賞感想】憧れのホームパーティー

          【企画参加】できれば踊りながら登場したい

          石元みとんさんの企画に参加します。 スタジアムなどで登場する時の「登場曲」ってありますよね。 まず、自分ではああいう華々しい場所で「登場」することがないので記憶と妄想全開でいきますが、 阪神タイガースのね、藤川球児投手の登場曲が リンドバーグの 「every little thing every precious thing」 という曲だったんですよ。 あの曲が流れたら (あ!球児くんが出てくる!!阪神が勝つ!!)ってワクワクして、勝つところまで想像できちゃうという。 あ

          【企画参加】できれば踊りながら登場したい

          がめつい娘と父の日

          父が元気だった頃、 毎年6月の2週目あたりに電話がかかってきていた。 父と離れて暮らすようになって、 最初の年の6月。 父からの突然の電話があまりにも「らしい」内容だったので、 怒りというか、呆れというか、 「もう本当にこの人は……」という気分になって笑ってしまったのを覚えている。 「今日はな、大事な大事な話があって電話してんけどな。あんな、ミーはアホやから、もしかして忘れとったらあかん思うて。今度の日曜日、何の日かご存知ですかね?ご存知やったらええねんけど、ご存知ちゃう

          がめつい娘と父の日

          思ってたのと違う

          息子の定期テストが近いです。 子どものテスト前というのは親もなんだかソワソワするもので。 「私もなんらかのお役にたちたい!」と思い、頼まれてもいないのに毎度漢字の問題を作ったりしています。 今回もせっせとテスト範囲の漢字を調べ、問題を自作しておりました。 息子は現在中学2年生。 中2ともなれば、習う漢字も難易度高し。 書くのはもちろん難しいのですが、なんとか書けたとしても送りがなを間違えそう。 読みも一度頭に入っていないと読めない可能性大。 いつもは書き取り用のテストだけ

          思ってたのと違う