ミントライム

理学療法士|保健学博士| コーヒーが大好きです。 理学療法士の垣根を超えて、色々なこと…

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理学療法士|保健学博士| コーヒーが大好きです。 理学療法士の垣根を超えて、色々なことにチャレンジしています。その中で感じたことを、肩の力を抜いて、投稿していきます。

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    • 43本

    臨床研究に大切な思考、方法を解説していきます。

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  • コーヒー日記☕

    コーヒーを飲みながら、ふと感じたことをゆる~く書いた日記です。

  • 『構築論的理学療法』という提案

    『構築論的理学療法』に関するプロトタイプを提示し、随時アップロードしていきます。

  • 読書メモ

    『私的な、あまりに私的な』読書メモです。

記事一覧

コーヒー日記㉔~リハビリにも『訂正する力』を~

今朝は焙煎に失敗したやや生焼けのコーヒーを飲む。 淹れ方次第では悪くない。 ”多少生焼けのコーヒー豆での淹れ方次第で美味しくなる” ぼくのコーヒー観が訂正された。 …

13

コーヒー日記㉓~他者に導かれて~

”自分が大切にしているものがあるにもかかわらず、他者に導かれて、その大切にしているものを手放す。” ********** 哲学研究者、近内悠太氏の著作、『ケア・…

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コーヒー日記㉒~過程を楽しめる趣味~

わたしがコーヒーにハマった理由。 それは、コーヒーを飲むまでの「過程」を楽しめるからだと、自己分析しています。 自家焙煎するほどコーヒーが好きなのですが、実はカ…

ミントライム
2週間前
7

コーヒー日記㉑~”共に働く”ということ~

”わたし”が働くから、”わたしたち”が働くへの転換。 ********** わたしは来月から、子どもの保育園への送り迎えのために時短勤務となる。 臨床と研究をバ…

ミントライム
3週間前
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コーヒー日記⑳~人間個々、固有のリズム~

人間には、個々、固有のリズムがある。 スピノザを援用すれば、 人生とは、神の「変状」である人間個人が、固有のリズムで歩む生である。 ********* 子守りの…

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1か月前
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コーヒー日記⑲~利用者さんの言葉とスピノザ①~

わたしは現在、理学療法士としてデイサービスに勤務している。 そこでは当然、様々な言葉が交わされる。 その中に、ふと、「スピノザ的だなあ」と思う言葉に出会うことが…

ミントライム
1か月前
5

コーヒー日記⑱~もっと手前で死と向き合う~

夏川草介著 『勿忘草の咲く町で』という小説がある。 高齢者医療といかに向き合うかが主題のこの小説で、とてもお気に入りのセリフがある。 主人公の研修医、桂正太郎の指…

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1か月前
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人生史とコナトゥス

この記事でも、「構築論的理学療法」の核となる、被ケア者に人生史を語っていただくことの意義について書いてみたい。 要点を先に示すと、以下の通りである。 ■人生史を…

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1か月前
7

真の「○○したい」を引き出す人生史

構築論的理学療法と人生史以前提案させていただいた、『構築論的理学療法』。 従来の理学療法と対比するうえで大きなポイントは、『人生史』である。 *********…

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1か月前
9

コーヒー日記⑰

前回、『構築論的理学療法』なんてかっこつけた名前を掲げてちょっとばかし論じてみた。 何度も言うがこれはプロトタイプなので(勢いで小一時間くらいで書きました)、随…

ミントライム
2か月前
8

『構築論的理学療法』の要点

前回、『構築論的理学療法という提案』という記事をアップしました。 様々な経験のうえに、宮坂道夫著『対話と承認のケア ナラティブが生み出す世界』を読んで、「これだ…

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2か月前
7

構築論的理学療法という提案【プロトタイプ】

はじめにこの記事は、1人のしがない理学療法士の、小さな思想体系である。 急性期や回復期、そして現在では生活期の分野で働くなかでの気づき。 研究活動を通して感じた…

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2か月前
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コーヒー日記⑯;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part③

1章:前回のおさらい前回は、『構築論的理学療法という提案』として、その概要を述べた。 ざっと説明すると、従来の理学療法は、『実在論的』であるとして(医療や世の…

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2か月前
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コーヒー日記⑮;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part②

前回のおさらい前回、國分功一郎著 『中動態の世界』に記された、哲学者スピノザに関する一節から、なんちゃって哲学を試みた。 前回の内容を一言で述べれば、以下の一節…

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2か月前
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コーヒー日記⑭;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part①

思考と喜びリハビリテーションを行っていると、セラピストと患者さん(利用者さん)の関係は、「能動的ー受動的」になりやすい。 つまり、セラピストは能動的であり、「わ…

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2か月前
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読書メモ②

※2024年2月更新 更新した本の中で特におすすめなのが、 ・近内悠太著 『世界は贈与でできている』 ・影山智明著 『ゆっくり、いそげ』 です。 これからも随時更新してい…

ミントライム
3か月前
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コーヒー日記㉔~リハビリにも『訂正する力』を~

コーヒー日記㉔~リハビリにも『訂正する力』を~

今朝は焙煎に失敗したやや生焼けのコーヒーを飲む。
淹れ方次第では悪くない。
”多少生焼けのコーヒー豆での淹れ方次第で美味しくなる”
ぼくのコーヒー観が訂正された。

さて、最近は『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』と読んできたので、そこでの気づきを備忘録として記録する。

**********

リハビリテーションとは、『リセット』することではない

リハビリテーション業界では、「リセット」という

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コーヒー日記㉓~他者に導かれて~

コーヒー日記㉓~他者に導かれて~

”自分が大切にしているものがあるにもかかわらず、他者に導かれて、その大切にしているものを手放す。”

**********

哲学研究者、近内悠太氏の著作、『ケア・利他・傷の倫理学』で示される、利他の定義です。

この定義と、わたしの現在の働き方とに、重なるところがあった。

研究。

わたしが大切にしていたもの。それを、家族に導かれて、少しばかり手放すことになった。

でも、それは自己犠牲ではな

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コーヒー日記㉒~過程を楽しめる趣味~

コーヒー日記㉒~過程を楽しめる趣味~

わたしがコーヒーにハマった理由。

それは、コーヒーを飲むまでの「過程」を楽しめるからだと、自己分析しています。

自家焙煎するほどコーヒーが好きなのですが、実はカフェインに弱い体質なようで、1日3杯が限界です(それ以上飲むと吐き気が、、、)。
でも、コーヒーをドリップする、つまり飲むまでの過程が好きなので、家族に淹れるなどして、休日は良いコーヒーライフを送れています。

話が変わって、最近ではレ

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コーヒー日記㉑~”共に働く”ということ~

コーヒー日記㉑~”共に働く”ということ~

”わたし”が働くから、”わたしたち”が働くへの転換。

**********

わたしは来月から、子どもの保育園への送り迎えのために時短勤務となる。

臨床と研究をバリバリやっていこうと思っていた、社会人2~3年目の頃のわたしのとっては、このような働き方になるとは想像していなかっただろう。

でも、結婚して子どもができて、働くことに関する「主語」が変わったように思う。

それが、”わたし”から”わ

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コーヒー日記⑳~人間個々、固有のリズム~

コーヒー日記⑳~人間個々、固有のリズム~

人間には、個々、固有のリズムがある。

スピノザを援用すれば、
人生とは、神の「変状」である人間個人が、固有のリズムで歩む生である。

*********

子守りの合間に自家焙煎したコーヒーを飲んで一息つくと、ふと、そんなことを思った。

協調性がなく(思いやりもなく)、マイペース。

医療従事者として、「大丈夫か!?」と思われる性格特性だが、わたしに関する客観的評価として子供の頃からよく言われ

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コーヒー日記⑲~利用者さんの言葉とスピノザ①~

コーヒー日記⑲~利用者さんの言葉とスピノザ①~

わたしは現在、理学療法士としてデイサービスに勤務している。

そこでは当然、様々な言葉が交わされる。
その中に、ふと、「スピノザ的だなあ」と思う言葉に出会うことがある。

スピノザは、17世紀のオランダの哲学者である。
「スピノザの診察室」の著者である夏川草介氏は、スピノザの思想に対してこう述べている。

こういう世の中だからこそ、スピノザの思想はわたしたちに希望を与えてくれると思う。
そしてその

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コーヒー日記⑱~もっと手前で死と向き合う~

コーヒー日記⑱~もっと手前で死と向き合う~

夏川草介著 『勿忘草の咲く町で』という小説がある。
高齢者医療といかに向き合うかが主題のこの小説で、とてもお気に入りのセリフがある。

主人公の研修医、桂正太郎の指導医である三島のセリフだ。

この、「悩み続けること」の大切さは、もちろん医師だけでなく、高齢者医療に関わるスタッフ全体にもいえることだろう。

わたしは昨年から、リハビリテーション病院からデイサービスの施設へと転勤した。
理学療法士と

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人生史とコナトゥス

人生史とコナトゥス

この記事でも、「構築論的理学療法」の核となる、被ケア者に人生史を語っていただくことの意義について書いてみたい。

要点を先に示すと、以下の通りである。

■人生史を語っていただくことは、被ケア者の本質を理解することにつながる
■人生史を語っていただくことは、より「個別性」のある治療へとつながる

では、そもそも本質とは何か。そこから考えてみたい。

『本質』をどうとらえるか

「本質」は日常でもよ

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真の「○○したい」を引き出す人生史

真の「○○したい」を引き出す人生史


構築論的理学療法と人生史以前提案させていただいた、『構築論的理学療法』。
従来の理学療法と対比するうえで大きなポイントは、『人生史』である。

*********

『構築論的理学療法』の概観は以下の記事をご参照ください。

*********

では、理学療法の文脈において「人生史を語る」とは、どういう意義があるのか。

この記事では、わたし自身が自分の人生史を振り返ったときに感じたことを通し

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コーヒー日記⑰

コーヒー日記⑰

前回、『構築論的理学療法』なんてかっこつけた名前を掲げてちょっとばかし論じてみた。

何度も言うがこれはプロトタイプなので(勢いで小一時間くらいで書きました)、随時修正を加えていきたい。
そんなわけで、『構築論的理学療法』についてその都度考えたことを書いていき、それが溜まってきたらこのプロトタイプを再編成していく、という形をとってみようと思う。

今回は、想像力。
被ケア者を真に理解するための「き

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『構築論的理学療法』の要点

『構築論的理学療法』の要点

前回、『構築論的理学療法という提案』という記事をアップしました。

様々な経験のうえに、宮坂道夫著『対話と承認のケア ナラティブが生み出す世界』を読んで、「これだ!!」と思い、その想いをそのまま書き殴ったものが上記の記事です(笑)
言い訳がましくプロトタイプとしましたが、読み返してみると冗長で分かりずらい(すいません)。

これから思考を整理して、アップロード版を投稿したいと思うのですが、まずは前

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構築論的理学療法という提案【プロトタイプ】

構築論的理学療法という提案【プロトタイプ】


はじめにこの記事は、1人のしがない理学療法士の、小さな思想体系である。
急性期や回復期、そして現在では生活期の分野で働くなかでの気づき。
研究活動を通して感じた違和感。
様々な人・本を通した感じたことをブリコラージュして、まとめてみたプロトタイプである。
プロトタイプであるから、随時更新していこうと思っている。

1章:構築論的理学療法とは何か構築論的理学療法とは何か。
これを述べる前に、そもそ

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コーヒー日記⑯;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part③

コーヒー日記⑯;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part③


1章:前回のおさらい前回は、『構築論的理学療法という提案』として、その概要を述べた。

ざっと説明すると、従来の理学療法は、『実在論的』であるとして(医療や世の中全体もその傾向はあると思う)、そこから『構築論的』な転換を提案してみた。

さて、理学療法士にとって、「身体機能」や「生活機能」に対するアプローチはいわば専門領域といえる。
でも、「人生史」と言われても、今一つピンとこないかもしれない。

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コーヒー日記⑮;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part②

コーヒー日記⑮;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part②


前回のおさらい前回、國分功一郎著 『中動態の世界』に記された、哲学者スピノザに関する一節から、なんちゃって哲学を試みた。

前回の内容を一言で述べれば、以下の一節を受けて、一般的にリハビリテーションは患者さん(利用者さん)活動能力を高める営みであるが、その最終目標を対象者の「喜び」とするならば、「思考能力」を高める工夫もリハビリテーション内で試みなくてはならないのではないか、ということだ。

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コーヒー日記⑭;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part①

コーヒー日記⑭;しがない理学療法士のなんちゃってリハビリ哲学part①

思考と喜びリハビリテーションを行っていると、セラピストと患者さん(利用者さん)の関係は、「能動的ー受動的」になりやすい。

つまり、セラピストは能動的であり、「わたしが治療して、治す」という意識が強く、一方で患者さん(利用者さん)は、「リハビリしてもらう」という意識が強い。

この関係性を全面的に否定するつもりはない。
だけど先日、國分功一郎著 『中動態の世界』を読んでいて、はっとした。

この文

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読書メモ②

読書メモ②

※2024年2月更新

更新した本の中で特におすすめなのが、
・近内悠太著 『世界は贈与でできている』
・影山智明著 『ゆっくり、いそげ』
です。
これからも随時更新していきます。

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2023年12月より始めた読書メモです。以前はEvernoteでまとめていましたが、①目次機能があること、②毎日noteを見ているため見返しやすい、ことを理由にnoteに切り替えました。
めっちゃ私的なメモ

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