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2022年6月の記事一覧
Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった (田原 総一朗)
(注:本稿は2011年に初投稿したものの再録です)
最近大流行のソーシャルメディアである「Twitter」がタイトルに掲げられた本ですが、著者はオールドメディア世代だと目されていた田原総一朗氏。
その田原氏と、ソーシャルメディアを駆使して活動している三木谷浩史氏・佐々木俊尚氏・津田大介氏・上杉隆氏・堀江貴文氏・夏野剛氏といった面々が語り合います。
2010年3月、田原氏の看板番組「サンデ
日本海海戦の真実 (野村 実)
司馬遼太郎の「坂の上の雲」では、東郷平八郎連合艦隊司令長官・参謀秋山真之らが日露戦争における日本海海戦勝利の立役者として描かれていますが、本書は、当時の海軍極秘資料から、そういった通説?とは別の結論を導き出しています。
まずは、日本海海戦勝因の一つ、バルチック艦隊通過コースの予測の経緯を辿ったくだりです。
当時、艦隊幹部の間では、津軽海峡を通るという意見が主流でした。
第二艦隊参謀長藤
この人から受け継ぐもの (井上 ひさし)
「九条の会」関係の岩波のブックレットで寄稿文は読んでいるかもしれませんが、一冊の本になっている井上ひさし氏の著作を読むのは初めてだと思います。
「吉里吉里人」もそのボリュームに気後れしてまだ挑戦していません。
そういう点では、井上ひさし氏といえば、私としては、「ひょっこりひょうたん島」をはじめとした放送作家としての活躍が最も身近なものですね。
さて、本書は井上氏の講演や評論をまとめたもの
トニオ・クレエゲル (トオマス・マン)
言うまでもなく、パウル・トーマス・マン(Paul Thomas Mann 1875-1955)といえば、「魔の山」が代表作のドイツのノーベル賞作家です。
ですが、恥ずかしながら、私は今まで彼の作品は読んだことがありませんでした。
本書は1903年に発表されたものなので、マンの作品としては比較的初期のものになります。内容は、マン自身の少年から青年期の自画像とも言われています。
こういった
フェルメールのカメラ―光と空間の謎を解く (P.ステッドマン)
オランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632‐75)は、最近特に日本で人気ですね。
「フェルメールの青」に代表される神秘的な色合いとともに、その写実的でありながら柔和な筆遣いは、素人目にも素晴らしいと感じます。
本書は、そのフェルメールの絵の謎に挑んだもの。その謎とは、「彼は、カメラ・オブスクラという光学機器を創作の助けにしたのではないか」という説です。
カメラ・オブスクラというのは写
グーグル秘録 (ケン・オーレッタ)
グーグルに関する書籍はそれこそ山のようにあります。
私も直近には牧野武文氏による「Googleの正体」という本を読んでみていますが、そちらはコンパクトな入門編。それに対して、本書はアメリカのジャーナリスト、ケン・オーレッタ氏によるオーソドックスなグーグルレポートです。
グーグル幹部をはじめとした数々の関係者への直接取材に基づいているので、内容は詳細かつ具体的で結構読み応えがあります。
も
世界を、こんなふうに見てごらん (日高 敏隆)
動物行動学といえば、以前コンラート・ローレンツ氏が著した「ソロモンの指環―動物行動学入門」という本を読んだことがあるのですが、著者の日高敏隆氏はその訳者であり、日本における動物行動学の第一人者でもあります。
本書は、その日高氏によるエッセイ集です。
テーマはタイトルのとおり「ものごとの見方」についてです。キーワードは「イリュージョン」。
スジが通っているからといって真理とは限らない、ち
これからの思考の教科書 論理、直感、統合-現場に必要な3つの考え方 (酒井 穣)
ロジカル・シンキング 本書が取り上げた思考法は、「ロジカル・シンキング」「ラテラル・シンキング」「インテグレーティブ・シンキング」の3つ。
それぞれについて一章を立てて、分かりやすく解説していきます。
まずはロジカル・シンキング。
これについては、世の中それこそ山のような著作がありますが、著者は、「ロジカル・シンキング」を一言でこう表しています。
そして、その特色をこう捉えています。
単身急増社会の衝撃 (藤森 克彦)
標準世帯は単身世帯 今後の日本社会においては、非婚化の拡大による単身世帯の増加、特に「中高年独身男性を中心とした単身化」が急速に進むと予想されています。著者の推計によると、総世帯数に占める単身世帯数の割合は現在の31.2%から2030年には37.4%になるとのこと。
本書は、具体的統計データをもとにした状況の紹介とそれを踏まえた対応策を論じたものです。
2005年の全世帯に占める世帯類型別