◆諸項の接続秩序(多層多重で複雑な接続関係がある)をきちっと押さえた上で「仮設項」を想像していくことが、アブダクションや背理法(相手の論理を進めて矛盾や不合理な結論に落とす)には欠かせない。これらは訓練することができるように思うし、実生活にもとても役立つと思う。
◆カルロ・ギンズブルグの手法とアブダクションの関係等についての文献・資料 ウンベルト・エーコ他編『三人の記号 デュパン,ホームズ,パース』東京図書,1990 鈴木良和「エドワード・ミュアー「導入部―細部を観察する」(1991)」先端課題研究19文献レビュー(歴史学)
◆訴訟等法実務に飛び込めば、狭小で単調な実証主義的姿勢はすぐに行き詰まり、懐疑から楽天的に至るナラティブ的姿勢はお呼びですらない(これらが結局は「力への信奉」を生むことは興味深い)。そこで徴候からの推論的範例・徴候解読型パラダイムを駆使するのであるが、方法論の蓄積は十分だろうか。
◆「諸項の接続秩序」は転々流動して止まない無限の様相を有する現実を、ある視点から構成的に解釈して秩序化したものであることに留意。ある項を中心に「後続項」という言い方ができるのであれば、「前続項」という言い方も許されるだろう。既知の項の前続項を発見する逆行推論がアブダクション。