紺野 登

ナレッジ・エコロジスト。知識生態学®から組織・事業・エコシステムを考える ECOSYX LAB代表。

紺野 登

ナレッジ・エコロジスト。知識生態学®から組織・事業・エコシステムを考える ECOSYX LAB代表。

    マガジン

    • 注目すべき思考家たちとの対話

      Talking with Remarkable Thinkers. 多摩大学大学院のグローバルフェローやゲスト講師たちが語る世界と未来。デザイン思考、シナリオ思考、アート思考など世界のビジネス思考の達人が2021年のリレー・トークで語ったプログラムを中心にレビューする。

    • 紺野登の構想力日記

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    最近の記事

    ナレッジ・マネジメントの復活?

    衰退していたKM ナレッジ・マネジメント(Knowledge Management:KM)のブームは1980年代のリエンジニアリング(業務プロセスの抜本的再構築)の嵐とともに世界に広がりましたが、その後関心は衰えていきました。衰退の原因の多くは、人間の暗黙知(言語化困難な不定形な知識)を形式知に「翻訳」することの限界、組織的な知識の活用よりは「知識の管理」と捉えてしまったこと。そしてITへの過剰な依存にありました。KMがいわば細々としていった一方、その際に生まれた知識創造な

      • 人造生命、人工知能の時代の新たな生命産業をつくるには?

        トポス会議「新生命産業共創」における人類社会の挑戦 2022年4月6日に「新生命産業共創」というテーマでコンファレンスを行います。今回で第16回目になりますが、これは「トポス会議」(Topos Conference)といって、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生と筆者(紺野登)が発起人となって設立したw3i(World Wise Web)が日本から世界との智者との対話の場を設けていこうという試みです(第13回目までの記録がこの本にまとまっています)。 トポス会議の「トポス(t

        • 未来学者と未来のリスクについて考えた

          多摩大学大学院グローバルフェロー公開セミナー「Innovate for Impact」2021から(5) シナリオプランニングと未来学 今回の「Innovate for Impact」2021 プログラムの昨年最終回は、多摩大学大学院グローバルフェロー、フューチャリストのエイミー・ウェブ(Amy Webb)氏(以下エイミー)に参加いただいた。 エイミーはすでにレビュー(第3回)したイヴ・ピニュール教授とともに、世界的経営思考家ランキングThinkers50の常連メンバーであ

          • 「ダイナモ人」が未来への鍵を握る理由(3)

            これまで紹介してきた調査(「ダイナモ人」が未来への鍵を握る理由(1)・(2))はその最初の一歩ですが、一般社団法人知識創造プリンシプルコンソーシアム(KCPC:Knowledge Creation Principle Consortium)では、知識創造プリンシプルに基づいて、企業の枠に捉われない個と組織への転換・加速を支援するダイナモ革新(Dynamo Revolution)を提言していく予定です。 ここであらためて、「ダイナモ人(dynamo)」のコンセプトのインスピレー

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            紺野 登

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            「ダイナモ人」が未来への鍵を握る理由(2)

            前回に引き続き、一般社団法人知識創造プリンシプルコンソーシアム(KCPC)の思考と活動を共有したいと思います(2021年11月24日のフォーラムの報告にもとづいています)。今回もダイナモ人をテーマに新たなプリンシプルの経営への要請を考えます。 新たなプリンシプルがなければ組織は滅びる 前回の記事の最後では知識創造プリンシプルを9つの行動様式として表現し、それを指標に個人と組織のダイナモ度(=知識創造プリンシプル実践度)を見たのですが、この個人と組織のダイナモ度の違いによって

            音楽マインドに基づくアントレプレナーのためのアート思考の実践

            多摩大学大学院グローバルフェロー公開セミナー「Innovate for Impact」2021から(4) 音楽はアート、では音楽に基づくアート思考とは? 前回に引き続き今回の「Innovate for Impact」シリーズでは、多摩大学大学院グローバルフェロー、マイケル・スペンサー氏(以下マイケルさん)にも参加してもらった(「注目すべき思考家との対話」)。マイケルさんは音楽家(元ロンドン交響楽団ヴァイオリン奏者)であり、ロンドンを拠点に活躍する教育者、「音楽ファシリテータ

            「ダイナモ人」が未来への鍵を握る理由(1)

            一般社団法人知識創造プリンシプルコンソーシアム(KCPC:Knowledge Creation Principle Consortium)という組織を国内外の有志と立ち上げることになりました。KCPCの最初の活動として昨秋シンポジウムを開催しました(2021年11月24日)。野中郁次郎一橋大学名誉教授の基調レクチャーからはじまって、パネルと報告が行われましたが、大変盛況でした。KCPCではこれに先立ってネット調査(ナレッジワーカー、N=487)を行いました(※調査のモデルは末

            ビジネスモデルの父が語る"企業力を強化するイノベーション思考"

            多摩大学大学院グローバルフェロー公開セミナー「Innovate for Impact」2021から(3) イノベーション思考の未来へ 前回に続き、2021年の夏から秋にかけて行われた多摩大学大学院のグローバルフェロー公開セミナー「Innovate for Impact」シリーズに登壇いただいた識者・専門家の知見の一部を引き続き紹介したい(注目すべき思考家)。 イノベーション教育は話題になっているが、実は、イノベーション経営(Innovation Management)に関す

            熟達のシナリオ思考家は地球の脅威と人類の希望についてこう見ている

            多摩大学大学院グローバルフェロー公開セミナー「Innovate for Impact」2021から(2)  シナリオ・プランニングの未来 多摩大学大学院でこの10年ほど、シナリオ・プランニングのカリキュラムをワークショップ形式で行なっている。毎回、具体的なテーマを企業などから出してもらい、単にスキルを学ぶだけでなく、実践的な活用を意識している。 シナリオ思考家で元GBN(Global Business Network)共同創業者のジェイ・オグルビー氏に、グローバルフェロー

            デザイン思考×アート思考=?

            多摩大学大学院グローバルフェロー公開セミナー「Innovate for Impact」2021から(1) ビジネス思考の賢者たちが語る未来 今、私たちは「ポスト・ウィズ・コロナ」といった伝染病の推移だけをみて一喜一憂していられない時代を生きることになった。なぜか。 100年前の世界と同じく(つまりスペイン風邪だけでなく)、劇的なテクノロジーの変化(視覚メディアと航空機の登場)、政治的緊張(ドイツの台頭)など、その後の大恐慌から世界大戦まで至ったような激変の渦中にあるからだ。

            紺野登の構想力日記#16

            デザイン〈の〉思考【4】 リベラル・アーツ:賢者への道 ◇ 卓越した知としてのアート&デザイン 現在進行中のデザインと経営の関係はいったいどんな馴れ初めから始まって、どのように進んできたのか。そして、デザイン思考、デザインの思考、アート思考……、それらは未来に向けどのように展開していくのか、あるいは変容していくのか。その洞察のためにこのシリーズを書き始めた。 繰り返しになるが、アートとデザインには3つの領域がある。 1つ目は、目的をもたない、美的な想像・創造としてのア

            紺野登の構想力日記#15

            デザイン〈の〉思考【3】デザインは100年かけてデザイン思考になった、というお話 ◇ インダストリアルデザインの登場 いま経営とアート、デザインは次の三つの領域で考えねばならないと、このシリーズの冒頭(#13)で述べた。  ① 芸術の領域  ② 技術の領域  ③ リベラル・アーツの領域 前回(#14)は、➀の「芸術の領域」での歴史を見てきた。今回は、②の「技術の領域」での経営とデザイン、アートの融合について見ていこう。 おさらいになるが、人間の持つデザインやアートの

            紺野登の構想力日記#14

            デザイン〈の〉思考【2】 デザインがアートを創造するまで ◇ 原始社会のアートと自然 1万8000年ぐらい前の仏ラスコーの壁画である。 われわれの祖先は、こんなふうに洞窟にたくさんの手を描いた。 「手」を発見する、つまり、手を介して創作をするという意識に目覚めるのである。自分たちは、創造力というものを持っている、と。 おそらく数万年前から、いわゆる原始社会のなかで、さまざまなかたちでアートは「生きて」いた。 たとえば、いまでもオーストラリアの先住民は、クラン(氏族)ご

            紺野登の構想力日記#13

            デザイン〈の〉思考【1】 ◇ デザイン思考とデザインの思考とアート思考・・・・??? ぼくは多摩大学大学院で教鞭を執っている。社会人大学院生は論文が必修だが、自分のテーマ、もしくは課題を持ち込んで、自分で研究して、自分なりのモデルや理論をつくって、それをまた社会に還元していくという、わりと自律的な研究をする場所でもある。 ここで、ときどき従来のビジネススクールにはないようなカリキュラムを行う。そのひとつに「イノベーションのためのデザイン思考」というプログラムがある。 いま

            紺野登の構想力日記#12

            イノベーションのためのジャーナリングの教科書【4】人工知能はジャーナリングするか ー 歴史的構想力とジャーナリング ◇ ジャーナリングとAI ぼくらの感情知能(EQ)を、自分と他者の感情を認識する能力だとしよう。 最新のアップルウォッチは運動量、心拍数や血中酸素濃度まで測ってくれるが、それだけではユーザーが健康かどうかはわからない。それらのデータを記録し追跡してはじめて健康状態がわかる。 同じように、ぼくらの「感情データ」を測って、追跡することで感情的に健康な状態、つまり

            紺野登の構想力日記#11

            イノベーションのためのジャーナリングの教科書【3】ジャーナリングメソッド: 自分だけの知のエコシステムを創り上げる ◇ イーロン・マスクのジャーナリング スタートアップや起業家にとってジャーナリングは欠かせない。日々のルーティーンの中に自己フィードバックを埋め込むことは必須だからだ。 あらためて、フィードバックとは、電気回路などで出力したものの一部を入力の側にもどすことだが、社会学・心理学・教育学の用語としても使われている。あるシステムを補強・修正するため、一定の行動を