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#短編小説
シティポップが聴こえる
シティポップが好きだ。
あの洗練された、コンクリートジャングルに生きるスタイリッシュな大人たちを彷彿とさせる歌詞、そして小洒落たサウンドは、マルイのロゴマークを「オイオイ」だと信じて疑わなかった根っからの田舎者の心をむずと鷲掴み、瞬く間に大都会東京への憧憬を抱かせた。
もっとも、かく言う自分自身はまったくもってシティポップ世代ではない。シティポップ最盛期が八十年代だとして、僕が音楽に目覚
【歌謡ノベルズ】雨の御堂筋
皆様ー、
おはよ、こさいっまっす!
ホンチツは、"昭和歌謡観光パス"、こ利用、いたったきまして、また、「雨の御堂筋ツアー」の旅、多数こ参加、いたったきまして、誠に、ありかとー、こさいっまっす!
ワタシは、ホンチツ皆様とご一緒、させていたったきます、添乗員の"フィーフィー"、と申しまっす。あの、台湾から来たね。どーぞ、一日、よろっしく、おねアイっしまっす! てんきゅ✌️
今日はねー、生憎小糠雨降
【歌謡ノベルズ】『時の過ぎゆくままに』
あなたに言われて気がついた。こんなに長い時間が経っていたことさえ気が付かずにいたんだ。
あなたは泣いていた。
"生きてることさえ、イヤだ"って。
あなたはすっかり疲れてしまったんだね。
そんなあなたを部屋に残してきたまま、ひとり夜の町を彷徨い歩く。
ここは北国、町は真っ白。逃げてきたボクたちにはよく似合う。あんまり体が冷えるから、ちょっと一杯ひっかけようか。初めての町じゃよくわからない。どこでもい
小説:クロニック デイズ【16065文字】
僕は恋をしている。
人生で初めての、本物の恋だ。今までも、ちょっと気になる女の子はいたけれど、今回の気持ちとは比較にならない。高校3年生にして、僕は初めて、本物の恋をしている。
相手は同じクラスの佐藤エミ。3年生になって初めて同じクラスになった。2年生のときまでは「他のクラスの金髪の派手な子」という印象しかなかった。でも、3年生になって同じクラスになってから、印象が大きく変わった。