タカトウリョウ⚡
タイトルが文字数制限に引っ掛かった系マガジン。正式名称は「女子のバストには甘いホイップクリームが詰まっていると思っていた」。主に異性関係の記事をピックアップ。もし自分がエッセイ集を出版することになったらこのタイトルを推したい。
こじらせ系作家による名刺代わりの記事一覧。すべてがフィクションかもしれないし、ノンフィクションかもしれないし、あるいはセミフィクションかもしれない。いずれにせよ言えることはただ一つ。この物語の主人公は僕であり、あなたである。
note × ケトル企画 「プレステの思い出」投稿記事一覧。
女っけがまるでなかった無彩色かつ鬱々たる大学生活において、知り合いと呼べる異性はキャンパス内に三人いた。 一人目はエーコ。彼女は、僕がよくつるんでいたバスケサークル副部長の五番目の女であり、同期であり、また同郷出身者であった。自称・綾瀬はるか似のトランジスターグラマーは、しかしどちらかと言えば元プロ野球選手の門倉健似で、その辛辣極まりない事実をありていに指摘しようものならば銃刀法違反の鋭利な顎をこれでもかと誇示し「エンタの神様」時代のカンニング竹山ばりのアナーキーさでも
シティポップが好きだ。 あの洗練された、コンクリートジャングルに生きるスタイリッシュな大人たちを彷彿とさせる歌詞、そして小洒落たサウンドは、マルイのロゴマークを「オイオイ」だと信じて疑わなかった根っからの田舎者の心をむずと鷲掴み、瞬く間に大都会東京への憧憬を抱かせた。 もっとも、かく言う自分自身はまったくもってシティポップ世代ではない。シティポップ最盛期が八十年代だとして、僕が音楽に目覚めた時期というのが九十年代末期からゼロ年代初頭。いわゆる小室ファミリーが下火にな
忘年会からの帰り道、人気のない路地で、とある露店に立ち寄った。 「これは持ち主の願い事を叶えてくれる、言わば神様みたいな代物なんじゃ」 俺は胡散臭さを感じつつ、それでいて合コンのネタにでもなればと、その神様……もとい象によく似た置物を購入した。 別れ際、一万円札を握りしめた老爺が、俺に妖しく微笑みかけ、 「毎晩、寝る前に一度、この置物に願いを乞うてごらんなさい。数日後、あなたは必ずやワシに感謝するはずじゃ」 実は、俺は昔、芸能界を目指していた時期がある。もし老爺の言
福祉業界に携わっていたことがある。 職場は関東某所に位置するユニット型の特別養護老人ホーム。無資格未経験の、モラトリアム卒業からまだ日の浅いフリーター上がりにとって当施設での介護職員生活は、言うなれば全身をサンダーボルトに打たれたかのようなカルチャーショックの連続であった。 ツチノコと見紛うほどのご立派な排泄物を「これどうぞ」と手づかみでお裾分けしてくださる心優しきマダムに、ベッド上でファンタスティックかつアーティスティックな立ち小便をご披露してくださる元小学校教諭
掲示板に「210」の文字はなかった。 つまり僕は、受験に失敗したらしい。 同世代らの麗らかな声が響き渡る県立A高校玄関前。不合格なる酷な現実を前に、しかしそれでいて己が心はまるで鏡よろしく凪いでいた。 何せ十五歳当時の僕ときたら分厚い参考書よりも電撃文庫や富士見ファンタジア文庫などの、いわゆるライトノベルを手に取る頻度の方が遥かに多かったわけであって、当然最悪のシナリオも想定内、いやむしろ合格したら奇跡くらいの心持ちで端から勝負を諦めていたのだ。 幸い、滑り
遺骨を抱いていた。二十歳の夏だった。 葬儀終了後、斎場前のだだっ広い駐車場にて「ちょっと一服してくる」とのセリフと共に父さんから手渡された骨壺はまだほのかに温かく、いやむしろ熱いくらいで、両腕にはずしりと応える重みがあった。 これが、骨になっちまった人間の重さか……。 脳天に響かんばかりのセミのトレモロをBGMに、棺に入ったばあさんの新雪のように白い顔が曖昧模糊として脳裏に浮かび上がっては、またすぐに消えてゆく。 父方の祖母、希。享年七十六。 五十代の
夜ふかしをしたことがない子どもだった。 平日はもちろんのこと、たまの休日でさえ二十三時前後には鞴のような寝息を立てていた僕にとって、それ以降――つまり深夜帯は、言うならば存在しない時間だった。 十五歳、中学三年の秋頃だったと思う。所属していた腐れサッカー部を総体敗退を期に引退してからというもの目に見えて体力があり余り、なかなかスムーズに寝つくことができなくなっていた僕は、このタイミングでようやく夜ふかし童貞を卒業することになる。 もっとも、それは決意のもとの卒業
いる。やっぱり今日もいる。 学区内の書店に併設された、こぢんまりとしたCDショップの片隅にとある女学生の姿を発見した僕は、思わず息を呑んだ。 古びた十円玉を彷彿とさせる栗色のショートヘアに、アナクロ教師陣へのアンチテーゼとも取れる前衛的ミニスカスタイル。形の良い耳にはチープな有線イヤフォンと、そして軟骨ピアスがワンポイントできらり。いっちょまえにメイクまで施しており、もとより大人っぽい顔立ちがよりいっそう大人びて見える。 没個性的量産型十七歳にとって彼女は、たと
俗に言うネット恋愛って奴に興じていたことがある。 今から遡ること十数年前。関東某所の三流私大生であったギャル男崩れの僕は、しかしその似非メンズエッグ・モデル的な見た目に反し、まったくと言っていいほど女っけがなかった。 大学に女友達はおらず、強いて言うならば知り合い、顔見知り程度のもの。片や男友達だって、さほど多いわけでもない。そんな悶々エッセンスを凝縮したかのようなおもしろみのないキャンパスライフの中、二十歳くらいの頃だろうか。僕は、2ちゃんねる (現5ちゃんねる)
「これ、昨日ブックオフで見つけたんだ。マジでパネェから」 と登校早々、クラスメイトのデッパがアイボリーカラーの前歯を控え目に輝かせながら、僕にとあるCDを差し出してきたのは、高校一年の夏だった。 デッパ――本名を高部と言う。前衛的かつ自己主張の強過ぎる前歯の持ち主である彼とは中学時代からのつき合いで、お互いにバンドキッズだという理由から、よくマイナーバンドのCDを貸し借りしていた仲だった。 そんな彼が今、僕の目の前でいつになく興奮し切っている。キツネ目は血走り、鼻
衝撃。そんな陳腐な語彙では到底表現し切れない、まさにビッグバンにも似た脳内大爆発に、僕はわなわながたがたと四肢を震わせた。 冬で、二十代半ばで、半ニートだった。 「最近の曲なんかもうっ! クソみたいな曲だらけさああああっ!」 都内某ライブハウス。汗とヨダレと得たいの知れない汁がほとばしる、光に満ち満ちたステージ。そのド真ん中で、数千人の観客の前で、スクワイア・ジャグマスターをギャギャギャギャギャーンと掻き鳴らし、鬼気迫る表情と共に「ロックンロールは鳴り止まないっ」
虫垂炎――俗に言う盲腸で手術となった僕が術後あてがわれた一室は、東病棟三階の、女性患者だけで固められた六人部屋だった。 基本的に男女別の大部屋に、例外的にメンズ一人入れられてしまった僕。聞くと、どうやら他に空き部屋がなかったらしい (とは母親の弁であるが、真相は不明である)。当時まだ十一歳だったということもあり、僕は特別にこの女の園への入室を許されたのだ。 僕と隣り合わせのベッドには青井さんという、年にしてまだ三十代半ばくらいのきれいな女性がいた。生まれて初めての入
二十世紀最後の十二月二十四日、当時小学生だった僕がクリスマスプレゼントとして両親にねだったもの。それは「RPGツクール4」であった。 RPGツクール4とは平成十二年十二月七日にエンターブレインから発売された、ツクールシリーズの四作目に当たる作品であり、その名のとおりロールプレイングゲームを作ることをコンセプトとした初代プレステ用ソフトである。 ゲーム雑誌 (おそらくファミ通であろう) でこの作品の存在を知った僕は、ページに穴が空くのではないかというくらい特集記事を凝
今夏、久々に東北の実家へと帰省した僕が、高校卒業まで使っていた四畳半の自室で偶然発見した物。それは、一枚の古びたメモリーカードであった。 名ばかりの勉強机の引き出し。上から三段目。その奥の奥にしまい込まれていたスケルトンブルーのソニー純正メモリーカード。 「うわあ……」 気づけば、内奥から沸々と湧き上がるノスタルジーに感極まっている自分がいた。 間違いない。これは正真正銘、僕の私物だ。非常に愛着を持っていた代物で、記憶が正しければブルルなどという、まるでセンス
平野綾ちゃん is 大天使。 どうも、僕(ボキュ)です。 遅ばせながら、8月のライブレポを。 2019年8月8日(木) 夏。令和初めての夏。 待ちに待ったその日が……ついにやって来た! 「AYA HIRANO SPECIAL LIVE 2019~Storm Rider~」 うおおおおおお!!!!! 全力であり金を叩き、光の速さでSチケットを取ってやりましたよ。はい。 場所は渋谷 TSUTAYA O-WEST コアラモード.という音楽ユニットのライブで1度だけ来た
平野綾さんマジ女神。どうも、僕(ボキュ)です。 現在小説家になろうにて連載中 【未樹との遭遇 I'm always on your side】 が、なななんと! 総合評価 1000pt達成致しました!! これもひとえに読者様のおかげです。 本当にありがとうございます! 今回のこの記事で本作に興味を持った方、ぜひぜひリンクにアクセス!からのブックマークよろしくお願い致します。 そして嬉しいことに、完結済恋愛短編 【サマースマイル・アゲイン】 もブックマーク10