タカトウリョウ⚡

ヱモーショナル・ハードコア作家▷独り創作サークル「革命画報」代表▷note編集部のおす…

タカトウリョウ⚡

ヱモーショナル・ハードコア作家▷独り創作サークル「革命画報」代表▷note編集部のおすすめ選出③回▷#磨け感情解像度コンテスト佳作▷note × Unity Japan「#心に残ったゲーム」にて厳選記事集選出▷note以外の実績はプロフィールへ

マガジン

  • 女子の胸には甘いホイップクリームが詰まっていると思っていた

    タイトルが文字数制限に引っ掛かった系マガジン。正式名称は「女子のバストには甘いホイップクリームが詰まっていると思っていた」。主に異性関係の記事をピックアップ。もし自分がエッセイ集を出版することになったらこのタイトルを推したい。

  • オルタナティヴな未來への跳躍

    こじらせ系作家による名刺代わりの記事一覧。すべてがフィクションかもしれないし、ノンフィクションかもしれないし、あるいはセミフィクションかもしれない。いずれにせよ言えることはただ一つ。この物語の主人公は僕であり、あなたである。

  • プレステの思い出

    note × ケトル企画 「プレステの思い出」投稿記事一覧。

記事一覧

シティポップが聴こえる

 シティポップが好きだ。  あの洗練された、コンクリートジャングルに生きるスタイリッシュな大人たちを彷彿とさせる歌詞、そして小洒落たサウンドは、マルイのロゴマー…

しゃべる神様【ショートショートnote杯】

忘年会からの帰り道、人気のない路地で、とある露店に立ち寄った。 「これは持ち主の願い事を叶えてくれる、言わば神様みたいな代物なんじゃ」 俺は胡散臭さを感じつつ、…

サマー、ショートステイ

 福祉業界に携わっていたことがある。  職場は関東某所に位置するユニット型の特別養護老人ホーム。無資格未経験の、モラトリアム卒業からまだ日の浅いフリーター上がり…

【祝】はんぺんチーズフライって、とってもエモーショナルな味がするんだね【編集部のおすすめ選出】

 掲示板に「210」の文字はなかった。  つまり僕は、受験に失敗したらしい。  同世代らの麗らかな声が響き渡る県立A高校玄関前。不合格なる酷な現実を前に、しかし…

八朔の月に、希う

 遺骨を抱いていた。二十歳の夏だった。  葬儀終了後、斎場前のだだっ広い駐車場にて「ちょっと一服してくる」とのセリフと共に父さんから手渡された骨壺はまだほのかに…

鎌倉以上、江ノ島未満

 女っけがまるでなかった無彩色かつ鬱々たる大学生活において、知り合いと呼べる異性はキャンパス内に三人いた。  一人目はエーコ。彼女は、僕がよくつるんでいたバスケ…

生まれて初めての夜ふかしは、いつか観たサーカスよりもワクワクし、好きなコの横顔を盗み見る一瞬よりもドキドキした

 夜ふかしをしたことがない子どもだった。  平日はもちろんのこと、たまの休日でさえ二十三時前後には鞴のような寝息を立てていた僕にとって、それ以降――つまり深夜帯…

アルエ

 いる。やっぱり今日もいる。  学区内の書店に併設された、こぢんまりとしたCDショップの片隅にとある女学生の姿を発見した僕は、思わず息を呑んだ。  古びた十円玉…

少女は真夏の電波にさらわれたのだ

 俗に言うネット恋愛って奴に興じていたことがある。  今から遡ること十数年前。関東某所の三流私大生であったギャル男崩れの僕は、しかしその似非メンズエッグ・モデル…

AM2:50

「これ、昨日ブックオフで見つけたんだ。マジでパネェから」  と登校早々、クラスメイトのデッパがアイボリーカラーの前歯を控え目に輝かせながら、僕にとあるCDを差し…

【祝】ロックンロールは鳴り止まないっ【編集部のおすすめ選出】

 衝撃。そんな陳腐な語彙では到底表現し切れない、まさにビッグバンにも似た脳内大爆発に、僕はわなわながたがたと四肢を震わせた。  冬で、二十代半ばで、半ニートだっ…

青きスクリューアッパー・ガール

 虫垂炎――俗に言う盲腸で手術となった僕が術後あてがわれた一室は、東病棟三階の、女性患者だけで固められた六人部屋だった。  基本的に男女別の大部屋に、例外的にメ…

100

僕らを繋ぎ合わせたもの

 二十世紀最後の十二月二十四日、当時小学生だった僕がクリスマスプレゼントとして両親にねだったもの。それは「RPGツクール4」であった。  RPGツクール4とは平…

【祝】君と僕の、ときめき大作戦【編集部のおすすめ選出】

 今夏、久々に東北の実家へと帰省した僕が、高校卒業まで使っていた四畳半の自室で偶然発見した物。それは、一枚の古びたメモリーカードであった。  名ばかりの勉強机の…

【ライブ】平野綾 (大天使)【レポ】

平野綾ちゃん is 大天使。 どうも、僕(ボキュ)です。 遅ばせながら、8月のライブレポを。 2019年8月8日(木) 夏。令和初めての夏。 待ちに待ったその日が……ついにやっ…

【小説家に】評価1000pt達成【なろう】

平野綾さんマジ女神。どうも、僕(ボキュ)です。 現在小説家になろうにて連載中 【未樹との遭遇 I'm always on your side】 が、なななんと! 総合評価 1000pt達成致し…

シティポップが聴こえる

シティポップが聴こえる

 シティポップが好きだ。

 あの洗練された、コンクリートジャングルに生きるスタイリッシュな大人たちを彷彿とさせる歌詞、そして小洒落たサウンドは、マルイのロゴマークを「オイオイ」だと信じて疑わなかった根っからの田舎者の心をむずと鷲掴み、瞬く間に大都会東京への憧憬を抱かせた。

 もっとも、かく言う自分自身はまったくもってシティポップ世代ではない。シティポップ最盛期が八十年代だとして、僕が音楽に目覚

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しゃべる神様【ショートショートnote杯】

しゃべる神様【ショートショートnote杯】

忘年会からの帰り道、人気のない路地で、とある露店に立ち寄った。

「これは持ち主の願い事を叶えてくれる、言わば神様みたいな代物なんじゃ」

俺は胡散臭さを感じつつ、それでいて合コンのネタにでもなればと、その神様……もとい象によく似た置物を購入した。

別れ際、一万円札を握りしめた老爺が、俺に妖しく微笑みかけ、

「毎晩、寝る前に一度、この置物に願いを乞うてごらんなさい。数日後、あなたは必ずやワシに

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【祝】はんぺんチーズフライって、とってもエモーショナルな味がするんだね【編集部のおすすめ選出】

【祝】はんぺんチーズフライって、とってもエモーショナルな味がするんだね【編集部のおすすめ選出】

 掲示板に「210」の文字はなかった。

 つまり僕は、受験に失敗したらしい。

 同世代らの麗らかな声が響き渡る県立A高校玄関前。不合格なる酷な現実を前に、しかしそれでいて己が心はまるで鏡よろしく凪いでいた。

 何せ十五歳当時の僕ときたら分厚い参考書よりも電撃文庫や富士見ファンタジア文庫などの、いわゆるライトノベルを手に取る頻度の方が遥かに多かったわけであって、当然最悪のシナリオも想定内、いや

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生まれて初めての夜ふかしは、いつか観たサーカスよりもワクワクし、好きなコの横顔を盗み見る一瞬よりもドキドキした

生まれて初めての夜ふかしは、いつか観たサーカスよりもワクワクし、好きなコの横顔を盗み見る一瞬よりもドキドキした

 夜ふかしをしたことがない子どもだった。

 平日はもちろんのこと、たまの休日でさえ二十三時前後には鞴のような寝息を立てていた僕にとって、それ以降――つまり深夜帯は、言うならば存在しない時間だった。

 十五歳、中学三年の秋頃だったと思う。所属していた腐れサッカー部を総体敗退を期に引退してからというもの目に見えて体力があり余り、なかなかスムーズに寝つくことができなくなっていた僕は、このタイミングで

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アルエ

アルエ

 いる。やっぱり今日もいる。

 学区内の書店に併設された、こぢんまりとしたCDショップの片隅にとある女学生の姿を発見した僕は、思わず息を呑んだ。

 古びた十円玉を彷彿とさせる栗色のショートヘアに、アナクロ教師陣へのアンチテーゼとも取れる前衛的ミニスカスタイル。形の良い耳にはチープな有線イヤフォンと、そして軟骨ピアスがワンポイントできらり。いっちょまえにメイクまで施しており、もとより大人っぽい顔

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少女は真夏の電波にさらわれたのだ

少女は真夏の電波にさらわれたのだ

 俗に言うネット恋愛って奴に興じていたことがある。

 今から遡ること十数年前。関東某所の三流私大生であったギャル男崩れの僕は、しかしその似非メンズエッグ・モデル的な見た目に反し、まったくと言っていいほど女っけがなかった。

 大学に女友達はおらず、強いて言うならば知り合い、顔見知り程度のもの。片や男友達だって、さほど多いわけでもない。そんな悶々エッセンスを凝縮したかのようなおもしろみのないキャン

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【祝】ロックンロールは鳴り止まないっ【編集部のおすすめ選出】

【祝】ロックンロールは鳴り止まないっ【編集部のおすすめ選出】

 衝撃。そんな陳腐な語彙では到底表現し切れない、まさにビッグバンにも似た脳内大爆発に、僕はわなわながたがたと四肢を震わせた。

 冬で、二十代半ばで、半ニートだった。

「最近の曲なんかもうっ! クソみたいな曲だらけさああああっ!」

 都内某ライブハウス。汗とヨダレと得たいの知れない汁がほとばしる、光に満ち満ちたステージ。そのド真ん中で、数千人の観客の前で、スクワイア・ジャグマスターをギャギャギ

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青きスクリューアッパー・ガール

 虫垂炎――俗に言う盲腸で手術となった僕が術後あてがわれた一室は、東病棟三階の、女性患者だけで固められた六人部屋だった。

 基本的に男女別の大部屋に、例外的にメンズ一人入れられてしまった僕。聞くと、どうやら他に空き部屋がなかったらしい (とは母親の弁であるが、真相は不明である)。当時まだ十一歳だったということもあり、僕は特別にこの女の園への入室を許されたのだ。

 僕と隣り合わせのベッドには青井

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僕らを繋ぎ合わせたもの

僕らを繋ぎ合わせたもの

 二十世紀最後の十二月二十四日、当時小学生だった僕がクリスマスプレゼントとして両親にねだったもの。それは「RPGツクール4」であった。

 RPGツクール4とは平成十二年十二月七日にエンターブレインから発売された、ツクールシリーズの四作目に当たる作品であり、その名のとおりロールプレイングゲームを作ることをコンセプトとした初代プレステ用ソフトである。

 ゲーム雑誌 (おそらくファミ通であろう) で

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【小説家に】評価1000pt達成【なろう】

【小説家に】評価1000pt達成【なろう】

平野綾さんマジ女神。どうも、僕(ボキュ)です。

現在小説家になろうにて連載中

【未樹との遭遇 I'm always on your side】

が、なななんと!

総合評価
1000pt達成致しました!!

これもひとえに読者様のおかげです。
本当にありがとうございます!

今回のこの記事で本作に興味を持った方、ぜひぜひリンクにアクセス!からのブックマークよろしくお願い致します。

そして嬉

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