Narita

大学生が詩や小説を創作したり。エッセイも書きます。 目標:文學界新人賞入賞,群像新人賞…

Narita

大学生が詩や小説を創作したり。エッセイも書きます。 目標:文學界新人賞入賞,群像新人賞入賞 書いたものはマガジンに分類してあるのでマガジンをご覧ください。

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    普段の生活で疑問に思ったことなどを綴ります。

  • 『それでも僕はここで生きる』

    連載小説です。ぜひお読みになってください。

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記事一覧

「私以外私じゃないの2」から感じる違和感

「私以外私じゃないの、他人にだけはなりたくない」という出だしから続く自己肯定感高めの曲。私は、私以外私じゃないというのはまだわかる。私以外は私であるはずがないの…

Narita
1年前

"正解"についての考察

ある友人の話だ。私はこの友人に強烈な違和感を覚えている。 彼は私と地元が同じで田舎出身だ。彼の高校時代は自分の身なりに無頓着で髪の毛はボサボサ、服はジャージ一択…

Narita
1年前
1

日々

生きる 生きている 生きたい 「生きている」のと「生きる」のは違う ただ生きている人は「生きている」だ 生きるをしている人は「生きる」だ 生きたいけれども生きられな…

Narita
2年前
4

高田馬場駅戸山口

 渋谷駅の地下。田園都市線を出て、階段を登り改札を出る。地上に出る手前の柱しかない空間に女は座っていた。女が壁の方を向いて座っていた。金髪の女は壁に向かって座っ…

Narita
2年前

無題

後悔の多い人生だったと思うことはあるだろうか? 僕は後悔は沢山ある。だが、ここまで生きてきて、後悔しているだけであって、これから先、その出来事がどう働くかは全く…

Narita
2年前

脆弱な私

私の身には時々、漠然とした不安を抱えることがある。例えば受験の時期、今日学んだことを覚えているのは、自分の脳だけで、他になにもよりどころがないという漠然とした不…

Narita
3年前
17

生きづらさ

夜中に起きていると、ふと自分という存在がなんなのかわからなくなることがある。 昼間は明るく振る舞っていても、それが本当の自分であるのかと言われたらそうではないと…

Narita
3年前
8

現代人の病

自分を表現するのが苦手なのかもしれない。そう気づいたのは最近のことだった。 他人が自分のことを気に入ってくれる。これによって自分はやっとその人と仲良くなっていい…

Narita
3年前
38

詩  「明日よ」

「明日よ」 明日が来る! 明日が来る! 恐怖がやってくる!  生きていることがこんなにも怖い 明日が来る!明日が来る! 恐怖が押し寄せてくる! ぼんやりとした不安が…

Narita
3年前
2

詩  「散りゆく花びら」

「散りゆく花びら」 生きるんですよ 神はそう言った 生まれ落ちたからには 死ぬべき運命ならば 死ぬまで生きなければならない あぁ、神よ! 私はどうしたら良いのでし…

Narita
3年前
5

詩  「生」

「生」 瞼を開くと そこはこの世 もう何度もみた この景色  何度目だろうか ここからいなくなりたいと 思いながら 目覚めた朝 しかし現実は 甘くなく 明日は容赦な…

Narita
3年前
4

詩  「まっさら」

「まっさら」 この世界の片隅に 僕は生きている 僕と僕以外 互いに交わりながら生きている だけど 僕のことを 僕以外の人がわかることなんてあるのだろうか  自分で…

Narita
3年前
1

詩  「愛の死 死後の死」

「愛の死 死後の死」 人と人 それぞれ愛し合い 共に生きる 今宵 君は死んだ  でも この愛は死なない 愛は死なずに 肉体は滅びる 愛は死なずに 死後の世界で私たち…

Narita
3年前
5

詩  「行方」

「行方」   満月の夜 雲に隠れて 私はどこにも行かないで 湿っぽい部屋で寝転んで カーテンは閉まったまま エアコンはつけずただ 暗い部屋でテレビがついている 満月…

Narita
3年前

詩  「僕は」

僕は 世界は僕と関係なく動き続ける 僕が寝ていても 僕が目覚めても 変わらず世界はそこにいて 僕のことなど知らんぷりして 川は僕と関係なく流れ続ける 僕が見ていても…

Narita
3年前
1

詩  「美しき哉世界。」

美しき哉世界。 散らかった部屋 溜まる食器 靴の多い玄関  鍵のかかったドア 広がる青空 白い雲 窓の外には高層ビルと白い団地 屋根から垂れる水は私を通過して落ち…

Narita
3年前
「私以外私じゃないの2」から感じる違和感

「私以外私じゃないの2」から感じる違和感

「私以外私じゃないの、他人にだけはなりたくない」という出だしから続く自己肯定感高めの曲。私は、私以外私じゃないというのはまだわかる。私以外は私であるはずがないのだから。しかし、途中で登場する「私だけが正しい」という歌詞にただならぬ違和感を感じるのだ。現代(もっとも、私は現代にしか生きたことがないし、過去のことをそこまで深く知っているわけではないということはお知りおき願いたい)にはこのような自己中心

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"正解"についての考察

"正解"についての考察

ある友人の話だ。私はこの友人に強烈な違和感を覚えている。

彼は私と地元が同じで田舎出身だ。彼の高校時代は自分の身なりに無頓着で髪の毛はボサボサ、服はジャージ一択であった。
彼は大学進学を機に上京した。上京後は服に興味を持ち始め、オシャレに気を使うようになった。それはとても良いことだと思う。

彼は高校時代の友人のインスタグラムを見ては、自分より劣っていると思う点を私に言ってくる。人の粗探しをして

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日々

生きる
生きている
生きたい

「生きている」のと「生きる」のは違う
ただ生きている人は「生きている」だ
生きるをしている人は「生きる」だ

生きたいけれども生きられない
生きたくないけれども生きている

人はそれぞれ

隣の部屋に住む人が「生きている」のか「生きるをしている」のかわからない

私は「生きる」をしたい
自分のために 
他人のために

人のことなどわからない

ただみんなで「生きる」

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高田馬場駅戸山口

高田馬場駅戸山口

 渋谷駅の地下。田園都市線を出て、階段を登り改札を出る。地上に出る手前の柱しかない空間に女は座っていた。女が壁の方を向いて座っていた。金髪の女は壁に向かって座っていた。理由はもちろんわかるわけがない。女の方も解られたくないだろう。しかし、女は誰かに察して欲しそうにも見えた。まるで誰かに見つけて欲しいとでも思っているように、その場所から動かず、じっと壁を見ていた。
 女を後にして、山手線に乗り、高田

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無題

後悔の多い人生だったと思うことはあるだろうか?

僕は後悔は沢山ある。だが、ここまで生きてきて、後悔しているだけであって、これから先、その出来事がどう働くかは全く想像もつかない。そうは思わないだろうか?

僕の人生はまだ二十年そこらで、まだとてもではないが長く生きたとは言えない。しかし、決してこの二十数年間は短かったわけではない。なぜなら僕はこの二十数年しか人生を経験したことがないし、他人の人生を

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脆弱な私

脆弱な私

私の身には時々、漠然とした不安を抱えることがある。例えば受験の時期、今日学んだことを覚えているのは、自分の脳だけで、他になにもよりどころがないという漠然とした不安だったり、コンタクトをつけている時に、自分はこのまま視力がわるくなっていずれは失明してしまうのではないかという不安だったり。

太宰治が「将来に対するぼんやりとした不安」によって自死を遂げたことは有名だが、私も日常における不安を抱えている

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生きづらさ

生きづらさ

夜中に起きていると、ふと自分という存在がなんなのかわからなくなることがある。

昼間は明るく振る舞っていても、それが本当の自分であるのかと言われたらそうではないと思う。誰かが自分のことを分かったような言い方をすると、違うのになと思ったりする。それって本当に嫌な奴みたいに聞こえるけど、嫌な奴みたいって思えるだけまだマシだと思って慰める。

思ったことや普段から思っていることを文字化して残しておかない

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現代人の病

現代人の病

自分を表現するのが苦手なのかもしれない。そう気づいたのは最近のことだった。

他人が自分のことを気に入ってくれる。これによって自分はやっとその人と仲良くなっていいんだというような感情になることがある。なんとなく気持ちが悪い表現だが、この表現がしっくりくる。

自分のことを表現するのが苦手だから、(( 普段の会話で思ってないことを言っているわけではなく、(ほとんどの人がそうだと思うが)本当に本当の本

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詩  「明日よ」

詩  「明日よ」

「明日よ」

明日が来る! 明日が来る!
恐怖がやってくる! 
生きていることがこんなにも怖い

明日が来る!明日が来る!
恐怖が押し寄せてくる!
ぼんやりとした不安が、波のように押し寄せる
その不安が去るとき 希望を連れて行って
僕は空っぽになる

不安の波よ!僕を連れて行ってくれ!
そちらはどうなっているのでしょう
未来はどうなっているのでしょう
空っぽの僕はどうなるのでしょう

明日よ!あし

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詩  「散りゆく花びら」

詩  「散りゆく花びら」

「散りゆく花びら」

生きるんですよ 神はそう言った

生まれ落ちたからには 死ぬべき運命ならば
死ぬまで生きなければならない
あぁ、神よ! 私はどうしたら良いのでしょう

生きるのです 神はそうとだけ言った

生きているのならば 死ぬまで生きる
今日も眠って 明日起きたら 
死なない限り 今を生きる

散ってしまった花びらたちは 私の瞼をかすめ
水面を揺らす 力となる
私たちも花びらのように 世

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詩  「生」

詩  「生」

「生」

瞼を開くと そこはこの世
もう何度もみた この景色 
何度目だろうか ここからいなくなりたいと
思いながら 目覚めた朝
しかし現実は 甘くなく
明日は容赦なく 訪れる

あぁ! 僕は何で生きているのだろうか!

知らず知らずのうちに ときは流れ
いつのまにか 大人になっていた
子供の時は 早く大人になりたくて
半端な僕は どうしたら良いの
この先何を するのが良いの
今宵も夜は更け 日は

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詩  「まっさら」

詩  「まっさら」

「まっさら」

この世界の片隅に 僕は生きている
僕と僕以外 互いに交わりながら生きている
だけど 僕のことを 僕以外の人がわかることなんてあるのだろうか 
自分でも自分のことが分からないのに

この世界の片隅に まっさらなベッドがあって
そこには僕が眠っていた
幼い頃の僕は 自分の存在を知らずに
ただ 「生きる」 をしていた
その世界には 他人はいない

この世界の片隅で 僕は死ぬだろう
何年後

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詩  「愛の死 死後の死」

詩  「愛の死 死後の死」

「愛の死 死後の死」

人と人 それぞれ愛し合い 共に生きる
今宵 君は死んだ 
でも この愛は死なない
愛は死なずに 肉体は滅びる
愛は死なずに 死後の世界で私たちは結合する
愛は死んだ 君は死んでいない
愛は死んだ この世で僕たちは別々に生きる
今宵 愛は死んだ 死後の世界はまっさらだ

詩  「行方」

詩  「行方」

「行方」  

満月の夜 雲に隠れて
私はどこにも行かないで
湿っぽい部屋で寝転んで

カーテンは閉まったまま
エアコンはつけずただ
暗い部屋でテレビがついている

満月の夜 雲に隠れて
あなたはどこかで生きていて
僕の心は空っぽで

カーテンは閉まったまま
あなたと通じ合えずただ
互いに分かり合えずいる

心の行方はわからずに
隠れた月はどんな形か
私の心は月のよう

私の心は雨模様
自分勝手に

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詩  「僕は」

詩  「僕は」

僕は

世界は僕と関係なく動き続ける
僕が寝ていても 僕が目覚めても
変わらず世界はそこにいて
僕のことなど知らんぷりして

川は僕と関係なく流れ続ける
僕が見ていても 僕が水を掬っても
変わらず川は流れていて
僕のことなど知らんぷりして

街は僕と関係なく回る
僕が引っ越してきても 僕が働くようになっても
変わらず街は動き続け
僕のことなど知らんぷりして

君は僕と関係なく生きる
僕が好意を寄せ

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詩  「美しき哉世界。」

詩  「美しき哉世界。」

美しき哉世界。

散らかった部屋
溜まる食器

靴の多い玄関 
鍵のかかったドア

広がる青空 白い雲
窓の外には高層ビルと白い団地

屋根から垂れる水は私を通過して落ちていく

あぁ つまらない

乱れたベッド
乾かぬタオル

閉めっぱなしのカーテン
埃だらけの机

落ちる太陽
どこまでも伸びる地平線

路地には大人のため息が溜まっている

あぁ 世界は美しい