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偏読書評

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「偏食」ならぬ「偏読」気味の本好きによる、文芸やマンガ作品紹介。
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『Numero TOKYO』2024年05月号 短歌&装幀対談記事

『Numero TOKYO』2024年05月号 短歌&装幀対談記事

ただいま発売中の『Numero TOKYO』2024年05月号にて、ふたつの対談記事を書かせていただきました。📚✨

📕今号からスタートした、くどうれいんさんと染野太朗さんによる短歌の連載「恋」。初回を記念した対談「わからなくていい。短歌の自由な楽しみ方」

📗俳優の松岡茉優さんとブックデザイナーの名久井直子さんによる対談「ブックデザインに魅せられて」

どちらも楽しく取材させていただきまし

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【句作_08】たんじつに

【句作_08】たんじつに

●2023
▼師走
朝日浴び布団こねこねこね仔ねこ

古本と君の思い出消えて冬

カッコつけ本音を隠す余裕(ない)さ

短日にかすみ目こすり足あせり

立ち漕ぎで出前届ける若サンタ

叶わねどツリー光らす夢と恋

イヴ明けのやつれサンタの見る夢は

持て余す眠気とおでん午前四時

ささやきに耳くすぐられ室の花

逸る足こらえて向かう年の暮れ

以上、「たんじつに」10句。

おだやかな年末年始をお

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【句作_06】あきのはま

【句作_06】あきのはま

●2023
▼神無月
半袖に未練はあれど火の恋し

安寧を希い折る彼岸花

永遠の余韻残して星流れ

言葉尻齧り齧られウロボロス

咽び泣き紫煙立ち籠む苦い闇

恨み言送れぬままに長き夜

パケ死んだ子どもの目に映る紅葉

銀杏の実 競って拾うよく似た顔

歪でも香る花梨と横恋慕

巻貝の階段降り秋の浜

▼霜月
代官の蔦に群がる犬の海

そぞろ寒 布団の海に猫潜り

以上、「あきのはま」12

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【句作_05】ほしめぐり

【句作_05】ほしめぐり

●2023
▼葉月
〆切と湿度に溺れ虫の闇

耳鳴りを響かせながら夜仕事

夜なべして溶ける若さと寿命かな

星飛んでみんな等しく雲の上

炎天下そしらぬ顔でドレミ歌

散るまでがワンセットの恋と芍薬

君づけで呼ばれ売られておにやんま

▼長月
夢うつつ空白のまま午前五時

彼岸花あの口ぐせを夢で聞き

穴惑 頭痛のようなドリル音

月すらも見れないまま乾く唇

ウーファーの誌情も籠り秋湿り

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【お仕事】BRUTUS 994号「大人になっても学びたい!」特集

【お仕事】BRUTUS 994号「大人になっても学びたい!」特集

ただいま発売中の『BRUTUS』994号「大人になっても学びたい!」特集内〈明日がわかる時事用語辞典〉にて執筆させていただきました。

20分野の有識者の方々に、未来を見据えて各分野のキーワードを解説してもらうというページで、自分は「経済・金融」「教育」「ゲーム」「ロボット」「宇宙」の5分野を担当しました。

どの分野の有識者の方のお話も、すごく面白かったし勉強になりました! 書店やコンビニで見か

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【ブックレビュー】Numero TOKYO おすすめの2022年5月の本

【ブックレビュー】Numero TOKYO おすすめの2022年5月の本

Numero TOKYOでのブックレビューが公開されました。今回は……

📕アニメ『平家物語』や『犬王』の原作を手がけた古川日出男さんの最新作『曼陀羅華X』(新潮社)

📗〈メタヴァース〉という言葉を生んだ、伝説的SF『スノウ・クラッシュ〔新版〕』上・下(早川書房)

📙能町みね子さんが愛猫について綴った愛と笑いいっぱいのエッセイ『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース

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『Numero TOKYO』10月号にて執筆させていただいた、仲條正義さんへのインタビュー記事がウェブにて読めるようになりました。ポートレートに仲條さんと一緒に写っている愛猫の小吉さんがとにかく美しい…。お時間あるときに、ぜひどうぞ。
https://numero.jp/20211014-thesecretoflogos/

(『Numero TOKYO』でのブックレビューが公開されました。今月は『あなたにオススメの』(講談社)、『見知らぬ人』(東京創元社)、『Voyage 想像見聞録』(講談社)の3作品をご紹介しています。お時間あるときに、ぜひ📚 )
https://numero.jp/book-news-20210914/

【お仕事】Numero TOKYO おすすめの2021年2月の本

【お仕事】Numero TOKYO おすすめの2021年2月の本

雑誌『Numero TOKYO』公式サイトでのブックレビュー、2月分が公開されました。

今月は……
📕映画監督・作家でありCODA(Children Of Deaf Adults、音の聞こえないろうの親を持つ聴者)でもあるイギル・ボラさんの『きらめく拍手の音』(リトルモア)
📗もう言葉にできないくらい心を揺さぶられる、最果タヒさんの第8詩集『夜景座生まれ』(新潮社)
📘本能寺の変の真相にも

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【お仕事】『波』2021年1月号掲載 萩尾望都さん・最果タヒさん対談「詩を読む呼吸、漫画を読む呼吸」

【お仕事】『波』2021年1月号掲載 萩尾望都さん・最果タヒさん対談「詩を読む呼吸、漫画を読む呼吸」

新潮社さんの本のPR誌『波』2021年1月号にて、萩尾望都さんと最果タヒさんの対談記事「詩を読む呼吸、漫画を読む呼吸」を書かせていただきました。

漫画の神様と詩の神様の対話を真横で聞けて、なんとも幸せなひとときを過ごせました。そして冊子を開いたら、思いのほかクレジット表記が大きくて、一年の最後の最後に変な声が出ました。

加藤シゲアキさんと宇佐見りんさんの対談、柳瀬博一さんと隈研吾さんの対談、筒

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【お仕事】Numero TOKYO「年末年始に読みたい本(2020-2021)」

【お仕事】Numero TOKYO「年末年始に読みたい本(2020-2021)」

雑誌『Numero TOKYO』(扶桑社)でのブックレビュー、12月分が「おすすめ! 年末年始に読みたい本」として公開されました。

今月ご紹介しているのは……

📕 酉島伝法さんによる痛快ディストピア『るん(笑)』(集英社)
📗 コルソン・ホワイトヘッド氏の2度目の(かつ2作連続の)ピュリッツァー賞受賞作となった『ニッケル・ボーイズ』(早川書房 藤井光さん訳)
📘 時間SFとしてもミステリ

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【お仕事】『Numero TOKYO』1・2月合併号「男の利き手」町田康さんインタビュー

【お仕事】『Numero TOKYO』1・2月合併号「男の利き手」町田康さんインタビュー

ただいま発売中の雑誌『Numero TOKYO』2021年1・2月合併号、写真家・操上和美さんによる連載「男の利き手」にて、作家・町田康さんのインタビュー記事を書かせていただきました。

現在連載されている古典をベースとした『ギケイキ』と『東海遊侠伝 次郎長一代記』のことを切り口に記事はまとめたのですが、取材では詩歌句についてもあれこれと質問していました。しかし文字数の関係で、詩に関する事柄まで入

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