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#詩
小説?|ブルーハワイ・フロート
前置き
文学的な問題は一切孕んでいません。
本編
午後一時半の中心業務地区は酷暑と言っても差支えがないほどに大気が煮えていて、アスファルトの照り返しが私の脚をストッキング越しに刺す。何故こうも高層ビルばかり空を埋め尽くすように建っているのか――それは地価が高い以上そうせざるを得ないのだ、そんなことわかってるのに――ただ、これではまるでコンクリートの雑木林と形容せざるを得ない。植林地でもいい。
私はひまわりサンフラワー
(初出;2022.6.5 前橋ポエトリーフェスティバル)
置かれた場所でうまく咲けなかった
みんなと同じになれない
いつもいじめられた
人と何かが違う事で いつもいじめられた
隣の人より背が低い 太ってる 足が遅い
そんな時 だれかが言ったの
「あなたには どんな花が似合うのだろう
どんな花でも
それは あなたの花
どんな花でも
あなたはあなた」
私には
向日葵という名がついてるの
それは
恋の終わりに咲く想い
太陽の下
手を繋いで歩いて
木漏れ日の中で
隠れるようにキスをした
未来を信じてた
あなたを想ってた
まっすぐ見つめてた
あなたを愛してた
出逢いは必然だった
別れは必至だった
ひとつ嘘を吐いた
優しい嘘を吐いた
好きじゃなくなったわけじゃない
曖昧に誤魔化した言葉の裏に
隠れているのは
二度と言えないアイラブユー
出逢えてよかったなんて
まだ思えない
楽しい時間をありがとうなんて
まだ言
お気に入りの一番を探す
幸せは捉え所がなくて形は様々
人の姿や声音、色彩
場所や関係、空気感に物理欲
組み合わせて響く心地よさ
並べて過ごす事の贅沢
幸せに浸された空間で
目を閉じれば
夢の内容も変わっていく
幸せになりたい
脳みその願いを叶える為に
今日もぼくは街に繰り出す
お気に入りの一番を探し出す