maniguruma

日常を旅するように詩人を目指し生きています。深呼吸して息を吸って詩を書く。#CPP#G…

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日常を旅するように詩人を目指し生きています。深呼吸して息を吸って詩を書く。#CPP#GroupPsychoTherapist https://www.instagram.com/maniguruma1/

最近の記事

骨太な人生

形骸化された骨だ 骨格が並べられた ごっそりと古代から 持ち込まれたものだ 血肉踊る動きはなく 俗な悪臭もない 歴史や組織は土に還る ガラスケースに貼られた 深い解釈がレッテルとなり 風に吹かれ剥がれた 魔法が解けるように こっそりとケースから 取り出し空へ投げたら うまい具合に宇宙へ向かう

    • 原罪

      何万年も前の 猿のままがよかった? 分別がついて 悪に石を投げつける 社会がよかった 悪を張り付けにして 燃やす社会がよかった 悪も善もスパゲティーに 繋ないで生き長らえる 社会がよかった 神様、今では人は 善と悪を向き合わせますが 時に発狂して両方マシンガンで ぶっ放ちます

      • 彼岸花

        仕事帰りに 教会に立ち寄り 牧師に懺悔して 悔い改めたら 終電に間に合わず 孤独の夜道を帰ることになった 頭上では仲秋の月が四角に変形して サイコロのように回っていた スロットマシンの数字を映して カタカタと変わる 目を血走らせていた俺の顔も カタカタと変わっていた 欲望と嘘と欺瞞に満ちた なんて不安定な空か これまで人の厚意に甘えて 夜を明かしてきたから いざ憎しみの街で お前は加害者の側だと こめかみに罪を 突きつけられても 言い訳しか見つからず 夕闇は残念な顔をして

        • 眼差しの檻

          見たいものを 見たいようにしか見ない群衆の 歪んだ瞳 興味本位で脱がされて 乱れる呼吸 獣臭い何千年ものトラウマは 身体に刻まれていて 素肌をさらしたくはない それを見せられる不安 俺は異なる瞳を持っていた 老いた瞳と若い瞳 若い瞳を机に置いて 両目を老いた瞳に履き替える 狡猾なレンズでなくてよかった しかし 白く霞んだスクリーンに これまでの経験の地層から拾い集めた他人の物語が写り込む 桃色がかかった欲望はもう入り込まない それでも、事実を素直に捉えることは難しい

          静寂

          あなたが 側にいるという静寂は 物事が失われて生まれる 沈黙とは違う あなたを 容作る粒子が波打たず わたしを容作る粒子と 交わり満たされる空間 ここから生まれる静寂 これを愛という 何か次の言葉が 生まれる予感 ことっと音がして あっと波打ち クスッと 微笑みが生まれた これを幸福という

          洗濯の途中

          毎日上り下りする 生活の階段に 滲み出た透明なシミ痕は 汗でも血液でもなく 空を流れる雲を映していた もうエレベーターのある所に 引っ越さなくてはならない そう言いながら 足を引き摺り 背中に罪を背負って 上り下りを続けるのは 「自己満足に過ぎない」 そう言って君は高層階から 俺を見下ろしていた 俺はこのまま水に 映る空を見下ろし 雲を掴むような 生活をするために 立ち止まるのか 肩を上下させて 歯を食いしばる顔を作って 君を見上げて階段を上がるのか 君と別れて階下に下り

          洗濯の途中

          生活の階段

          毎日上り下りする 生活の階段に 滲み出た透明な液体は 汗でも血液でもなく 流れる雲を映していた もうエレベーターのある処に 引っ越さなくてはといいながら 足と罪を引き摺っていた 背中に背負い肩を 上下するのは 自己満足に過ぎない

          生活の階段

          白い花

          海辺の岩に跨って 咲き乱れる白い花 顔に喩えられた 肉体と信念 奥へ奥へと 分け入って 分け合って 訳あって 深淵な悲しみの理由(わけ) 海の底に沈めた 古代遺跡のようだ 引き上げられないよう 固められた憎しみを 僕が身勝手に壊してしまった 海は涙でできていたから 溺れても息ができたから

          優しい人

          森の人よ 海の人よ 優しい人よ 僕の喧騒で 壊したこころ どうして 笑ってすくって くれた くすって笑って 泣いてしまった 僕の隣で座ってくれた 優しい人よ 森の一夜 海の一夜

          空白の街

          シャッターを閉めなければ 僕の果てしない胃袋の中 ブラックホールから何かが溢れ出す 真っ黒な液体が シャッターを切らなければ 外の光を取り込めず 鏡の部屋の中 ただ反射するだけの世界 シャッターを開けなければ、生きられない。 だけど、僕は客商売が苦手だ。 何を売っているのかと聞かれて 嘘がばれてしまう 僕は空っぽの宇宙、 でも周りの目には 監視カメラに映っているようだ。 ヒソヒソと、人が遠ざかっていく

          9月のスイカ

          9月の初めに スイカをみたよ 遅れて実った スイカを食べたよ 遅れることにも 意味があったよ 遅れた実にも 種はあったよ もしもこの世の 季節が変われば 今度はこの種が 生き延びるのだよ 全部同じじゃ 全て滅びる だから必死に 意味をみつける いろんな種類の 種をみつける #言葉の添え木

          9月のスイカ

          庭園

          あるがまま わがままに 気ままに 振る舞えど 意識がある以上 自由になれない ならば庭園を造る 秩序と法則が 自然の光に照らされて 無意識が投影される それを言葉にして 意識することで 自由になれない 不自由さを理解し そこから 自由になれるのだ だから庭園を作ろう

          黒い蝙蝠傘

          俺は傘屋だ 激しい哀しみには 傘をさして 濡れた方がよい 直接だと痛くて バラけちまう あなた自身を 一個の実存として 束ねた方がよい 束ねれば花になる ゆとりができれば 花屋になって誰かに 花を渡せればよい 俺は傘屋だ 日差しが強いときも 黒い大きな蝙蝠傘がよい 個人の傘が繋がって 大きな傘の雲を作りたい

          通勤電車

          通勤電車に 毎日乗り込む 週末電車は 茜色 毎日毎日 思い出一粒 もう網棚ではない 所にわざと 忘れて 行き過ぎる 毎日毎日 行き来する 息するように 意識する 僕は一体 どこへ行くのか ごとごとごとごと 自分ごと ごとごとごとごと 他人ごと ごとごとごとごと 仕事に出かける

          ただいま

          たすかったもの たすからなかったもの たすけられたもの たすからなかったもの ただいま ただ、今だけは 失ったものについて 悲しみたい お帰りなさい よく戻ってきたね ただ、今だけは 生きているものについて 労いたい

          夜空の劇場

          東の地平線で満月が 狡猾な眼をしていた やがて高度を上げると おおやけの顔となり 揺るぎなき光を差しのべ 得たいの知れないこの夜を 仮初に照らしてくれた みんな何処までこの夜を 演じ切るか みんな何時までこの夜に 持ちこたえるか この夜は 不安で揺らいでいるのだ あの夜も 不安で震えていたのだ 「扉座を空に上げるのを忘れていた」 今頃になって ギリシャ神話のゼウスの便りが ネットニュースに上がっていた 扉座は実際開閉するらしい 西の地平線で満月が 背中を見せて役を降り

          夜空の劇場