maniguruma

日常を旅するように詩人を目指し生きています。深呼吸して息を吸って詩を書く。#CPP#G…

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日常を旅するように詩人を目指し生きています。深呼吸して息を吸って詩を書く。#CPP#GroupPsychoTherapist https://www.instagram.com/maniguruma1/

最近の記事

共に同じ空

満腹だから 転覆するよ 僕らの船は 飢えた処で 生きてきたから 生まれた時から 満腹だから 生きる理由が見つからなくて 君らの船は動けない 沈む夕陽と一緒に沈み 僕らの船は無に帰る 君らは船が空っぽだと知る 共に同じ空の下 新しい船を作る

    • 生き残り変化する

      鉄塔のように 揺るぎない信念 安定のまま進む先は 揺らぎなき停滞 やがて血は錆びるだろう 成長は変化だ 失敗も変化だ 未知との遭遇によって 体全体の細胞が 自分とは異質なものを 受け入れるのだ 揺るぎない信念を 好奇心と探究心で溶かして 俺は液体になるのだ

      • ロールキャベツ

        肉体が夕暮れの時期を迎えようというのに 青虫は反抗期を迎えていた でも芯がないものだから成人になれない 成人とは父の役割を果たすことか 成人とは母の役割を果たすことか 仕方なくひと様の夢や思想や経験を 混ぜ合わせ 何の肉だか分からない 肉とこねくり回して ロールキャベツを作る 最近では蝶になって飛び立った 顔すら見分けがつかない子供達に ロールキャベツのレシピを 紙に書いて郵送している

        • 血を継ぐものとして

          燃えたぎる赤い血は やがて俺の精神を黒くする カタカタと頭蓋骨を 鳴らせているうちは良かった 無力な海が打ち寄せる前に 親が毎年生け贄を 差し出していた史実を 砂浜に埋めたら その上にビルが建っていた 助かったと思う度に 血は黒く固まろうとするのだ 固めてはならない 受け流すのではない 受け入れて次へ流さなくては

        共に同じ空

          優しい雨

          螺旋階段を下る夢の中 踊り場では野戦病院に勤めた 階下では就任演説場所がわからず 無意識の海面に浮上する 窓の外で降りしきる雨が 行くて阻む夜明け前 今日は考えなくて良いではないか 言の葉を打つリズム この部屋に染み込んで 背中から抱き寄せられた 雨よ

          優しい雨

          花火

          沈黙は野蛮だ 大人しくて未熟だ 歯に噛んだ笑顔が危険だ オレンジの三日月で不気味だ 鋭くて手を切りそうな空気 皆で作り出した怪物なのに 誰のものなのか犯人探しをしている それは無意味だから棄権だ 夏休みに入る前に花火大会がある 沈黙を破るのは君だ 花火が上がっても 気を取られずに 君の言葉に注意を向ける どさくさに紛れさせることはしない

          遠心分離機

          いろんなものが 混じっているから 僕の瞳は澱んでいるんだ 悲しみも怒りも妬みも羨望も データ化したから 黄ばみはしない君との思い出 白んだ言葉で消毒される 撹拌されて遠心分離機 朝と夜とが分けられた 地平線を凝視すると瞳孔が開く 新しい治療法かい?

          遠心分離機

          出会いは嘘と思い出の中で

          俺の中にはガキの頃から 部屋の床が歪むくらい 暗い虚無があるから 位にこだわりをみせて 格好をつけたがっている家のようなものだ 真っ黒な夜の眼差しが怖いものだから 部屋の電気を点けたら 夜のコンビニの灯火に群がる 蛾のような感覚 大きく見せたり話に毒を盛る悪気ない 偽りの自己で 涙見せぬよう 全部君への愛の為だと ペラペラと嘘を並べる音は 蛾がバタバタと羽音で 威嚇するような思い出を語りたがる あまりにも見え透いているのに 嘘だとわかる擬態を纏うのかしら この時代に個人情報

          出会いは嘘と思い出の中で

          restart

          首輪のついた 飼い犬の人生だった 空には虐げられた 宇宙が広がっていた 首輪を外して野生に戻る まだ海は強ばっていた 雲の切れ間から 差し込んでくる太陽 屈折した光を 意味付けずに 受け止めれば 狼として 新しい傷つき方 新しい生き方

          木立

          風が訪れる 鳥が訪れる 地中にいた蝉が 7日程木に登る 樹液を与えて 雨水を得る たかが旅人の 俺には とても畏れ多い 薪にして火を興す ほんのひととき 寄りかかる ほんのキツツキ みきたたく たんたんたんと リズムを刻む 眠りにつくと 葉はさざなみ 笑っている

          人はヒトの 合間をぬって 蛇のように 意見を飲んだり飲まれたり 感情に飲まれたり飲んだり 雨の合間をもがいていた 現実を越えるような 現実的な夢をみる ベランダから 蛇が入ってきて 出てゆかず 困っていたら 一匹のネズミを 丸呑みした 複雑な感情が 腹をみせて 床をはい回る蛇 空は晴れる兆し

          バザール

          バザールを歩く 行き交う人々も 様々な国の言葉飛び交う 鞄に詰めた珈琲豆からも 様々な国の香り飛び交う 僕の国境線が曖昧になる 男でも女でもどちらでも ない人々も花も自然も 人工物も美しいものには 立ち止まり見惚れてしまう 他意はないのです ただ見惚れいるだけなのです

          ぶっこわす

          ぶっこわーすって 格好良かった ドッカーンって 先輩背中頼もしかった 立ちはだかる 既成概念ぶち壊し 道なき所に道作る スカッとした レモンが似合う夏の時代だ 配給された迷彩服で 俺は直接手を下さずに 開かれた道草進むのさ ロックンロールで耳塞ぎ 拳振り上げ歌っていたさ 壊した後を振り向きもせず 雑務整理は誰にさせたか 汚い仕事は誰にさせたか 天国への階段のある最上階で 世界各国の食事が摂れて プラモデルを作ることができたのは 一体誰のおかげだろう 涼しくなった秋の時代

          ぶっこわす

          誘拐犯

          子供を夢の中に ずっとかくまっている 同じ所であまりにも 無邪気に同じことを 繰り返していた 波風は同じようにみえて 同じではないのに 所詮俺が作る夢だからか 世の中の人々からすれば 俺は誘拐犯らしい 子供を開放しろという 夢の中だから どうすればよいか わからない 罪の意識も想像できない 責められているという感触だけでは 突入されて傷つけられる

          やむにやまれぬ音だ

          雨がやむ音を 聞いたことがあるか からっと青空に変わるなら 能天気な希望にかき消される かすれた声がするのだ 人が病む音を 聞いたことがあるか どんよりと曇天に覆われるのなら 鳥肌のような不安に かき消される やむにやまれぬ音だ 手を差し伸べるなら 諦めの溜め息の音だ 諦めた瞬間にできる余白に 俺は言葉をつぐむ 言葉は音になり リズムを作り 生活が生まれる まずはゆっくりとした ワルツから始まる 固く青いトマトが ポット顔を赤らめる そのうちに夏が訪れる

          やむにやまれぬ音だ

          紺碧の空

          紺碧か 完璧か 求めてもきりがない そう思えば 俺の霧が晴れた とりあえず前に進める 海は善き友 いまは亡き友を思う