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【詩】一滴の温かさ


辛苦の眠りから覚めるわたし
純粋な雫が胸の奥で
一滴落ちる



見たくないだけだった
聞きたくないだけだった
触りたくないだけだった



永い眠りの中で
飛び散る細かい粒が
新鮮な旋律とともに
わたしの中で響きだす



逃げ出した先の翳りカゲリの中で
安息なんてなかった
苦しさの中の永い眠り
聴きたかったのは美しい調べ


冷たい思ひが溶けて
心のドアをそっと開いて
くつろぎたかっただけ


逃げても追いかけてくるものなんて
きっとずっといらなかった


わたしが欲しかったのは
もう赦されているってこと
何も恐くないってこと



あなたの慰めは温かく
わたしの苦しみさえ
幸福感に変えてくれる



あなたの手を握っていれば
きっとずっと恐くない
それを感じたいだけ
逃げる必要なんてないだけ


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