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マグニフィセントなnoter様

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心に響いた”マグニフィセント”な記事をまとめています。わたくしの独断と偏見で選出しております。不定期ではありますが紹介記事も書きたいなと思っております🐈
運営しているクリエイター

#言葉

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

マグニフィセントなnoter様📒総合受付案内所📒

ようそこいらっしゃいませ。

こちら、ネコぐらしの勉強暮らしpresents

マグニフィセントなnoter様
📒総合受付案内所📒
でございます🐈

『マグニフィセントなnoter様』とは?
文才や表現力にあふれる方が、noteの世界にはたくさんいらっしゃいます。

特に「これは皆に広めたい!」と心に響いたnoterさんをピックアップしているマガジン。

それが『マグニフィセントなnoter

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【intro】 ある三十分の写真

【intro】 ある三十分の写真

私は、

街中のある一点に30分間立ち続け、録音をする。
その音から「言葉」を抽出し、文字に起こす。

ということをしています。

ある場所に立つ。そこでは人々が行き交っている。立ち続ける。

ある人が私の傍を通る。会話の一部の、文脈を失った言葉を私に聞かせ、遠ざかっていく。

こんな感じで、その場所に、ある言葉がぽつりと残される。

人の声以外にも、
駅構内のアナウンスや、広告宣伝車の音声、誰か

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「好き」の原体験を探る

「好き」の原体験を探る

そういえば、ことあるごとに文章を書くのが好きだ好きだと言って憚らない私だが、そもそも文章を書くのが好きになったきっかけはなんだったのだろうか。

仕事をする前、大学の時分には暇を持て余してつたない小説を書いたことがあった。どれも陰鬱な作品ばかりで小説とは人間性がよく出るものだと我ながら感心したものだが、同時に小説を書く作業というのは苦難以外の何物でもなく、おそらく私には向いていないのだろうと半ばあ

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濃

先日、友人との会話の中で、

「好きな漢字はなにか?」

というスレッドが立った。

一見、普段会話になってもおかしくないテーマだが、私にとって、実は一度も考えたことも話したこともないものだった。

こういう、各者の回答からちょっとした思慮と指向性が垣間見えるような問いが、たまらなく好きだというのに。

いけない。
いつものようにまた話が横道に逸れてしまいそうだ。

今日はこの「好きな漢字は?」と

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時雨はいざなう

時雨はいざなう

1・時雨模様映画館内の待合室は、カンヌ国際映画祭受賞の日本映画が、上映されていることもあって、通常より多くの人が、館内で開始時間を待っていた。待ち椅子で広げるパンフレットの微かな紙音だけが、人の気配を感じさせた。

その静けさを破ったのは中年の女性の、「あ、来たわ、おはよう!」と叫んだ声であった。螺旋状の階段を上り切って、顔を覗かせた白髪の婦人を捉えての挨拶であった。

女性の隣に座っていた私は、

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言語化する際は感情的な言葉を避けている

言語化する際は感情的な言葉を避けている

 私のnoteはひたすら自分語りです。自分の内にある思考や感情といったものを言語化することが主な内容です。目的としては自分が自分を理解するために、言葉になっていない思考や想いを言語化し、可視化することで自分自身への理解を深めたいからです。

 そうした私の言語化において、一つ私が気を付けていることがあります。それは、「言語化する際は感情的な言葉はなるべく避ける」ということです。

 実は、私が言語

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そういうことが言える人になりたい。

そういうことが言える人になりたい。

数日前のある日の札幌は、目もくらむような大雪であった。

前を進むことが困難な風の中、白い雪がガトリング銃の弾幕のように襲いかかってくる。最高気温氷点下4℃の世界。目を細めて雪の中をかき分けて歩くような、そんな日。

その日は朝からお取引先との商談があって、とにかくそこに辿り着くだけでも疲労困憊。会話の最初のひと言は決まって「今日は雪がすごいですね」。

その日のアポイント数は6社か7社かもう忘れ

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高齢者となったらnoteに生きたあかしを残そう

高齢者となったらnoteに生きたあかしを残そう


あなたは死んでこの世に何を残す?

故郷の友人から、お父上が107歳で他界されたと聞きました。
彼のお父上は故郷では有名な知識人で、かつて「回想ひるがの」を出版されました。
しかし、私は知っています。
彼のお父上は、他にも残したいものがあったことを。
一度お宅にお邪魔したことがありました。
その時、昔の食事や遊びの話を書いたノートと絵を見せていただいたことを。
この資料はどうなったのでしょう。

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書き言葉と分人主義

書き言葉と分人主義

ここへ来て、本の執筆作業が大詰めを迎えてきて、平日だけでなく休日もほぼPCに向かいっぱなしである。

書いている本の内容は、以前「無名人インタビュー」様にインタビューを行っていただいた以下のような感じ。

共著なので書く分量自体が多いわけではない。
だが、特に予備知識の無かった分野まで自分が書くことになった章もあり、インプットとアウトプットを同時にやらなければならないのが悩ましい。
そんな脳の自転

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要約と敷衍

要約と敷衍

時は乱世。大コンサル時代。外資コンサルと商社と医者が幅をきかせる時代の古より伝わる二本の名刀の話。

一本はその名を要約という。
対となるもう一歩を敷衍という。

ここに二本の対になった武器がある。

要約にはすごい能力がある。
難解な概念と膨大な情報の大事なところだけを抽出して、コンパクトな言葉に圧縮する。
真空パックのように、言葉が圧縮されていく様は見ていて心地がいい。
まさに達人の業。

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