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「柳田國男を読む」シリーズ

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個人的偏向に基づいた柳田國男の論文読書録をまとめました。 スーパー利己主義的な動機でマガジンを組んでいます。
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#スピリチュアル

迷信か真実か?...全国に広がる"伝説"の奇妙な一致についてー柳田國男を読む_13(「伝説」「神を助けた話」「伝説のこと」)ー

迷信か真実か?...全国に広がる"伝説"の奇妙な一致についてー柳田國男を読む_13(「伝説」「神を助けた話」「伝説のこと」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

『柳田國男全集 7』ちくま文庫(1990)

序論 伝説...今日では、日常語として溶け込み過ぎていますが、地元ヤンキーの武勇伝擬きは置いておくとして、対象としての伝説に触れる機会ってそう多くない気がするのですが、いかがでしょう?

社寺を訪ねれば、それの一つや二つに当たることはしばしばありましょうが、その場限りという感じで、その定義の広さゆえ、なか

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「福は内、鬼も内」!?...節分に現れる「鬼」の正体ー柳田國男を読む外伝_01ー

「福は内、鬼も内」!?...節分に現れる「鬼」の正体ー柳田國男を読む外伝_01ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

①『柳田國男全集 2』ちくま文庫(1989)
②『柳田國男全集 4』ちくま文庫(1989)
③『折口信夫全集 第十五巻』 中央文庫(1976)

序論 「鬼嫁」「餓鬼」「鬼婆」「鬼上司」.....
近頃でも尚、耳にすることができる接頭語としての「鬼」は、談笑時に友人や上司らのぎこちない笑みと共に発せられる言葉というイメージがどうしても先行してしまいま

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待て待て。"引きこもり"こそ日本の伝統でしょ?...物忌の民俗学的解剖ー柳田国男を読む_12(「忌と物忌の話」)ー

待て待て。"引きこもり"こそ日本の伝統でしょ?...物忌の民俗学的解剖ー柳田国男を読む_12(「忌と物忌の話」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

①『柳田國男全集13』ちくま文庫(1990)
②『柳田國男全集14』ちくま文庫(1990)

序論 何かと気怠くなる5月。一息つけるゴールデンウィークといっても、相変わらずの不完全な連休で、有給を使って間を埋める方もいらっしゃるでしょうが、業種やその他事情によって、難しい方も多いことでしょう。

私としては極限まで引きこもって、気を鎮めたい(積み本・

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日本人の信仰の根底、田の神とは?ー柳田國男を読む_05(「月曜通信」)ー

日本人の信仰の根底、田の神とは?ー柳田國男を読む_05(「月曜通信」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

『柳田國男全集16』 ちくま文庫(1990)

序論 今回の論文は終戦間もない頃の時代の変化が著しいなかで、「若い人たちの郡のために、辛抱強く書きつづけ」た「宛名のない手紙」を自然消滅せぬよう、一つにまとめたものになります。つまり、日本民俗学の父である柳田國男版noteということですね()
そのためか、いつもにも増して散文的ではありますが、その中であ

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神社にある社殿、あれ何なん?...神社以前の神道ー柳田國男を読む_02(「神道と民俗学」)ー

神社にある社殿、あれ何なん?...神社以前の神道ー柳田國男を読む_02(「神道と民俗学」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

『柳田國男全集13』 ちくま文庫(1990)

序論 第二回目は、神社精神文化研究所の希望に応じて作成した民俗学の大意なる論稿へ加筆修正を加えた論文を取り上げます。
とりわけ、御社(社殿)の成立と氏神の変遷に関連する内容を抄録し、手前勝手ながら、硬直した自分の脳みそへの教練作業を温かい目で見守って頂ければと思います。
再三申し上げることになりますが、

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そもそも日本の祭りとは何ぞ?ー柳田國男を読む_01(「日本の祭」)ー

そもそも日本の祭りとは何ぞ?ー柳田國男を読む_01(「日本の祭」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より)

「柳田國男全集13 」 ちくま文庫(1990)

序論 本日は、新たなシリーズものとして、柳田國男特集を組み、境界人という名の無学の偏愛家を少しでも賢くさせてあげようという至極利己主義的な企画を実施しようかなと思っております。

今回は第一回目ということになりますが、そもそも、何故柳田國男の特集を組んだかという需要なき動機について、一言述べさせて頂け

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