境界人の雑学メモブログ日記

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マガジン

  • 「柳田國男を読む」シリーズ

    個人的偏向に基づいた柳田國男の論文読書録をまとめました。 スーパー利己主義的な動機でマガジンを組んでいます。

最近の記事

待て待て。"引きこもり"こそ日本の伝統でしょ?...物忌の民俗学的解剖ー柳田国男を読む_12(「忌と物忌の話」)ー

(アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) ①『柳田國男全集13』ちくま文庫(1990) ②『柳田國男全集14』ちくま文庫(1990) 序論 何かと気怠くなる5月。一息つけるゴールデンウィークといっても、相変わらずの不完全な連休で、有給を使って間を埋める方もいらっしゃるでしょうが、業種やその他事情によって、難しい方も多いことでしょう。 私としては極限まで引きこもって、気を鎮めたい(積み本・積みゲーの解消をry)訳ですが、世間には、せっかちでやっかみな人がおりまして、色

    • 忌々しき飲みニケーションの起源...酒宴で香る日本の古代文化ー柳田國男を読む_11(「木綿以前の事」)ー

      (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集17』ちくま文庫(1990) 序論 「〇〇君、この後一杯どうかね?」「○時間飲み放題で○割引致します!いかがですかぁ〜」「久々に家に帰ったんだから、少しは飲まんか」...会社、街中でのキャッチ、実家、テレビ、ネットその他広告、酒の話題は尽きることなく、実に喧騒の感さえ、漂わせます。 出血泥酔者の幼児返りという情けない大人像を幼少の頃からまざまざと見せつけられて、YouTube広告並に脳内再生されてしまう私自身(

      • 流行語・若者言葉こそ、日本語史の中心である...標準語運動と方言ー柳田國男を読む_10(「方言覚書」「国語史新語篇」「標準語と方言」「国語の将来」「小さき者の声」)ー

        (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) ①『柳田國男全集21』ちくま文庫(1990) ②『柳田國男全集22』ちくま文庫(1990) 序論 「りょ」「エモい」「イキる」「とりま」「わかりみが深い」...日々転々とする現代の新語ないし若者言葉。 若者言葉を聞き、眉を顰める年輩者とて、その昔に「マブダチ」や「バイビー」、「ナウい」「ケバい」と時代の流行語に挟まれていたわけでして、ビジネスや改まった場も例外なく、尊敬語や定型句などを見れば、有為転変としていることは容易に感

        • 労働に愚痴あり、不満あり、歓喜あり!...失われし祖先の労働唄ー柳田國男を読む_09(「民謡覚書」「民謡の今と昔」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集18』 ちくま文庫(1990) 序論 21世紀の今日、職場で音楽ないし歌曲が流れることもそう珍しいことではなくなってきています。しかし、ふと目を配ると大体は受動的であって、恭しく上司好みの歌曲を拝受するか()、世間で"流行歌"と見做されるものが垂れ流されているケースが大半のように思われます。 いずれにしても能動的にとなれば、勤務怠慢という評価を免れることはできません。 まぁ、気にしない人からすればクソどうでもい

        待て待て。"引きこもり"こそ日本の伝統でしょ?...物忌の民俗学的解剖ー柳田国男を読む_12(「忌と物忌の話」)ー

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        • 「柳田國男を読む」シリーズ
          12本

        記事

          元祖『半農半X』から中農への道...明治期の日本食料安全保障問題ー柳田國男を読む_08(「時代ト農政」「農政学」「農業政策学」「中農養成策」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) ①『柳田國男全集29』ちくま文庫(1991) ②『柳田國男全集30』ちくま文庫(1991) 序論 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 大分ご無沙汰しておりましたが、今年も不定期ながら、細々と活動していきたいと思念しておりますので、何とぞご贔屓の程、宜しくお願い申しあげます(跪拝 さて、今回も飽くせず柳田國男シリーズをお送りする訳ですが、田舎と都市に関する記事で告知しました通り、田舎とりわけ農業に関する興味深い論

          元祖『半農半X』から中農への道...明治期の日本食料安全保障問題ー柳田國男を読む_08(「時代ト農政」「農政学」「農業政策学」「中農養成策」)ー

          ふと抱く...線香臭いお盆への違和感ー柳田國男を読む_07(「先祖の話」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集13』 ちくま文庫(1990) 序論 立秋が過ぎ、秋の気配を感じるかと思いきや、間隙なき酷暑と湿気and台風接近…気が収まる収まらないというより、先に体がくたばってしまいそうです。。。 そんな中でも、線香の香りとともにあの鬱々、寂寥といった雰囲気を持つお盆がやってきます。 ガキの頃は、あの雰囲気が苦手で、ましてや線香臭くなるなど以ての外、などと胸中に秘めていたものです。 幼い頃は先天的に気管支が弱かったという事情

          ふと抱く...線香臭いお盆への違和感ー柳田國男を読む_07(「先祖の話」)ー

          都会vs田舎...いやいや元は兄弟ではないか。ー柳田國男を読む_06(「都市と農村」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集29 』ちくま文庫(1991) 序論 今回のテーマは普段のものとは様変わりした農業問題に関するものです。とりわけ、当論文は農業問題というより、そこを起点に日本経済の構造を解剖する形式が窺えます。 柳田國男といえば、民俗学という印象ですが、彼は東京大学卒業後、農商務省に勤務し、同省農政課に一年半ほど所属していた経歴があります。なので、割と農業ないし農政に関する論文がいくつか残っているのです。 別の論文の付記では、

          都会vs田舎...いやいや元は兄弟ではないか。ー柳田國男を読む_06(「都市と農村」)ー

          日本人の信仰の根底、田の神とは?ー柳田國男を読む_05(「月曜通信」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集16』 ちくま文庫(1990) 序論 今回の論文は終戦間もない頃の時代の変化が著しいなかで、「若い人たちの郡のために、辛抱強く書きつづけ」た「宛名のない手紙」を自然消滅せぬよう、一つにまとめたものになります。つまり、日本民俗学の父である柳田國男版noteということですね() そのためか、いつもにも増して散文的ではありますが、その中である共通した興味深いテーマ、すなわち田の神について、今回取り上げたいと思います。し

          日本人の信仰の根底、田の神とは?ー柳田國男を読む_05(「月曜通信」)ー

          昔の日本人の生活リズムとは?ー柳田國男を読む_04(「年中行事覚書」「新たなる太陽」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集16 』ちくま文庫(1990) 序論  年中行事というのは、自然と我々の体内に生活リズムとして刻まれ、これを通してより強く四季折々の空気を感じ取ることができます。  まさに人々の生活に欠かすことのできない生きた史料というものを柳田氏が見逃すはずはなく、見事喰らいついています。 柳田氏曰く、日頃からジャーナリズムが騒ぎ立てるような毎年決まりきったことないしは門松の由来云々というものに注力するのではなく、まさに消え

          昔の日本人の生活リズムとは?ー柳田國男を読む_04(「年中行事覚書」「新たなる太陽」)ー

          昔も恋愛結婚だった!?ー柳田國男を読む_03(「婚姻の話」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集12』 ちくま文庫(1990) 序論 第三回目は、恋愛結婚に関連する論文を取り上げます。 当論文は戦後間も無い頃に作成された複数の論文より構成されており、婚姻体系として古い封建主義的な見合い結婚ではなく、アメリカ型の恋愛結婚を大いに学ぶべしといった気風が蔓延していた中で、柳田は我が国の古来の風習としても婚姻が恋愛結婚によって成立していたことを説きました。 また、近世に流行し出す武家制度を模倣した見合い結婚につい

          昔も恋愛結婚だった!?ー柳田國男を読む_03(「婚姻の話」)ー

          神社にある社殿、あれ何なん?ー柳田國男を読む_02(「神道と民俗学」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 『柳田國男全集13』 ちくま文庫(1990) 序論 第二回目は、神社精神文化研究所の希望に応じて作成した民俗学の大意なる論稿へ加筆修正を加えた論文を取り上げます。 とりわけ、御社(社殿)の成立と氏神の変遷に関連する内容を抄録し、手前勝手ながら、硬直した自分の脳みそへの教練作業を温かい目で見守って頂ければと思います。 再三申し上げることになりますが、あくまで至極利己的な動機で書き記していますので、これを以て当論文ないし著者の大意

          神社にある社殿、あれ何なん?ー柳田國男を読む_02(「神道と民俗学」)ー

          そもそも日本の祭りとは何ぞ?ー柳田國男を読む_01(「日本の祭」)ー

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 「柳田國男全集13 」 ちくま文庫(1990) 序論 本日は、新たなシリーズものとして、柳田國男特集を組み、境界人という名の無学の偏愛家を少しでも賢くさせてあげようという至極利己主義的な企画を実施しようかなと思っております。 今回は第一回目ということになりますが、そもそも、何故柳田國男の特集を組んだかという需要なき動機について、一言述べさせて頂けるのであれば、やや晦渋で散文的でありつつも、土俗的な匂いがする文章というかそうい

          そもそも日本の祭りとは何ぞ?ー柳田國男を読む_01(「日本の祭」)ー

          社畜精神の起源?―ウェーバー先生に聞く資本主義の精神と脱魔術化―

          (アイキャッチはウィキペディアより) 野口雅弘 「マックス・ウェーバー」中公新書(2020) 序論 本日はウェーバーに関する抄録です。マックス・ウェーバーといえば、人文学系では誰もが知る人物ですよね。本書によれば、外国からも日本におけるウェーバーの人気ぶりには驚かれるそうです。昔から熱狂的なファン()がいますし、不朽のアイドルって感じですかね…知らんけど(小声。 私も彼に関する知識は、学問における価値中立と近代資本主義をプロテスタンティズムから解析したイカツイおっさんぐ

          社畜精神の起源?―ウェーバー先生に聞く資本主義の精神と脱魔術化―

          企業戦士は軍隊的?―ゲルナー先生に聞く産業化とナショナリズム―

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 萱野稔人 「ナショナリズムは悪なのか」 NHK出版新書(2011) 序論 産業化とりわけ資本主義とナショナリズム、あまり関係性を見出されることのない二つの事物ですが、これを気鋭なる視点で突いたのが本書であります。 働き方改革等で日本人にも労働、資本主義に関して再考する機会が近年増えてきていることは周知の事実でしょう。実際、周りからそうした話も聞きますし、職場の同僚のみならず、友人や家族から皆さんも聞いたことがあるのでは?会話

          企業戦士は軍隊的?―ゲルナー先生に聞く産業化とナショナリズム―

          都市って何だ?―聖の都市と邪の都市―

          (アイキャッチはニューヨーク公共図書館より) 河原温 「中世ヨーロッパの都市世界」 山川出版社(1996) 序論 読書録の記事はこれが初となりますね。どのような話題、文献で語っていこうか、あれこれ勘案しておったのですが、如何せんいい加減な性分ですから、本棚でなんとなく目についた文献の抄録でもつけていこうかなと。世界史リブレットという紙数も少なく、初学者に優しく平易な文体が特徴の書籍だったので、丁度いいかな。 都市をどう見ていくか。自由の淵源として昔はかなり勢いのあった分

          都市って何だ?―聖の都市と邪の都市―

          ご挨拶

          はじめまして。低学歴ながら読書を趣味にしている「境界人」と申します。 普段は自分のサイトにて自由気ままに歴史系のネタを基にして記事を投稿しております。 (低学歴に相俟ってボケが進行しているのか、昨年の5月で記事が止まっておりました…) こちらのnoteアカウントについては、サイト立ち上げと同時に開設していたのですが、世でいう"マルチタスク"の素質の欠片が1mmもない私のことですので、今日まで更新ができずにおりました。 それで色々と思案した結果ですね、自身のサイトで記事に消