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好きなnoteたち

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2019年7月の記事一覧

小説「透明でまっとうな新しい日々」

小説「透明でまっとうな新しい日々」

昨年の夏に書いた掌編小説を加筆修正のうえ、再掲致します。
主人公の2人はそれぞれにハンデやコンプレックスを持っていますが、彼らなりにコミュニケーションを駆使して、優しくも満たされた生活を送ってゆく物語です。

「ちょっとの工夫で困難は回避できる」という言葉は私の小説のベースとなる考えであり、私自身が生きる上でのモットーでもあります。

もし、いまあなたの目の前に救いようのない障害があったのなら、形

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旅の栞

旅の栞

嬉しくて泣いたのはいつだろう

そもそもあったかなと

割りかし嫌われることの方が圧倒的に多かった僕の人生

「幸せ死に」というジャンルがあったら危うかったかと(笑)

そんな出来事を

先日、身に覚えのない有休があった

「何か予定入れた?いや、有休なんて申請してないな。ラッキー。」

と、見知らぬ有休がありまして何をしようかと

その有休の約1週間前

「その日暇でしょ?出掛けよう!8時に迎え

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選択の果てに。

選択の果てに。

二十代の真ん中ぐらいで、ふと「今いる自分というものは、着ている服とか、普段やってる仕事とか、周りにいる人とかそういうものを、選択した果てにいるのだなあ」と思ったことがあったんだドグ。(*´ω`*)

ああ、選択の果てにいるなあって。それとは気にせずとも、一度は自分で選んでここにいるのだなと。きっかけとか偶然は重なったにしても、続けていることというのは、選んでそうしているものだから。

知らずのうち

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母がnoteを始めた。

先日、母が東京に遊びに来た。
二年ぶりの来訪ということもあり、あちらこちらに出かけた。
美味しい食事を共にし、東京の空気を吸って、二人で自由な時間を過ごした。

積もる話を一つ一つ解消し、互いの近況や最近の出来事、また、思い出話に花を咲かせた。

会話の中で、文章を書くことについて話していた。ちょうど「#旅する日本語」のお題が公開されていて、軽いノリで母に書いてみたらどうか、と勧めた。
すると、書

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スピッツの歌詞からあれこれ想像する「花の写真」

スピッツの歌詞からあれこれ想像する「花の写真」

最近の通勤中、ずっと『とげまる』を聞いています。

ふと信号待ちに、じっと耳を澄まして聞いた「花の写真」の曲…。

なんて切ない曲なんだ…(今更)

ということで、音楽の専門知識はまっっったくない私が考えた、想像したあれこれを書き連ねます。

(曲の製作過程とか、マサムネさんのアレコレとか抜きで、あくまで「花の写真」の歌詞から想像した世界観です。考察というには拙いです。あしからず。)

✺✺✺✺✺

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短冊に願いを

短冊に願いを

小さな笹の枝と短冊を持って、君が僕の部屋にやってきた。

僕たちが一緒に過ごす、はじめての七夕の日。

7月7日。

君はピンクと青のペンを僕の机の引き出しから出しながら、僕に尋ねる。

「なに書く?」

興味深げに僕に聞く君。

「なに書こうか?」

少し考える僕。

僕をじっと見つめる君。

「世界平和かな」って僕がつぶやいてみたら、君はちょっと不満げな顔をした。

きっと君は君の短冊に、

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ファッションは生き方 / #ファッションが好き

ファッションは生き方 / #ファッションが好き

私の仕事は洋服の販売だ。このところの「断捨離、終活、モノを持たない生活のススメブーム」は、物販の仕事にはとても迷惑な話だ。それでなくても「アパレル不況」と言われて久しく、安けりゃよしとされるような流れ。一時期のブームは少し落ち着いたと思われるが、高いものが売れず、使い捨てのようなファストファッションがもてはやされ、TPOを考えずどこにでもどんなファッションで行ってもOKとされるようになったのは女性

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自分の力はそんなものではない

自分の力はそんなものではない

整体とは状態をあらわす言葉です。
つまり、その人は整体か否か。

わたしは整体である。わたしは整体ではない。
ぼくは整体を目指している。ぼくは整体になりたい。

そういった状態をあらわす言葉です。

ですので、今日整体に行く。整体を受けてきた。

という言葉は本来は間違った使い方です。

まぁそれでも町じゅうには整体屋さんがたくさんできて、たくさんの人が整体を受けに来てくださる。その理由は痛みを解

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【短編】「二人の宝は、時を超えて」   (幸野つみ企画)

【短編】「二人の宝は、時を超えて」 (幸野つみ企画)

今作は、幸野つみさんが考えたお題小説企画に参加しています。お題は「ノート」で3人の方が各々作品を作りました。

ぜひ読み比べてお楽しみください!

<prologue>木立の間を、初夏の風が吹き抜けた。
夕暮れの公園で過ごす放課後は、2人にとって特別な時間だった。

「すまん。あれ、無くした」

「え?どうして!?あれは大事なものなのに」

「あんなものが無くてもどうってことねえよ」

「そんなこ

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