kiki

書く人です。 感想などコメントしてくださると嬉しいです。お待ちしております。

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マガジン

  • エッセイ

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    手紙シリーズです 少しずつ増えていく予定です

記事一覧

散らばった私は、SABONにいた。

パワーが足りない時って誰でもあると思う。例えば車だったら、ガソリンが足りない、そんな感じ。 私は、こんな時、電車に乗れなくなる。 ある時から、私は電車に乗るのが…

kiki
2年前
14

私たちはすごい冷静。誰が悪者なのか知っている。

kiki
2年前
1

ハッピーバレンタイン

人は愛を食べる生き物だと知っているのに わたしは、生まれたときから死ぬ準備をしている。 それをたった一日の愛のために生まれて、死んでいくあいつらは知らない。 も…

kiki
2年前
3

愛されたい人は良い人だ

今日も私は良い人だった 流れるように良い人だった 仕事を終わらせて 着替えて それから恋人にあって ご飯を食べて ホテルに行って セックスをして 笑って クッタクタに…

kiki
2年前
4

神様へ

神様は私を作ったときに なぜ 膨らみと、柔らかさをくれたのでしょうか。 そこら中にいる、傷ついた(フリをしている) アダムを包みこむためでしょうか。 私は、疑問です…

kiki
3年前
11

色彩

私たちは何十年も目を使うと、蚊を飼える約束になっているけれど 蚊を飼えた喜びより、他の人から零れ落ちた色彩の跡を辿るのが好きだ。 色彩は、目の中で飼うことはできな…

kiki
3年前
3

私は炊きません

それはそれはご自由に だけどそれをするのは私じゃない 薄薄気付いていたけれど 今確信したわ貴方の本性 優しく良い人を装った コントロールモンスター 好みの米の硬さ覚え…

kiki
3年前
2

柔軟剤の詩

太陽と 浴室乾燥機の 愛おしい匂いを知らない 今どきの嘘は 隣にいる私を 殺そうとしている

kiki
3年前
3

ビュッフェ

この世界は誰かに選ばれなきゃ そのまま死んでしまうみたいだから みんな同じになる 褒め上手で いつも笑顔で 譲って 不機嫌を受け入れて 体は細目で でもふっくらさせな…

kiki
3年前
5

私の寂しい街、渋谷

私の中に街があって そこで歩いている人たちは 胸に 手に 足に 寂しい剣が刺さっている 何本も 何本も 目に見えない 剣が刺さっている 行きたいと死にたいが交差する横断歩…

kiki
3年前
13

六弦

耳を酷使する程の距離で あなたに恋をしたのは あなたの指に殺されたから 奏でた音色から零れた 甘い蜜に溺れて 不貞腐れた悲しみの中に 戻れずにいる私は 溶かされていく…

kiki
3年前
14

詩(うた)

何回目かの朝、僕は死にそうな顔をしている。 生まれてそんなに経っていないのに、 またばらばらになってしまいそうな感覚。 触れてきた黒い言葉が多いから。 黒い言葉は…

kiki
3年前
12

さぁどうする?宝物は自分だ。私たちは何を選ぶ?

宝物にしなきゃいけないのは『自分』 私たち人間に、そんな審判が下された。 こんなことは初めてだったから。 私たちは、どこにいるのかも分からない、誰かとの戦いを終わ…

kiki
3年前
14

マザーシップ

繋いだ体はいつも哀しい 支配された甘い匂いは 鳴き声が良く響く 私が用意した薄暗い白い海に 空の瓶のように漂っているみたいだ 溢れて止まらない波音を 私に何度ぶつけ…

kiki
3年前
14

嫌な女

あなたの 大きな 手のひらや つぶらな 瞳 柔らかい 甘い匂いも 全部 全部 好きでいる ふりをして ごめんなさい 嘘でしょ馬鹿げているって? 私も そう思う 嫌いじゃな…

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3年前
11

サイレント ルール

どうして 同じじゃなきゃ だめなの? どうして 胸の膨らみだけで 私の 持つ物が 決まるの? どうして 赤色なの? どうして あの子が 紺色を持っただけで 疎外されて 鼻で…

kiki
3年前
4
散らばった私は、SABONにいた。

散らばった私は、SABONにいた。

パワーが足りない時って誰でもあると思う。例えば車だったら、ガソリンが足りない、そんな感じ。

私は、こんな時、電車に乗れなくなる。

ある時から、私は電車に乗るのが極端に苦手になった。
息が詰まる。怖くて怖くて仕方がない。
今でこそ各駅停車には乗れるようになったけれど、疲れていたのは明らかだった日に、ムリして外に出なくても良かった。
自分に妙なプレッシャーをかけてしまった。

結局私は、行きたかっ

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私たちはすごい冷静。誰が悪者なのか知っている。

ハッピーバレンタイン

ハッピーバレンタイン

人は愛を食べる生き物だと知っているのに
わたしは、生まれたときから死ぬ準備をしている。

それをたった一日の愛のために生まれて、死んでいくあいつらは知らない。

もっと他人でいて良いよって言ってくれないかな。
その甘い声で、世界中に。

でも
私は、知っている。

全てが愛おしいって
あいつらは言うんだよ。

甘い声で。世界中に。

愛されたい人は良い人だ

愛されたい人は良い人だ

今日も私は良い人だった
流れるように良い人だった

仕事を終わらせて
着替えて
それから恋人にあって
ご飯を食べて
ホテルに行って
セックスをして

笑って
クッタクタになって

それでも私は良い人だった

漂うように
流れるように
本当に良い人だった

でも本当は
あなたの服から香る柔軟剤の匂いはどうかと思うし

もしかしたらあなたのために
毎朝お弁当を作るかもしれないと思ったらめんどくせぇ

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神様へ

神様へ

神様は私を作ったときに
なぜ
膨らみと、柔らかさをくれたのでしょうか。
そこら中にいる、傷ついた(フリをしている)
アダムを包みこむためでしょうか。
私は、疑問です。

いかがでしょうか。神様。
せっかく楽園を出たのですから
もう健気さを強要してくるアダムを
蹴散らしてもいいと思いませんか?
うんざりしています。
それに私は、可愛らしい花の冠より
棘のある冠の方が、心が躍ります。
とにかく私は、も

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色彩

色彩

私たちは何十年も目を使うと、蚊を飼える約束になっているけれど
蚊を飼えた喜びより、他の人から零れ落ちた色彩の跡を辿るのが好きだ。
色彩は、目の中で飼うことはできないから
辿る誰かのために零すものなのだろう。
そういうのを、空しいことだという人もいるかもしれない。
けれど、そこにはいない誰かが辿れば迷わずに済むもので。
迷わずに済むのであれば、明日も明後日も色彩を零すためにご飯を食べて
私たちは生き

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私は炊きません

私は炊きません

それはそれはご自由に
だけどそれをするのは私じゃない
薄薄気付いていたけれど
今確信したわ貴方の本性
優しく良い人を装った
コントロールモンスター
好みの米の硬さ覚えて炊けって
嫁になるならこの呪文か?
目を見開いて怖い顔で唱えられても
答えはノーです
炊きません

急に本性隠してももう遅い
それより皿に付いたご飯粒
食べるの?残すの?どうするの?
貴方の嫁になるかって?
答えはノーです
嫁ぎませ

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柔軟剤の詩

柔軟剤の詩

太陽と
浴室乾燥機の
愛おしい匂いを知らない
今どきの嘘は

隣にいる私を
殺そうとしている

ビュッフェ

ビュッフェ

この世界は誰かに選ばれなきゃ
そのまま死んでしまうみたいだから

みんな同じになる

褒め上手で
いつも笑顔で
譲って
不機嫌を受け入れて
体は細目で
でもふっくらさせなきゃいけない

誰が仕掛けたからくりなんだろう
誰に選ばれているんだろう

話しかけてきたあの子は服装も同じだったな
あの子の名前は知らないし
自分の名前も
もう思い出せない

私の寂しい街、渋谷

私の寂しい街、渋谷

私の中に街があって
そこで歩いている人たちは
胸に
手に
足に
寂しい剣が刺さっている
何本も
何本も
目に見えない
剣が刺さっている
行きたいと死にたいが交差する横断歩道

殺されてたまるかと白い息が舞う
私の寂しい街、渋谷

六弦

六弦

耳を酷使する程の距離で
あなたに恋をしたのは
あなたの指に殺されたから

奏でた音色から零れた
甘い蜜に溺れて
不貞腐れた悲しみの中に
戻れずにいる私は
溶かされていくの

返してほしい
あなたに恋をした
可愛い私じゃなくて
可愛くなかった
殺されない私を

そのきれいな指で
奏でた音色に
何度も
私を招き入れないで

詩(うた)

詩(うた)

何回目かの朝、僕は死にそうな顔をしている。
生まれてそんなに経っていないのに、
またばらばらになってしまいそうな感覚。

触れてきた黒い言葉が多いから。

黒い言葉は、踊るようにいつも廻っている。
やけどするくらいの熱が、この世界中に散っていて、生まれていく一方だ。

もうそろそろ、多分。僕は、終わる。

案外短いけど、そりゃぁ何度も触れていれば、やけどを超えて、燃える。

僕は、いつかの夜に、ば

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さぁどうする?宝物は自分だ。私たちは何を選ぶ?

さぁどうする?宝物は自分だ。私たちは何を選ぶ?

宝物にしなきゃいけないのは『自分』
私たち人間に、そんな審判が下された。

こんなことは初めてだったから。
私たちは、どこにいるのかも分からない、誰かとの戦いを終わらせて、
急いでカラフルなベールで口元を隠し、武器だったリップやチーク、
戦闘服の紺色のスーツも線上に捨てた。
他人の目の線上から、私たちは去った。

あれから、どれくらい経っただろう。
太陽の温度が上がって、セミの声が聞こえてきた。

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マザーシップ

マザーシップ

繋いだ体はいつも哀しい
支配された甘い匂いは
鳴き声が良く響く

私が用意した薄暗い白い海に
空の瓶のように漂っているみたいだ

溢れて止まらない波音を
私に何度ぶつけても
貴方は満たされることはないのだろう

貴方が本当に求めているものは
もっと広くて濁りがない海に浮かぶ

船だから

嫌な女

嫌な女

あなたの

大きな 手のひらや
つぶらな 瞳
柔らかい 甘い匂いも

全部
全部

好きでいる ふりをして ごめんなさい

嘘でしょ馬鹿げているって?
私も そう思う

嫌いじゃないの
好きでもないけれど

私の 感情は
死んでしまっているから

欲望だけで あなたを捕まえた

絡ませてくる 足も
ささやく 声色も

全部
全部

好きでいる ふりをして ごめんなさい

勘違い?
そうだったら良か

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サイレント ルール

サイレント ルール

どうして 同じじゃなきゃ だめなの?

どうして 胸の膨らみだけで
私の 持つ物が 決まるの?
どうして 赤色なの?
どうして あの子が 紺色を持っただけで
疎外されて 鼻で笑われるの?

よく見て
私をよく見て

どうしたの?
皆 どうしたの?
そんなに 同じになって 溶け合いたいの?
個体で いることが 怖いの?
離れていることが そんなに怖いの?

よく見て
私をよく見て

話を聞いて

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