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記事一覧

ハッピーバレンタイン

人は愛を食べる生き物だと知っているのに わたしは、生まれたときから死ぬ準備をしている。 …

kiki
2年前
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愛されたい人は良い人だ

今日も私は良い人だった 流れるように良い人だった 仕事を終わらせて 着替えて それから恋人…

kiki
2年前
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神様へ

神様は私を作ったときに なぜ 膨らみと、柔らかさをくれたのでしょうか。 そこら中にいる、傷…

kiki
3年前
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色彩

私たちは何十年も目を使うと、蚊を飼える約束になっているけれど 蚊を飼えた喜びより、他の人…

kiki
3年前
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私は炊きません

それはそれはご自由に だけどそれをするのは私じゃない 薄薄気付いていたけれど 今確信したわ…

kiki
3年前
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柔軟剤の詩

太陽と 浴室乾燥機の 愛おしい匂いを知らない 今どきの嘘は 隣にいる私を 殺そうとしている

kiki
3年前
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ビュッフェ

この世界は誰かに選ばれなきゃ そのまま死んでしまうみたいだから みんな同じになる 褒め上手で いつも笑顔で 譲って 不機嫌を受け入れて 体は細目で でもふっくらさせなきゃいけない 誰が仕掛けたからくりなんだろう 誰に選ばれているんだろう 話しかけてきたあの子は服装も同じだったな あの子の名前は知らないし 自分の名前も もう思い出せない

私の寂しい街、渋谷

私の中に街があって そこで歩いている人たちは 胸に 手に 足に 寂しい剣が刺さっている 何本も…

kiki
3年前
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六弦

耳を酷使する程の距離で あなたに恋をしたのは あなたの指に殺されたから 奏でた音色から零れ…

kiki
3年前
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詩(うた)

何回目かの朝、僕は死にそうな顔をしている。 生まれてそんなに経っていないのに、 またばらば…

kiki
3年前
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さぁどうする?宝物は自分だ。私たちは何を選ぶ?

宝物にしなきゃいけないのは『自分』 私たち人間に、そんな審判が下された。 こんなことは初…

kiki
3年前
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マザーシップ

繋いだ体はいつも哀しい 支配された甘い匂いは 鳴き声が良く響く 私が用意した薄暗い白い海に…

kiki
3年前
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嫌な女

あなたの 大きな 手のひらや つぶらな 瞳 柔らかい 甘い匂いも 全部 全部 好きでいる ふり…

kiki
3年前
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Story of me and father

お父様 この世界では それを 愛と呼ぶの? 隣の人は 愛と喜びの種を 分け与えても 腐らせるのに まだ足りないと言った 隣の人は 足りないからと 私の髪を 毟り取ろうとした 隣の人は 足りないからと 私の耳を 引きちぎろうとした 隣の人は その光景を 羨ましそうに見ていた 非道であろうと 何かを 手に入れたら 飢えた心は 満たされると 信じている お父様 教えて お父様なら どうするの? それは 愛だからと 髪も 目も 耳も 差し伸べた手も 分け与えるの? ね