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公認会計士・監査法人

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元大手監査勤務の公認会計士による記事をまとめています。
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#監査法人

【公認会計士】CPE不正の懲戒処分 監査法人A&Aパートナーズ

【公認会計士】CPE不正の懲戒処分 監査法人A&Aパートナーズ

会計士協会、A&Aパートナーズ処分 研修の不適切受講で

同法人のプレスリリース

なお、今回の処分は日本公認会計士協会の会員としての権利の制限であり、いかなる業務も制限するものではありません。
処分内容
(会則第67条第2項第2号)
会則によって会員及び準会員に与えられた権利の停止 1か月
会員権停止により停止される権利
(会則第67条第3項)
(1) 総会に出席して表決する権利
(2) 役員の

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監査法人時代の思い出 〜クライアントとの会食〜

監査法人時代の思い出 〜クライアントとの会食〜

本稿を書こうと思ったきっかけは、私のよく知っている方が某地銀の社長なのですが、その地銀の取締役人事を巡って話題沸騰中だから。ビジネス関係のニュースを見ていれば、まあ分かりますよね。

本稿は別に何か暴露するものでもないし、役に立つ情報もないと思います。こんなことがあったよ、という程度のたわいもない思い出話です。

さて件の社長ですが、私が主査をしていたクライアントでも当時社長を務めていました。で、

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【公認会計士】CPE不正 今度は早送り受講が発覚

【公認会計士】CPE不正 今度は早送り受講が発覚

3月9日付けで日本公認会計士協会の会長名で声明が発出されました。

当協会は、当協会及び他の法人の e ラーニングシステムにおいて同様の不適切な受講がないかどうかについても調査を実施してきましたが、その過程において、二重受講とは別の方法による不適切な受講(e ラーニング研修の早送り受講)が行われていたことが判明しました。 当協会は、この早送り受講についても、CPE単位の取消し及びCPE制度における

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【公認会計士】IPOセミナー参加レポート 〜野村證券・スシロー〜

【公認会計士】IPOセミナー参加レポート 〜野村證券・スシロー〜

2/19に開催された「IPO関連業務で活躍する公認会計士に対する役割・期待」という日本公認会計士協会東京会主催のセミナーに参加しました。

本稿はそのレポートです。

主な内容
・最近のIPO を取り巻く環境について
・IPO 関連業務における公認会計士の活躍可能性について
・IPO 関連業務における公認会計士が留意すべき点について
・東証一部市場への大型IPO プロジェクトをCFO として

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公認会計士のCPE(継続的専門研修)問題

以前にあずさ監査法人が組織的に不正を行っていたことを記事にしました。

処分については、今月中にも確定するそうです。注目度が高いのか、これとは別件の一般的な義務不履行者の公表ではこんな文言が付け加えられています。

※本事案は、2020年9月に発表したCPE不適切受講者に対するものではありません。

さて、今回記事にしたのは、今週号の『経営財務』にまたもやコラム(時事談論vol.91「CPEは誰の

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IPOスキルアップ講座(第2回)を受講しました 日本公認会計士協会東京会

IPOスキルアップ講座(第2回)を受講しました 日本公認会計士協会東京会

この記事は、公認会計士向けです。

シリーズものの第2回ですが、今回初めて受講してみました。

テーマは内部管理ということですが、教科書的な内容はあまりなく、実務家を招いて経験談をお披露目いただくものでした。

自分もIPOのエコシステムにどっぷり浸かっている側の人間なので、この点は良かったです。

パネリストは、2019年12月にマザーズ上場を果たした(株)ランディックスで管理部長を務められた中

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2020年IPO社数と監査法人ランキング ~経営財務より~

2020年IPO社数と監査法人ランキング ~経営財務より~

2021年1月18日号の『経営財務』に2020年(暦年ベース)のIPOの状況が掲載されていました。本稿は、当該記事に関する雑感です。

IPO社数同誌による集計では、2020年のIPOを102社(前年比+8社)。そして、100社を超えるのはリーマンショック前の2007年(121社)以来13年ぶりとのことです。

ただ、この数には上場が比較的緩いTOKYO PRO Market(2012年取引開始)

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会計監査と税務調査の違い

会計監査と税務調査の違い

両方経験した筆者が思いつくままに書きましたので、ご興味があればお読みください。

目的会計監査は、財務諸表(決算書)に全体として重要な虚偽の表示がないことを証明する手続です。”重要な”の程度は、投資家の投資意思決定に影響があるかないかで決まります。そして、財務諸表の適正性を会社から独立した立場の監査人が保証します。保証という言葉がとても大事です。重要な虚偽表示を看過した場合(粉飾決算の見逃し)、監

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【会計ニュース】監査報告書記載誤り大量発生について

【会計ニュース】監査報告書記載誤り大量発生について

12/22に日本公認会計士協会より本件の調査結果が会員向けに発表されています。本稿では、その概要と感想をお伝えします。

訂正に至る経緯2020年3月期においては、監査報告書の様式が改訂され、また、「監査上の主要な検討事項(KAM)」の早期適用が行われたことから、監査報告書の記載誤りが大量に発生してしまった。

協会の調査によれば、2020年7月31日までに2020年3月期有価証券報告書の訂正報告

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監査法人雑学 〜こんな監査手続いる?〜

監査法人雑学 〜こんな監査手続いる?〜

USCPAの勉強をしていてふと思い出したので、監査法人時代の無駄っぽい監査手続をご紹介します。

はじめに筆者は、大手監査法人で、上場会社を含む5社くらいの主査(インチャージ)を何年かやっていました。主査は、担当会社の監査手続全般について計画・実施する現場責任者です。ということで、以下で述べる話は、それほど違和感なく読んでもらえるかと思います。

支払利息のオーバーオールテストこの記事を書こうと思

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監査法人雑学 〜評価〜

筆者のキャリアの中で最も長く過ごしたのが監査法人ですが、あまり記事にしてこなかったので、かるーい感じで記事にしたいと思います。

年収についてはこちらで記事にしています。

前向きで教科書的な説明はゴルファー会計士さんの記事が大変参考になります。

今回は、ネガティブな内容が多いですが、筆者の場合、キラキラしたことばかり書いてしまうのは嘘に近いと思うのでご容赦ください。

選別が異常に早い採用から

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財務諸表の指摘 会計検査院検査と公認会計士監査の関係

財務諸表の指摘 会計検査院検査と公認会計士監査の関係

前回の記事では、独立行政法人の財務諸表に対する指摘をご紹介しました。

今回は、会計検査院の指摘と公認会計士(監査法人)監査の関係をご説明します。

前回の記事

独立行政法人の財務諸表監査

独立行政法人通則法第39条により、独立行政法人の財務諸表は、会計監査人の監査を受けなければならないとされています。そして、同法第41条によれば、会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならないとされて

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監査法人の年収とセカンドキャリア

監査法人の年収とセカンドキャリア

監査法人の年収筆者は約8年大手監査法人に勤務しておりました。なので年収の実態についてはある程度把握しております。転職サイトによくまとめられているので適宜引用してご説明します。

監査法人の年収は? BIG4と中小の監査法人、役職や年齢などで比較(MS-Jspan)

https://www.jmsc.co.jp/knowhow/topics/11594.html

概ねこちらに記載のとおりで、大手

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