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2020年IPO社数と監査法人ランキング ~経営財務より~

2021年1月18日号の『経営財務』に2020年(暦年ベース)のIPOの状況が掲載されていました。本稿は、当該記事に関する雑感です。

IPO社数

同誌による集計では、2020年のIPOを102社(前年比+8社)。そして、100社を超えるのはリーマンショック前の2007年(121社)以来13年ぶりとのことです。

ただ、この数には上場が比較的緩いTOKYO PRO Market(2012年取引開始)の10社が含まれており、この影響もありそうですね。一部では、これを含めない数値を公表している媒体(下記参照)もあります。

とはいえ、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、3月以降に上場申請を取り下げる会社が続出したことを踏まえると、IPO熱は冷めないどころか、今後も盛り上がっていきそうな感じです。

現時点で都市部で緊急事態宣言が発出されていますが、経済活動については前回ほど停滞していません。上場申請取下げ理由の大半が業績への影響が読めないということでしたので、感染者数が増えているからといって、単純に厳しいということにはなっていないですね。

監査法人ランキング

同誌の集計によると、以下のとおりです。

1位 EY新日本 28社
2位 あずさ  24社
3位 トーマツ 11社
3位 太陽   11社

いわゆる大手4法人(新日本、あずさ、トーマツ、あらた)では計66社(占有率64.7%)という記述もありますが、ここから逆算すると(66社ー28社ー24社ー11社)、PwCあらたはたったの3社ということになります。他の3法人に比べると規模が小さいということもありますが、5番手の太陽に大差で負けているので、あらたはIPOにはあまり強くないということが言えると思います。あらたは、トヨタ系列を抑えているので、監査法人の規模としては大きく見えるということなんでしょうね。IPOの仕事をしたいなら、オススメできない法人です。あらたを除く大手3法人であれば、IPOの仕事をできる可能性が高いと思います。

太陽については、今後も堅調に推移するか分かりませんが、給与水準が低いのがネックかと思います。タイトルもスタッフ→シニア→スーパーバイザー→マネージャーと刻みが多いです。スーパーバイザーでも残業代込みで年収800万円程度かと推測します。マネージャーになっても1000万円を超えるかは人によりけりでしょうね。

ただ、太陽の良いところは、大手と違って幅広く仕事ができることです。例えば、監査をやりながら税務(申告書作成)の仕事もできるので、将来的に独立開業を見据えた修業期間として捉えるなら悪くない選択肢だと思います。

以上、監査法人選びの参考になれば幸いです。


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