監査法人雑学 〜評価〜

筆者のキャリアの中で最も長く過ごしたのが監査法人ですが、あまり記事にしてこなかったので、かるーい感じで記事にしたいと思います。

年収についてはこちらで記事にしています。

前向きで教科書的な説明はゴルファー会計士さんの記事が大変参考になります。

今回は、ネガティブな内容が多いですが、筆者の場合、キラキラしたことばかり書いてしまうのは嘘に近いと思うのでご容赦ください。

選別が異常に早い

採用から概ね4年ごとに職位(タイトル)が上がる昇格の機会が訪れます。

タイトルはこんな感じです。

スタッフ(アソシエイト)→シニア→マネージャー→シニアマネージャー→パートナー→シニアパートナー

※マネージャーの手前のタイトルとして、あずさではアシスタントマネージャー、太陽ではスーパーバイザーというのがあります。

このため、新人時代は、使えるやつかどうかという値踏み感を強く受けます。基本的に配属された部門が変わることはあまりないので、新人時代の印象がずっとつきまといますできるやつ感を演出すると良いのではないでしょうか。ここでドジっ子だと思われると、シニア昇格すら危うくなってくるので要注意です。筆者の下で働いていた人の中には、シニア昇格が何年も遅れている人もいました。

マネージャー昇格が最初の難関

法人やタイミングにもよりますが、肌感覚としては、ストレート昇格できるのは2割程度と思います。TOEICのスコア(650〜730)を求められる法人が多いため、入所前やスタッフ時代からコツコツ勉強しておくのが良いと思います。

人事評価

基本的に監査法人では、色んなチームで働くため、一本のラインで上司・部下の関係にはなっていません。シニアまでは、色んなマネージャーやパートナーの下で働くこととなり、人事評価もそれぞれの上司から受けることになります。

この評価で一定基準以上にある人の中から、有力パートナーの後押しがある人が昇格していくイメージです。弱小チームに配属されてしまうと昇格自体が無理ゲーに近いこともあり、配属ガチャで失敗した場合、早めに行動するのも一つの手かもしれません。他法人に移るという意味のリセマラもありか思います(笑) 大手監査法人同士なら、年次はそのまま引き継がれることが多いです(新日本シニア2年→あらたシニアミドルなど)。 筆者の周りではパワハラを苦に移籍する人もいました。

また、以上のように、通常の事業会社より上司との関係は薄くなります。これは、要所要所でできるやつ感を演出しないといけないことを意味します。この現場では失敗しちゃったけど、どこかで挽回すればいいやというのが通用しません。

悪い印象を与えてしまったそのパートナーとお仕事をする機会はあまりないかもしれないからです。そのパートナーが影響力のある人なら、もうその法人での昇格は見込めません。まさに詰みの状態です。

筆者と一緒に仕事をしていた人の中には、すごく人当たりがよくて頼れる方がいました。後に誰もが知っている上場会社の取締役にもなっているのですが、一度付いたミソを消すことができず、マネージャーに昇格できませんでした。

極めて減点主義の組織であると言えます。

これは、仕事の性質によるところが大です。監査のゴールはほぼ適正意見しかないので、どれだけ頑張っても成果が見えにくいです。

では、どういうところで評価されるか。ちょっとした会計上・内部統制上の不備を見つけたら、落とし所を見据えて、パートナーを巻き込んで行くんです。これを積み重ねることで、パートナーはできるやつだと思ってくれます。

おわりに

公認会計士を目指している方もいると思いますが、上記の点を意識してキャリア形成を考えていくと良いのではないでしょうか。

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