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写真・短編小説・詩

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#空

短編小説 南の空

短編小説 南の空

出陣前夜、ふたり寝ずに過ごしましたね。あんなに沢山話したいことがあったのに、黙り込んでしまう私。そんな私を見て、あなたは笑顔で明るく振る舞ってくれましたね。電球が照らす小さな明かりの下、夜明けが来ないことを何度心の中で祈ったことでしょう。神様仏様がいるならばいつまでもこのままで、そう強く強く願いましたよ。

時は残酷なものです。願い叶わず、夜明けはいつも通りに訪れました。
夜明けを眺めながらあなた

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心の羽

心の羽

飛び立つ鳥さん嬉しそう
空を飛ぶのは楽しかろ
山の向こうは楽しかろ
海の向こうは楽しかろ
気づけば小さく消えてゆく
オレンジ色の陽の中へ
今度帰って来たならば
楽しい話をたんまりと
飛べないあたしに聞かせてよ
あたしに羽はないけれど
心に羽はついている
話の中では存分に
飛び回ることが出来るから

優しいお空

優しいお空

お空を見て泣いてたら

お空は心配してくれて

あんな色 こんな色と

優しい色に染め上げて

そっとなぐさめてくれる

優しいお空

綺麗なお空

心配させちゃいけないね

泣きべそ顔で笑ったら

ほっと

そよ風が頬をなでてくれたよ

名残の桜

名残の桜

知っていてほしい

季節のせいじゃない
私のせいだった

あの青い空も
咲き誇る桜も
吹き抜ける春風もみんな

とっくに知っていた

この胸のざわめきが
治まることはないけど
この宿る後悔が
消えることはないけど

この想い伝えたくて今
私はここにいます

伝えなければ終われない
終わらせてはいけない
いつまでも
あの日から逃げていちゃだめだ
そう気付いたのです

あの日の私に代わって
今更ながら

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それぞれに事情

それぞれに事情

花散らす雨
放っておけば間も無く散るものを
なぜそんなに急かす

いや

雨も降りたくて降っているとは…
雨降らす雲
なぜ…

いや

雲も降らせたくて降らせているとは…
雲をつくる空

いや その空だって…

誰のせいでもない
何のせいでもない

せいにしてるのは
この私

花散らす雨も
雨降らす雲も
雲つくる空も
それぞれに事情

散らしてほしくない
それは 私の事情

誰のせいにもせず
何の

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涙雨

涙雨

お山の煙突もくもくと
母さんお空へゆきました
お空はどんなとこですか
ひとり寂しくないですか
きっと母さん悲しかろ
こんなあたしら置いてって
悲しくなったら思いきり
ぼろぼろぼろぼろ泣けばいい
雨降りゃ母さん泣いてると
あたしそう思うから
普段は泣かずに我慢する
けれど母さん泣くんなら
あたしもぼろぼろぼろぼろと
一緒に泣こうと思うんよ

流れ星

流れ星

時代の空の星は
止まることをしらない
止まって見える星もまた
遠く見えないだけで
止まってはいない
暗くなれば輝きだす星も
明るくなればまた見えなくなってしまう
時代の星はいつだって
流れ星
気付けばそう 消えてしまうもの

春導く風となれ

春導く風となれ

暖かな日差しになれば
どんなに積もった雪も
ゆっくり溶かすことができる

温かな気持ちになれば
どんなに閉ざした心も
ゆっくり開くことができる

暖かな日差しは空が
温かな気持ちは心が
よく晴れているから

空よ 私の心よ
ゆっくりゆっくり晴れてゆけ
そして
春を導く風となれ

坂道

坂道

坂を上って振り返ったら
いつもの街が小さく見えた
雑音しか聞こえない街
苦悩しか感じられない街

坂を上って見上げたら
いつもの空が大きく見えた
自然の音しか聞こえない空
自由しか感じられない空

坂は 自分の位置を知るため
心のありかを知るためにある

そう思えるなら
坂道も悪くない

ふと

ふと

力を抜くことがわからない
力が抜けているかわからない
何も考えないことがわからない
何も考えていないかわからない

力を抜いて何も考えない
そんな1日があってもいい
いや あった方がいいのだろう

そんなことも出来ない
そんな1日も過ごせない

そんな私は
やはり生き急いでいるのかもしれない

そう思って空見上げたら
青く青く 澄み渡ってた

もう少しゆっくり生きよう

そしたら ふと

優しさを忘れない

優しさを忘れない

海から吹く風が懐かしいのは
あの人のことを想うから

空から降り注ぐ光が寂しいのは
あの人のことを想うから

懐かしさも寂しさもきっと
あの人の優しさ

吹く風よ
ねえ 注ぐ光よ

私は忘れない
あなたのその優しさを

晴れない空はない

晴れない空はない

水面に映る空の青さに驚いて
思わず空を見た
下ばかり見てきた人生
空はいつも曇りか雨
そう思い込んでた
でも 見上げた空はとても青かった

晴れない空はない

せめて顔を上げて
歩いていこう

居場所

居場所

山間谷底川の底
誰も気付かぬこの場所で
ひっそりと沈んでは
来ぬ時を待つ
たまに差し込む陽光と
流れ来る落葉だけが友
寂しさなんて遠の昔に忘れた
誰に気付かれることなく
このまま朽ち果ててゆく

はずだった

雨で生じた激流が居場所を変えた
容赦ない激流は大河そして海原へ

青い空に白い雲
色付く山々に広い海
眩しい陽光を浴びては
空高く舞い上がる鳥たち

こんな世界が…

気付いたの
居場所はひ

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この空に

この空に

この空に何度お願いしただろう

あの日からずっと

会えること信じて

月日が私の姿を変えてく

わかるだろうか 私だと

気持ちはあの日のまま

叶うならもう一度

もう一度だけ

この空に願う

私はここにいる

ここにいるよ