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からっぽのマーガリン。
誰かが亡くなったあとの時間というのは、どんなに大切だった人でも、次第に曖昧になっていくような気がする。
母方の祖母が亡くなってから、もう何年過ぎただろうか。
お盆に入ろうかという頃、眠るように逝ってしまった。
まだ私がこの街にひとりで暮らしはじめた頃、祖母の様子を見に立ち寄ることがよくあった。
その頃の祖母はまだ自分で台所に立っていて、夏はトウガラシやナスを炊いたり、冬は鰤大根なんかをつくって、
流転するパズルピース
八重洲ブックセンターが閉店した、というニュースを観た。
子どもの頃は長期休みになると祖母の家に行くのが恒例だった。
常磐線を上野で乗り換え、東京駅で新幹線。
ちいさな旅はどれだけ車窓を見慣れても飽きることはなかった。
楽しかった休みが終わり、東京から自宅へ帰るときは決まって高速バスで。
八重洲南口からバスに乗り、窓からぼんやりと眺めた景色にはいつも「八重洲ブックセンター」という文字が浮かんでい