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creative notes #1

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#コラム

人生は「無駄なこと」でできている

人生は「無駄なこと」でできている

窓を全開にして夜風に吹かれながら、ふうっ、と天井を見上げる。
特に何をするでもなく、初夏の空気を感じながら「こんなときでも季節は進むのだなあ」と考えたりしていた。

スーパーに行った帰り道、人が少ない場所を選びながら散歩をする。
あっというまに桜の季節は終わり、新緑のまぶしさが目に飛び込んでくるようになった。

1日のほとんどの時間を家の中で過ごすようになって早1ヶ月。
少し前の自分ならば無駄だと

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わかった気になって「バカ」を断罪する病

わかった気になって「バカ」を断罪する病

何かを「わかる」ためには最初は二項対立で分けるのがよいが、そこで止まってしまうくらいなら何もわけず、何もわからないほうがマシだ。中途半端にわかっている人が一番危険である。

正義と悪で分けることの危険性
世の中の人をすべて「正義と悪」で分け、あいつの言っていることはいつも正しい、あいつの言っていることはいつも間違っている、みたいに考える癖がついてしまうと、そこからなかなか抜け出せなっていく。「わか

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うまれますか

うまれますか

「駆け込み乗車は、おやめくださ~い!!!」

車掌さん、半ばキレ気味にアナウンス。

たまたま現場に遭遇すると、駆け込んだ人の「そのあとの行動」を観察してしまいます。

およそ、駆け込んだ勢いのまま、なるべく現場から遠いところへ移動していく傾向にありますね。

※駅の階段付近の出入口あたりに乗っていると遭遇率が高いです

よく、放火犯は現場に戻ってくるというけど、駆け込み犯は、決して戻って来ません

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言葉と学ぶ

言葉と学ぶ

言葉遣いがオラオラだと、行動もオラオラになる。もしそうだとすれば、言葉遣いは重要だ。

「自分をアップデートしていく」という言葉をたまに見かける。
本当にOSをアップデートするのとは違って、学習の比喩である。
アップデートはOS10とかOS11.2とか、OSの数字が上がっていくだけで、入れ物がスマートフォンなら、いくらOSをアップデートしても入れ物はスマートフォンのままだ。「自分をアップデート」と

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同じものを作りたければ同じように作るな

カフェというのはコーヒーやケーキや食事などを「同じ状態」で毎日作る必要があります。同じ形、同じ味、同じ固さ、にする必要がある。

コーヒーは「抽出」という甘味や酸味、苦味、雑味、油脂などの5種類の成分を選択的に分離する作業がメインになるんだけど、豆から取り出す成分の割合が毎回変わると「なんだか安定しない味」だったり「日によって味がブレる」ということになります。この悩みはコーヒーのセミナーをやると皆

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『タイムリッチ』に生きること

『タイムリッチ』に生きること

抜けるように青い秋晴れの空を見て、『今日はイヤホンを外して歩こう』と思った。
目も耳も、体のすべてで秋を感じたいと思ったのだ。

普段は自らに課したノルマに追われるように英語のリスニング教材を聞き、電車待ちで時間が開いたら英文を読んだりSNSをチェックしたりと忙しなく過ぎていく時間。
その一瞬をイヤホンもスマホもなしで歩くだけで、こんなにも世界の色は違って見えるのか、と驚いた。

インプットでもな

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音は口程にものをいう

音は口程にものをいう

昔はあまり意識しなかったけど、お店で発せられる音のひとつひとつに意味がある。
カトラリーの擦れる音、カップを置く音、鞄を開ける音、置く音。
お客さんはもちろん、お店側もそうなんだけど「出た音」のひとつひとつには意味がないといけない。
ドアが強く閉められた音、洗い物をシンクに「ガシャン!」と置く音。
それらは意味があるのか、というとそんなことはない。ドアは弱く閉めればいいし食器は優しく置けばいい。

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イラストレーターとミルクティー

イラストレーターとミルクティー

消費される人々
「イラストレーターが消費されている」という話を聞いた。
何かのきっかけで注目を集めたイラストレーターに仕事が一気に集中する。
そしてバッタの大群が過ぎ去るように、一定期間たつと、みんな飽きちゃってそのイラストレーターから離れていく。そういう現象。おいおい。

人は珍しいものに目を向ける傾向があるから、「商品」を目立たせるためには「いつもと違う見た目のもの」を出す必要がある。「いつも

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バカ殿は、バカなのに殿である

バカ殿は、バカなのに殿である

偉そうに振る舞う権利?偉ぶるにはそのための裏付けが必要だ。同じ会社の同僚や、同じクラスのあいつが、なぜか偉そうに振舞っているとき、その人は自分の頭の良さや見た目の良さ、スポーツが得意であることを理由にして偉ぶれている。

もし、偉ぶられていた人たちが反旗を翻せば、その「偉ぶり/偉ぶられ」の関係性は変化するかもしれない。偉ぶりの裏付けの質によって、反旗を翻す困難度は変わる。

バカ殿はバカなのに殿で

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夏休み明けに学校に行けなかった人へ

夏休み明けに学校に行けなかった人へ

学校に行くのが一番辛いのは夏休み明けだ
夏休みに入る前はどうにかこうにか学校にいけていたのに、リフレッシュしたはずの夏休み明けほど学校に行くのが辛い
高く上るほど落ちるのが怖いのだ
九月一日、楽しみで仕方ない気持ちで学校に行った子も夏休みが終わるのは寂しいけれど学校に行ってみたら楽しかった子も歯を食いしばるように頑張って学校に行った子も学校にいけなかった子もいるだろう
私は昔不登校だった
夏休み朝

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ネーミングは超重要。ネーミングはその人のセンスが一番でるところ。

ネーミングは超重要。ネーミングはその人のセンスが一番でるところ。

マーケティングやブランディングのワークショップをする際や、企業や地域のプロジェクトをご一緒させていただく際に、私はとりわけ「ネーミングの重要性」を強調する節があります。

それはなぜなら付けた名前がそのプロダクトやブランドの「未来を決めてしまう」と思っているからです。

2年ほど前のワイドショーで、クリエイターで漫画家のみうらじゅんさんが「覚せい剤」の呼び名について持論を展開する場面がありました。

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結果が出たら声を大にしていい

結果が出たら声を大にしていい

今、動いているお仕事があって、その結末は多分僕がいつも言っているようなことになると思う。
「自分が本当に必要なものが与えられるようになっている」とか「安いものは選ばれない」だったり、そういう類のことです。

その内容ってもちろん何か人類史に残る発見ではないから大したことではないから隠すようなことでもないんだけど(まだ途中だし、お相手もいることなので)、「結果を出してから」の方が説得力って遙かに増す

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他人の間違いをほおっておく勇気

他人の間違いをほおっておく勇気

突然ですが、あなたは他人の間違いを指摘しますか?

間違いを指摘する人、しない人エスカレーターで片側を開けてない人、信号無視している人に注意したくなること、あるかもしれません。インターネットなどで、「私はそうは思わないな」とか「明らかに間違っている」意見を見るケース、よくあるでしょう。

もちろん、誰かが危害を加えていたら、注意した方がいいかもしれません。が、実害が発生していない状況では、どうでし

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ほめますか

ほめますか

貧乏ゆすりが止まらない…

仕事中、話をしている相手の足が小刻みに揺れている。癖なのか、もしくはイラついているのか…

ごく普通のトーン。穏やかな会話。気心知れているし、なぜだ?指摘すれば空気に影響するだろう。指摘するだけでは、何も解決しない可能性がある。

マインドフルネスの考え方なら、自分と切り離して考えればいい。

たとえば、外で雨が降り出したら「あぁ、雨か」と、他人事と思うかのように、「な

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