同じものを作りたければ同じように作るな

カフェというのはコーヒーやケーキや食事などを「同じ状態」で毎日作る必要があります。同じ形、同じ味、同じ固さ、にする必要がある。

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コーヒーは「抽出」という甘味や酸味、苦味、雑味、油脂などの5種類の成分を選択的に分離する作業がメインになるんだけど、豆から取り出す成分の割合が毎回変わると「なんだか安定しない味」だったり「日によって味がブレる」ということになります。この悩みはコーヒーのセミナーをやると皆さん共通で悩んでいることでもあり、ところが毎回グラムや出来上がりの量が違う人はもちろん、毎回キチッと同じ量、割合でやっている人にも起こりうる。

実は、同じようにするためには同じようにやっていてはいけない。同じように作りたいのであれば違う作業が求められたりする。
本質に同様のものを求めるためには切り口やアプローチを変化させていく必要がある、ということです。
林檎を美味しく頂くためには同じ部分の皮だけ剥いていけば芯までたどり着くけど、他の部分を食べることはできない。渦巻く形を作りながら皮を剥いていく。そこには螺旋の動きが加わる。同じような動きだけど実は違うもので、本質を捉えるためにはそうゆうアプローチが必要なのです。
僕はリンゴは皮ごと食べるのが好きだけど。

先日も和菓子屋(団子屋)さんの店主と話していたら
「気温によって水分量が変わるので、同じようには作ら(れ)ない」
と話していた。

自然界に全く同じもの、というのは存在していない。
同じものを同じようにマニュアル通りに作っていればよい、というのは甘えだよな、と感じる。

同じように作りたければ同じように作るな、ということ。

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