野本響子@文筆家&編集者・在マレーシア

社会からはみ出した人に、東南アジア発の生き方・教育・ビジネス情報をマガジンでほぼ毎日発信中。最新刊は「東南アジア式『まぁいっか』で楽に生きる本」(文藝春秋)「子どもが教育を選ぶ時代へ」(集英社)。「日本人は『やめる練習』がたりてない」(集英社)

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私たちは、少しだけはみ出している

このnote, 最近は「少しだけマジョリティからはみ出した人の逃げ場」なのかなって思うようになりました。 今日は2021年の所信表明です。 育児雑誌が苦手でした子どもがまだいなかった頃、「子ども産むのってどんな感じだろう」と思って、育児雑誌を手に取ったんです。 
カラフルなキャラクターがたくさんいて、 ハートや星マークがついてて、 「じぃじやばぁば」みたいな赤ちゃん言葉が出てきます。 でですね。 私は「こんな世界に行くくらいなら子供産むの嫌だな」「ここに閉じ込められた

    • 他者に「こうするべきだ」と求めるのは、相手に近づきすぎてるからかもね

      人間関係にしても何にしても、適度な距離というものがあります。 あまりに距離が近いと、相手をガン見してしまい、「あの人はああするべきだ」「この会社はこうするべき」みたいなことをつい言ってしまう。 相手の全てが見えてるわけじゃないのにね。 本日は、私も気づいたら、自分にコントロールできない他者について、「ああするべき」「こうしたらいい」とかいらんアドバイスしてる側に回ってたんで、ゾッとした、というお話です。 今日は読者限定です。 近づきすぎて、自分を客観的に見られなくな

      • なぜ若者の海外移住は「静かなる流出」になってしまうのだろうか

        先日、東京・豊洲で行われた「マレーシアフェア」にいったら、今やマレーシアの学校で学ぶ学生の数が1800人になったと、ステージで言っていて、驚きました。 私が取材していた2015年くらいには、まだまだそこまでの数ではなかったのですが、いつの間にか、大きな流れになっているようです。 流れが「静かすぎて、よくわからない」のです。 静かに進む海外移住同じことは、海外移住にも言えるかなぁ、と思っていて。 当事者も周りも大きな声で言わないので、気づかないうちに進んでいる。 「ルポ 

        • 日本の「見えない閉塞感」が本当に凄まじいと思った件

          こんにちは。 日本に住み始めてびっくらこいていることに、「体感治安が思ったよりもよろしくない」というのがあります。 先日も書いたけれども、連続強盗がここ数ヶ月の間に関東で20件も起きていて、若い人が40人も逮捕されたとか。発展途上国じゃないのに、なんでこうなるのか?? 普通の人がなぜか犯罪や買春をする国別にこれ、外国人が増えて犯罪が増えた、みたいな単純な話でもないようです。 強盗に入った人はさまざまで、大学生だったり会社員だったり自衛官だったり、ごく普通の人たちです。

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          「時代遅れで硬直的な教育カリキュラム」がなぜ変わらないのか、世界規模でAIと一緒に整理してみる(長文です)

          テクノロジーの急速な進歩、グローバル化、市場の変化により、労働市場も、かつてないほどの速さで進化している時代です。 しかし、本稿で何度か指摘しているように、日本を含めた世界の教育システムはこのスピードに追随できていません。 教育よりも社会が変わるスピードが早すぎるのが原因だと思います。 時代遅れで硬直的なカリキュラムがもたらす結果そもそも、どんな教育が「時代遅れで硬直的」なのか、ChatGPTに聞いてみますと、こんな答えが返ってきました。 「過剰なルール」や「規制」「暗

          「時代遅れで硬直的な教育カリキュラム」がなぜ変わらないのか、世界規模でAIと一緒に整理してみる(長文です)

          学校やルールが増えるのは先生に自信がないから? について考えてみた

          本にも書きましたが、子どもを学校に入れて驚いたのは、規則が劇的に増えていることです。 私は2つの公立小学校に通いましたが、1970年ごろの都内では、下敷きの色も、鉛筆の数も、キャラクターものも、特に制限されていませんでした。ですから、下敷きの色や、鉛筆の数、休み時間の過ごし方などに細かいルールがあることに驚いたのです。 先日、現役教員の「のざたん先生」と対談したのですが、「学校の規則は明らかに増えています」と言います。 細かすぎる髪型のルール(ポニーテール禁止、など)や

          学校やルールが増えるのは先生に自信がないから? について考えてみた

          幸福度とリッチであることの関係性について

          こんにちは。 大学院で見た国連の動画に、一人当たりのGDPと幸福度があんまり関係ないよーというお話が出てきました。 幸福度調査は調査方法によって大きく異なりますが、この動画をもとにお話ししてみます。 GDPが高いのはカタール・ルクセンブルク・シンガポールこの動画によると、GDPが高い国は、カタール、ルクセンブルク、シンガポール、クウェイト、UAE、ノルウェイ、アイルランド、スイス、アメリカ、サウジアラビア、オランダ、でした。 一方で、幸福度が高い国を見ると、フィンラン

          幸福度とリッチであることの関係性について

          大学院で学習のモチベーションをどう保つか(私の場合)

          アメリカの大学の勉強はなかなか過酷です。 先日、私が学んでいるUniversity of the peopleの卒業率が27%という数字を紹介しました。 同時に、これは「毎回来る課題をこなす」力があれば可能かも、とも書きました。 米国の大学では毎週、大量の課題を読んで、次々にくる課題をこなさないとなりません。オンライン大学の場合、特に仲間が見えないし、誰もお尻を叩いてくれるわけでもなく、なかなか苦しいのですが……。 そんな中で、勉強のモチベーションをどう保つか。 なんと

          大学院で学習のモチベーションをどう保つか(私の場合)

          米国のオンライン大学院を始めて2年。成果とか成績とかいろいろ晒してみよう

          米国のオンライン大学院University of the Peopleで教育学を学び始めてこの10月で2年になりました。11月からまた新しい科目がスタートです。 学費が無料で知られるUniversity of the peopleの卒業率は低く、27%と言われます。 これも、通常の150%の期間(例えば4年制学士号なら6年)を使った学生の約27%。フルタイム学生だともっと低いでしょう。 同様の教育機関の平均より卒業率が低いそうですが、学費が安く、入りやすい(門戸が広い)

          米国のオンライン大学院を始めて2年。成果とか成績とかいろいろ晒してみよう

          世界の教育の課題についてAIに聞いたら、出てきた問題点5つが、ほぼ日本の課題と重なっていた件

          こんにちは。 AIの面白いところは、より広い視点での「平均的な見方」を教えてくれることだと思っています。 これまでは、ある問題に気が付いたとしても、「これってマクロで見たらこうだけれども、世界的に俯瞰してみたらどうなんだろう?」ということに答えを出すのは難しかった。 そこに、ある程度の模範的回答を示してくれるというか、中庸的な思考を教えてくれる面白い存在なんじゃないかなと。 そこで、世界的にみた教育の課題について聞いてみたんですね。 AI(ChatGPT 4o)が指

          世界の教育の課題についてAIに聞いたら、出てきた問題点5つが、ほぼ日本の課題と重なっていた件

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          「時代遅れで硬直的な教育カリキュラム」がなぜ変わらないのか、世界規模でAIと一緒に整理してみる(長文です)

          テクノロジーの急速な進歩、グローバル化、市場の変化により、労働市場も、かつてないほどの速さで進化している時代です。 しかし、本稿で何度か指摘しているように、日本を含めた世界の教育システムはこのスピードに追随できていません。 教育よりも社会が変わるスピードが早すぎるのが原因だと思います。 時代遅れで硬直的なカリキュラムがもたらす結果そもそも、どんな教育が「時代遅れで硬直的」なのか、ChatGPTに聞いてみますと、こんな答えが返ってきました。 「過剰なルール」や「規制」「暗

          「時代遅れで硬直的な教育カリキュラム」がなぜ変わらないのか、世界規模でAIと一緒に整理してみる(長文です)

          「みんな同じ」に耐えられなくて独自規格を作ろうとする人々

          日本を旅していたドイツ人が言っていたこと。 「日本のトイレはハイテクだけど、種類が毎回違うので、『流す』ボタンを探すのに苦労している」と。そうそう、みんな方式がバラバラなんよね。 以前も、コンビニやスーパーの支払い方式がバラバラだよね、って話を書きました。「セルフレジ」「セミセルフレジ」「タップ方式」「現金のみ」がバラバラで、毎回異なるので、びっくりするのです。 単一民族とかモノカルチャーとか言われる一方、統一規格を作るのはあんまり得意でないっぽい。 似たような人たちが細

          「みんな同じ」に耐えられなくて独自規格を作ろうとする人々

          アメリカ大統領選で明らかになった大手メディアの立ち位置とPodcastの強力さ

          私、米国の政治については完全門外漢ですが、ひとつの見方として。 個人的に一番面白かった解説は現地在住の松井博さんの分析でした。 そして今回は、大手メディアの予測が大きく外れ、 米国では、音声配信、特にPodcastがひとつの力として作用したと言われています。 ブルームバーグのVlad Savov氏は、ジョー・ローガンのようなPodcastがどれだけの影響力を持っているかについて分析し、「ポッドキャスト選挙」と書いています。 https://www.bloomberg.

          アメリカ大統領選で明らかになった大手メディアの立ち位置とPodcastの強力さ

          日本、意外に荒っぽい詐欺と強盗多くないですか?

          日本に帰ってきて一つ驚いていることは、意外に体感治安がよろしくないことです。 マレーシアは日本より治安が悪いと言われています。 移住当時から、ときどき、お金目当ての強盗事件が報道されていました。 家人が縛られて金目のものを盗られたと聞いて、「日本は治安が良くなったから、今日び、押し込み強盗なんて流行らないけどなぁ。東南アジアではまだこんなことしてるのかー」なんて呑気に思っていたのですが……。 何だか勘違いだったようで、日本でも最近では荒っぽい強盗が増えているそうです。

          日本、意外に荒っぽい詐欺と強盗多くないですか?

          学校やルールが増えるのは先生に自信がないから? について考えてみた

          本にも書きましたが、子どもを学校に入れて驚いたのは、規則が劇的に増えていることです。 私は2つの公立小学校に通いましたが、1970年ごろの都内では、下敷きの色も、鉛筆の数も、キャラクターものも、特に制限されていませんでした。ですから、下敷きの色や、鉛筆の数、休み時間の過ごし方などに細かいルールがあることに驚いたのです。 先日、現役教員の「のざたん先生」と対談したのですが、「学校の規則は明らかに増えています」と言います。 細かすぎる髪型のルール(ポニーテール禁止、など)や

          学校やルールが増えるのは先生に自信がないから? について考えてみた

          「AIと交際」するティーンに起こった悲劇

          AIボットが仮想の恋人やカウンセラーになる現実が一気にやってきました。 フロリダ州の母親が人工知能企業「Character.AI」とグーグルを相手取り、チャットボットが息子に自殺を促したとして訴訟を起こしました。原文は英語ですが、DeepLで翻訳してみます。 訴訟において、ガルシア氏はさらに、Character.AIが意図的に製品を過度に性的なものにデザインし、未成年者に対してそれを承知の上で販売したと主張しています。 ショックなのが、感情労働をするAIがすでに実用化され

          「AIと交際」するティーンに起こった悲劇

          若者が内向きなのは、大人が内向きだからだよね、という当たり前の話

          今週もマレーシア人の友人が日本に来ていて、会ってきました。 先月は以前の大家さんが来日しています。 一方で、毎回飛行機に乗るたびに、ほんとに海外に行く日本人が減っちゃったなと感じます。 よくパスポートの発行率が低い、という話が出てきますが、ほんとにそうなのか。 外務省の旅券統計(令和4年1月~12月)をみてみます。 「令和4年旅券発行概況」によると、令和4年末時点での有効旅券数は約2,449万冊です。日本の総人口を1億2,530万人とすると、約19.55%かな。 発行

          若者が内向きなのは、大人が内向きだからだよね、という当たり前の話

          文筆家が音声配信(Voicy)を始めて2年半。文章と同じところ、違うところ。私なりの「聞かれるための」ノウハウを話してみる

          Voicyで音声配信を始めてもうすぐ3年。おかげさまで、多くの方に聞いていただき、Voicy Fesに3年連続で出ることになりました。 音声配信の良さは文章よりもさらに距離が近くなることです。 「どうしたら聞かれるか」。 おそらく、この答えは一人一人異なると思います。 が、私はどうしたか、なら答えられるかもしれません。 私の小さな経験からではありますが、これから音声配信したい方に向けて、3年ほど試行錯誤してきたことをお伝えします。 最初にこだわったこと最初にこだわっ

          文筆家が音声配信(Voicy)を始めて2年半。文章と同じところ、違うところ。私なりの「聞かれるための」ノウハウを話してみる

          国際的な詐欺事件を題材にした映画が賛否両論で大騒ぎになった理由

          先日、東南アジアの国際的な誘拐事件に、マレーシアの友人の知り合いが巻き込まれた、という話を紹介しました。 実はこのために、中国人の旅行者が東南アジア(特にミャンマー、カンボジア、タイ)を忌避する流れになっているんだそうです。 先日紹介した私の友人の子供が、友人を心配してタイについてきたのには、それなりの原因がありました。 起爆剤となった1本の映画

          国際的な詐欺事件を題材にした映画が賛否両論で大騒ぎになった理由

          先進国と同じ悩みを抱えつつある東南アジア

          変化の時代と言われますが、国も人も恐ろしいほど変化します。私はマレーシアに1年ぶりに滞在したのですが、面白いなと思うのは行くたびにどんどん街が発展し、人々の思考が変わっていくことです。 私は1990年代からマレーシアを訪問し始めました。初期の頃の滞在では、子どもがとにかく多いこと、家族を大事にする価値観が強いことに非常に影響を受けていましたが、逆に、今回の滞在で複数の人からこんなことを言われました。 特に思ったのがエスカレーターで右側を空ける人が多くなったり、電車の中も、

          先進国と同じ悩みを抱えつつある東南アジア

          「常識」なんてものは存在するのか

          ひょんなことからマレーシア人の友達とバスでシンガポールに行ってきました。完全に思いつき。2泊3日の旅です。 さて、シンガポールに到着し、「お腹すいたね」ということで、マレーシア人の友人と一緒にかなりローカルなホーカー(屋台街)に入ったんです。そして食事が終わった後のこと。 マレーシアでは、屋台街で食事したら、お盆を置いてそのまま出ることがあります。たいていは、クリーナーの人が片付けてくれます。 ところが、私たちが同じように置いて出ようとしたら、周りにいたローカルの人たち

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          大学院で学習のモチベーションをどう保つか(私の場合)

          アメリカの大学の勉強はなかなか過酷です。 先日、私が学んでいるUniversity of the peopleの卒業率が27%という数字を紹介しました。 同時に、これは「毎回来る課題をこなす」力があれば可能かも、とも書きました。 米国の大学では毎週、大量の課題を読んで、次々にくる課題をこなさないとなりません。オンライン大学の場合、特に仲間が見えないし、誰もお尻を叩いてくれるわけでもなく、なかなか苦しいのですが……。 そんな中で、勉強のモチベーションをどう保つか。 なんと

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