ヤギワタル

制作会社勤務からライターを経てイラストレーター/イラストレーターとして仕事をしていく上…

ヤギワタル

制作会社勤務からライターを経てイラストレーター/イラストレーターとして仕事をしていく上で考えていることや、生活していく上で考えていることなどを書いています。言葉や歴史、学習なども良く出るトピックです。https://www.instagram.com/yagiwataru/

マガジン

  • 考えるヒビ

    考えたことを書くマガジンです

  • おとぎ話シリーズ

    何かを物語風に語るシリーズです。

  • コラム街

    • 92本

    ここはコラムしかない場所、「コラム街」。 コラムコラムコラム……どこを見てもコラムしかありません。なぜでしょう?  企画力をみがく講座「企画でメシを食っていく」で、 受講生に出た課題は、ずばりコラムを書くこと。 サーフィン、日本語、旅、プロダクトデザイン、アニメについて…… 個性的なコラムがたくさん生まれました。 連載の第1回目だけを提出するという課題でしたが、「1つ書いただけじゃもったいない!」ということで、みんなでこの「街」をつくりました。 だから、ここにはコラムしかないのです。 コラムの良さは、サクッと読めること、連載の途中から読んでも大丈夫なこと。 ここにあるコラムはすべて800文字以内。どれから読んでも「読んで良かった」と思えるコラムがこの街にはあります。

  • 年表を眺めながら

  • 絵本プロジェクト2018

    絵本講座に通っている成果をこちらで更新していきます。絵本のラフやブラッシュアップしていく過程を公開予定です。

最近の記事

俯瞰的なものの見方が邪魔をする

映画をつくるには年単位の時間がかかる。本をつくるのも数ヶ月はかかる。CMも同じくらい時間がかかっている。そのわりに映画をみる時間は2時間かそこらで、本を読むにしても1ページ1分とすれば合計で数時間かければ1冊読み終わるだろう。CMなら数十秒で見終えてしまう。そして観終わったあと人は簡単に「ホニャホニャ」と自論を語り始める。 みる側の話インターネットで簡単にレビューが書けるようになったのがいつからかだろう。いまではもう☆の数でなにかを評価するのが当たり前のことになっている。映

    • 「アイデアに価値はない」とかいう考え方

      「アイデアに価値はない。行動にこそ価値がある」みたいな考えをたまに見聞きすることがある。ここで言う「行動」は「アイデアを実現すること」と言い換えることもできる。 要するに、この考えは、飲み会で「オレならこうするね」的なアイデアを披露しても意味はないと言っている。「ならお前がやれよ」と。 この考えが骨の髄まで浸透してしまったのが平成日本だと思う。そうでなければ、失われた30年はあり得ない。「アイデアに価値はない」と言われ、「実現できるアイデア」だけが実行されるようになる。実現

      • Xというアプリ

        Xというアプリを削除した話 X(以下、Twitter)というアプリをスマホから削除した。代わりにInstagramを見る時間が少し増えたが、こちらはほとんど文章を読ませない設計になっていて、投稿と投稿が連動しないせいか、時間を忘れて見続けてしまうことがない。 Twitterはその点、それぞれのツイートの関連を深堀していくと時間が無限に吸い取られる。そのなかで自分と相入れない意見を見つけたり、その都度なにかが挫かれた気分になったり、どうしたらこういう意見に反論できるかを考えて

        • 努力と才能

          才能ある人 ある著名人がむかし、「才能ある人からやめていく」というようなことを言っていた。お笑い芸人でも役者でも、なりはじめた頃は儲からないから、才能があってもやめてしまう人が多い。それで残るのは才能がない人だけになり、いま華々しく活躍している人は、才能がなくても地道に努力した人たちだということになる。 その人は軽い気持ちで言っていただけかもしれないが、ぼくはこれを読んでいたときに、ある道に進むか否かを迷っていたときだからとても影響を受けた。この言葉は、やめる自分に対する

        俯瞰的なものの見方が邪魔をする

        マガジン

        • 考えるヒビ
          57本
        • おとぎ話シリーズ
          0本
        • コラム街
          92本
        • 年表を眺めながら
          6本
        • 絵本プロジェクト2018
          2本
        • 色数を絞って描くシリーズ
          19本

        記事

          いったい誰が消費するのか?

          ポジティブorネガティブ… 新しく生み出されたテクノロジーに対してポジティブな見解を語る人とネガティブに語る人がいるが、ポジティブに語るほうが儲かり、ネガティブに語るほうが儲からない。だから、ポジティブに語る人ばかりが増えることになる。 嬉々として語る 嬉々としてAIについて語っている人たちをたくさん見かける。企業人やAI開発者がAIの未来をポジティブに語るのは理解できる。企業人は社員1人に毎月100万円の給料を12ヵ月払うよりも、1000万円の機械を導入する方が200

          いったい誰が消費するのか?

          昨日とちがうパターンで

          自分を他人と比較してばかりいれば自己肯定感が下がるのは当たり前だ。 いまは自分と他人を比較する環境がしっかりと整えられているから、その影響で自己肯定感を下げてしまっている人は多いと思う。 努力する人としない人のモチベーションの差 『モチベーションの心理学』(中公新書)という本を読んでいたら、がんばる人とがんばらない人の違いが説明されていた。 がんばる人は「その努力の結果、なにか得るものがある」と思うからがんばる。がんばらない人はその努力をしても何も得られないと思うからがん

          昨日とちがうパターンで

          AIとイラスト

          AIと人間 AIは意味を理解できない。人間が出した命令の意味を理解しているかのように感じても、それは意味を理解しているわけではなく、パターンで返しているだけなのだという。しかしこういうことは人間自身も往々にしてあり、上司の命令の意味はわからなくても、なんとなくこうかな?とやってみると問題なかったりする。 二極化するイラストの仕事 イラストレーターもクライアントからの指示の意味を理解する必要があるが、意味ではなく単語だけの依頼のときもある。 ゴリラを描いてください。コップ

          AIとイラスト

          スキマ時間になじみすぎ

          10年以上前、スマホの登場でスキマ時間が有効活用できると言われていたが、実際は逆だったと思う。 実際に起きているのは、まとまった時間がスキマ時間になってしまったということだ。 電車を待っている5分間こそがスキマ時間だと思っていたのだが、家族や友人と会ってご飯を食べている時間でもスマホを見ることができる。食事のあいまにメールを返すことができ、誰かがトイレに行っている間に情報をチェックできる。風呂に入っていても、トイレに入っていても、どこに入っていてもスマホがそこにあれば何かし

          スキマ時間になじみすぎ

          覚えておきたいことへの意識

          意識して学びとったものでない限り、なかなか記憶に定着してくれない。記憶はそのプロセスを「記銘→保持→想起」で分類することができるが、意識して覚えようとするのは、このうちの記銘にあたる。 … 意識して覚えようとしなければ、情報は脳にとどまることなく、すぐに忘れられてしまう。さらに、意識して記憶をキープしようとしなければ、記憶は消える。そして、せっかく覚えた記憶も、思い出そうとしなければいっこうに思い出せないままだ。覚えているのに思い出せないのは、忘れたも同然である。 …

          覚えておきたいことへの意識

          考えたことを書いてしまうリスク

          ここ半年くらい、noteになにも書いていない。1年前2年前に書いた記事がごく稀にいいねされることもあって、読んでくれている人がいるなあと思ってはいたのだが、じゃあ新たに何か書くか、という気にはならなかった。 noteにはだいたい、その時点で考えたことを書いていたのだが、本来ゆらゆらと漂っているはずの「考え」は、文字に落とし込んでしまうと固まってしまう。気体ならば誰にも伝わらないのだが、固体になると伝達が可能になる。誰かに伝わってしまう。 自分がむかし書いたものをいま読むと、

          考えたことを書いてしまうリスク

          「嫌い」でつくれる結びつきは弱い

          ぼくがまだ会社員だったときのこと。仕事終わりで同僚や先輩や上司と飲みに行ったりラーメンを食べに行ったりすると、そこでは決まって仕事関連の愚痴が話題としてでてきた。同僚と一緒のときは先輩や上司に対する愚痴、上司と一緒のときは取引先に対する愚痴。 その場にいる人同士で結託するためには、なにか共通の敵をつくらねばならない。誰もそんなことを明言はしなかったが、人間の本能に刻み込まれているかのように、その場にいない人に対する悪口は、その場にいる人たちの仲間意識を高めてくれる。 同僚や

          「嫌い」でつくれる結びつきは弱い

          キャンセルしてどうのこうの

          ここ1,2年で急に「キャンセル・カルチャー」という言葉を聞くようになった。消費者としての力を駆使して企業の行動を良い方向に促したいということらしい(※1)。 ぼくも「消費者が世界を変える」みたいなことを書いたことがあるのでこれに近いものを考えてはいたんだけど、企業に対して「心を入れ替えろ」とか「行動を変えろ」ということは全く考えたことがなかった。人の心が入れ替わるには非常に時間がかかるし、1回の「キャンセル」では全然変わらない。 女性にふられた男性が、じゃあ心を入れ替えて

          キャンセルしてどうのこうの

          毎日書こうとして気づくこと

          毎日文章を書こうとして気づいたのだが、毎日書くのは驚くほど難しい。 書くことがないというより、書いてもまとまらない。書き散らかすだけ散らかした原稿を今日も保存した。 着地させなければ…と考えてしまうから書けないのだろうか。飛び立ったままどこかへ消えていく文章なら書けるかもしれない。 テレビや新聞やSNSや書籍などのメディアを見ていろいろ思っているはずなのに、文章としてある程度のまとまりのある文章を書こうとするとまとまらない。実は深く考えていないことがバレてしまう。ツイッター

          毎日書こうとして気づくこと

          未来を予測できる時代のほうが異常

          ビジネス関連の情報を見ていると時々「VUCA(ブーカ)の時代」という言葉が出てくる。現代は「これから先に何が起きるかわからない」「不確実な時代だ」ということで使われている。 ぼくはこの言葉を見ると「今までに、これから先に何が起きるかわかっていた時代なんてあったのか?」と聞きたくなる。 *** そもそも、過去は現在から振り返って見た瞬間に、それが必然だったと感じ、原因と結果の因果をつかって説明できてしまう。だから、すべてが予測可能だったかのような錯覚に陥る。 2015年の

          未来を予測できる時代のほうが異常

          キター!と叫びながら衰退していくジャンル

          なにかをつくる人がそれを職業にできるのは誰かがそれにお金を払っているからだが、その金を目当てに創作者は無限に増えていくため、お金を払って鑑賞している人は「誰にお金を払うか?」を峻別しないと、すぐに財政破綻してしまう。 そこで鑑賞者としてはとりあえず一旦なにかを鑑賞してみて、それが良いものだったら次もその人の作品を見てみることにする、みたいな選択をする。しかしここで問題なのは、つくる人がいつも「前と同じようなもの」をつくるとは限らないということだ。同じものをつくるよりもむしろ

          キター!と叫びながら衰退していくジャンル

          ボールに反応してゴールを見失う

          ニュースを見ているとうっかり反応しそうになる。大抵のニュースは、新しさが重要なので調べきれていない段階で報じられ、調べきれていない素材をみて人はそれを良いとか悪いとか言う。いちいち反応してしまう様は、サッカーのPKでゴールを守るキーパーのようである。その反応が的外れのものだろうが的を射たものだろうが、反応しているという点では変わらない。 テレビは子供と大人が一緒になって観ると良いと言われる。子供の理解力ではとうてい理解できないことでも、大人が解説することによって子供の理解力

          ボールに反応してゴールを見失う