篠原かをり

ミステリーハンター。慶應義塾大学政策・メディア研究科在籍。著者『恋する昆虫図鑑 ムシと…

篠原かをり

ミステリーハンター。慶應義塾大学政策・メディア研究科在籍。著者『恋する昆虫図鑑 ムシとヒトの恋愛戦略』文藝春秋、『LIFE 人間が知らない生き方』文響社など。Twitterアカウント(@koyomi54334)うちの可愛い犬をよく載せています。

最近の記事

理解のある彼君なんていない。自分で理解しろ。

久々になんでもない文章を書いてみた。 原稿も大いにためている。投稿予定の論文の手直しもあと少しのところで手がつけられていない。週末の自宅取材に向けての片付けもしてないし、見るべき映像が10時間以上分も残っている。 仕事が終わって電車に揺られて家に帰ってきたばかりである。 文章を書く理由は書きたいからだ。「書かなければいけない」をこなしているうちに「書きたい」という気持ちを失うのが怖いのだ。 私は作家だが、圧倒的な才能があって見出されて求められてなった作家ではない。書き

    • 改姓のこと

       結婚後の姓は篠原です。 理由は、96%の女性が姓を変えているからです。 私が結婚するまでの間に選択的夫婦別姓を強く支持した友人たちが結婚していきました。 最後まで事実婚と迷った友人は夫の姓を名乗っています。 別の友人は、未だに改姓したことに納得がいっていないと口にしました。 改姓が嫌で大喧嘩になったというバービーさんのインタビューも読みました。 結婚を報告した友人は私の名前が変わることを寂しがっていました。  私は自分の姓に強い頓着がない上に夫も同じくらいの熱量だったので

      • 婚姻のこと

        この度、自分の人生でただ一人この人が良いと思うほどに愛した人の戸籍がたまたま異性であったため、入籍にいたりました。子供に縁があるか否かはまだ未来の話で、ただ生涯共にしたいという志が一致した二人の人間がいるというだけなのですが、私は婚姻制度の恩恵を受けることができます。同じ願いを長い間持ちながら、それを理不尽な理屈で阻まれている方々がたくさんいます。全ての人に結婚の自由がある社会を心から望んでいます。 出会った時にこの人と結婚するという予感が走ったという話を各所で聞くたびに私

        • 私が大事に思うあなたへ

          気付いたら27歳になっていた。何かの手違いで社会という宇宙船から脱出ポッドで放出され、併走するようにぼんやり宇宙を揺蕩いながら宇宙船を見ているような生活を送っている。 作家・タレント、まともに続いたバイトは塾講師と男装喫茶だけ。 具体的に最悪な部分を言うと、あまり怒られることがない仕事ばかりを続けてきた。人は間違う生き物だ。間違いを正されることによって自分を省み成長していく。多分。 野放図に好き勝手伸び散らかして27年の私でこの先の数十年を生きることに常に薄ぼんやりとした恐怖

        理解のある彼君なんていない。自分で理解しろ。

          誰も私を決められない

          7月にミスター慶應SFCのファイナリスト発表があってから本当に一瞬のうちに3ヶ月が過ぎ去って、10/10にはファイナリストが発表されます。 楽しいことも辛いこともあったと言いたいところですが、楽しいことしかない3ヶ月を過ごさせていただきました。 グランプリ準グランプリが発表される前のニュートラルな状態で振り返っておきたかったので筆をとりました。 私は女性に振り分けられる身体に生まれて、女性として活動をしてきました。私は私自身でしかなく、どうやって区切られても篠原かをりとしか

          誰も私を決められない

          容姿コンプ握りしめてミスターコンに出て考えたこと

          noteでまだ言及していなかったのですが、現在、自分の所属キャンパスのミスター慶應SFCに出場しています。ミスター慶應SFCNo.2篠原かをりなのでよかったら覗いていってください(https://campusone.jp/contests/6/candidates) ミスター慶應SFCに出場して、ミスコンやミスターコンについて少し詳しくなった。 女性として産まれながらミスターコンに出場している理由に関してはいつか書くかもしれないし、書かないかもしれない。私には順番に物事を進

          容姿コンプ握りしめてミスターコンに出て考えたこと

          Bボタン連打してたら泡沫YouTuberになってた(あつ森実況はじめました)

          25歳、泡沫作家、泡沫タレントに加えて泡沫YouTuberになりました。 もはや”新しい”という言葉すらつかないほどに生活に浸透したメディアとなったYouTube。 5歳の従姉妹はもちろん、実家に帰れば50代後半の母ですら見ています。 昨年には子供のなりたい職業の一位がYouTuberとなりました。 テレビですら殆どの番組への知見を持たずに専ら宝塚スカイステージを流し続けているほどメディアに疎い私は殆どこのYouTubeなるものを見た経験がありませんでした。 知っているYou

          Bボタン連打してたら泡沫YouTuberになってた(あつ森実況はじめました)

          変わりたいと思った私は10万円分手放した

          私は部屋が片付けられない。 事務所に入ったばかりの頃、危うく部屋が汚い人の特集に出されかけた。 私もそうだよという同調は非常に心強いけれど、部屋汚い界でも四天王級の強さを誇る私は曖昧に微笑む。 友達が来るときは自分なりに部屋を片付けているつもりだけど、汚いの閾値が違う私はよく人を引かせる。 部屋に来る友人らはよく部屋を片付けてくれる。弟は必ずマイスリッパを持参する。自宅取材の前にはお腹が痛くなるくらいストレスを感じて大泣きしながら徹夜で片付けて、最終的に今後の自宅取材をNGに

          変わりたいと思った私は10万円分手放した

          私のための私による私だけの正義

          ナインティナインの岡村さんがラジオで言った「コロナ明けたら可愛い人が風俗嬢をやります。これはなぜかと言えば、短時間でお金を稼がないと苦しいですから。だから今は風俗に行くお金を貯めておくため歯を食いしばって頑張りましょう」という発言が炎上した。 私はなんてグロテスクな発言なのだろうと思った。誰かが苦しむことで自分が得をすることの何が面白いのか一切分からなかった。 既に抵抗を感じながらも生きるために風俗まで視野に入れて仕事を探している人の話を聞いていた。 とても働き者でただCOV

          私のための私による私だけの正義

          今日も家にいる日記4/11

          書き始める時点で日付が変わってしまったが、4/11のことなので4/11ということにする。 しかも、初回の日記は4/8と書きながら、普通に4/9だった。8と9は形と数が近いから混ざるという駄目共感覚の持ち主なので数字にとらわれず続けていこうと思う。 毎日続けようとしていた日記を二日目に至らず失敗したことに深い意味やエピソードは一切ない。 ただ、「あつ森」こと、「あつまれ!どうぶつの森」にどハマりしていた。 どうぶつの森シリーズはDS、3DSとやっていた。DS版はおおよそ流行っ

          今日も家にいる日記4/11

          今日も家にいる日記4/8

          なんと表現していいのか分からないくらいのこのご時世。 スペイン風邪は1918年から1920年まで続いたから、経験者の方々もまだいらっしゃるけれど、現在いらっしゃる最高齢の人ですら当時9歳〜11歳だから、私たち全員が未だ経験したことがない未知のパンデミック。 感染症研究の実験技術アルバイトの募集を見て、私もこの危機に少しでも協力したい!と思って応募しかけたけど、普段の自分のPCR精度のお粗末さを思い出して断念した。時には何もしないことが唯一の協力になり得ることがある。 9

          今日も家にいる日記4/8

          ドン底なんて見飽きたなと思うのに毎回新鮮に辛くてすごい

          私は告白をされたことがない。 幸い共有し難い罪の告白を受けたことも、相手から好意を伝えられたこともどちらも。 大きな要因として、好きになった相手に好きだと伝えることを躊躇う私のストッパーが人一倍脆弱なことと、四半世紀立派に告白されずに生きてきたこの歴史を守り抜くために、好きじゃない人から告白されないようになんらかの気配を察すると頼むから告白しないで欲しいと全身全霊で伝えてきたことが考えられる。 もっとも、告白という結末を見たことがないので、なんらかの気配がそうだったのかは

          ドン底なんて見飽きたなと思うのに毎回新鮮に辛くてすごい

          属性で人を嫌うことは非効率だからしないことにした

          ネット上には誰かをこういう人間だと決めつけるためのレッテルが溢れていて、見ているだけで疲れてしまうことがある。 フェミニストだとかヴィーガンだとか人種だとか支持している政党とか入試方法とかいろんな一つの基準によって馬鹿にした名前をつけて怒ったりからかったりする。 私は性差別に反対する人間だからフェミニストだ。でも、私とは違うフェミニストの発言に同意できないこともある。でも、考えが違うから私かその人かどちらかがその属性を奪われて偽物になる訳ではない。違う本物にすぎない。 そし

          属性で人を嫌うことは非効率だからしないことにした

          本気で世界で一番可愛くないと思ってた私を抱きしめにもう一度

          出版に向けて書いていた容姿にまつわるエッセイが1万字ほど溜まっていたのだが、出版の話がなくなってしまった原稿をどうするべきか考えた結果、noteで販売することにした。すべて書き上げて他の出版社に持ち込むことも検討したが、それをするには書いた時から時間が経ってしまった。 元々思いの丈をぶつけるように文章を書くことが多いし、書き終わるとすっきりしてしまうたちなので、怒りが持続しないのだ。同じようなことを書いていても、毎回違うことに同じように憤っているだけなのである。 ただ、最近は

          ¥600

          本気で世界で一番可愛くないと思ってた私を抱きしめにもう一度

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          0日後に死ぬネズミとn日後に死ぬ私

          今日またネズミが旅立った 私は葡萄色とピンクのオッドアイを持ったクリーム色の巻き毛のネズミにティー君と名付けて2年一緒に暮らした 戌年生まれのネズミはなんとか子年まで粘って2歳1ヶ月と大往生の末、眠るように旅立った ネズミは人間の40倍の速度で年をとると言われている だから人間の年齢にしたら83歳のおじいちゃんだった 数ヶ月前から少しずつ毛が薄くなったりゆっくり動くようになったりして、ティー君も老いたなと思っていたけれど、2歳を過ぎてからは日毎に年を取っているように見えた

          0日後に死ぬネズミとn日後に死ぬ私

          私の力はこんなもんじゃない…なんてことはない

          子供の頃からずっと文筆家になりたいと思って生きていた 毎日連載に追われたり、単行本を出したりサイン会をしたりいろんな人が読んでくれるような「作家」と呼ばれるような人たちに 幸い、学生・タレントと兼業ではあるが、文筆業の末席に座らせてもらうことができて、印税と重版とか連載とか憧れていたいくつかの夢を叶えてきたけれど、思い描いていたものにはまだ遠い まだ到底文筆だけで食べて行くことはできない 実力不足だから、まだ始めて間もないから、チャンスがないから 多分、全部本当のことだ

          私の力はこんなもんじゃない…なんてことはない