夏の香りはいつも何かを思い出させてくれるような気がしていた。 夏祭りの記憶。 部活動の帰り道の記憶。 何かに落ち込んでとぼとぼ歩いた一夏の思い出も。 全部がセットになって毎年の夏の香りがそれらを運んでくる。 人生の濃度を知るとともに少し掠れていく記憶に悲しさをも覚えて。
獲りつかれるということは素晴らしいことだ。 生涯少女の絵を描いていたいと思える自分に、呆れつつ、嬉しい気持ちが込み上げる。 何かに打ち込む中で、何かの虜になり、永遠に愛し続けられるものを得た。 そんな気持ち。 今日も先程まで、「赤い果実《夏の記憶》」をいじっていたのだ☆彡