きのみ

鍼灸師、翻訳業。秘境好き。見たことのない世界が見たくて20代は翻訳しながらバックパッカ…

きのみ

鍼灸師、翻訳業。秘境好き。見たことのない世界が見たくて20代は翻訳しながらバックパッカーで現実逃避。40代で鍼灸師免許取得。今は現実と向き合う日々。

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記事一覧

高級老人ホームだからケアの質がよいわけではない

縁あって高級老人ホームにお邪魔させていただき、利用者さんと触れ合う機会があった。 玄関とかめちゃくちゃきれいで高級。 花とか水槽とか絵画とか飾ってあって、受付は…

きのみ
11か月前
8

利用者が転んでけがをしたら介護士の責任なのか

時と場合による。 立場が違うと見方も変わる。 介護士の方のSNSの投稿で、利用者が転倒⇒骨折して入院⇒認知症⇒肺炎⇒死亡し、とても後悔しているという内容があった。 …

きのみ
1年前
19

自分の意図した方向とは逆の方向に流されそうになっている意志の弱さ

7月、8月は在宅翻訳の依頼が減る時期なので、気持ちが不安定になりやすい。気持ちが不安定だと、あらぬ方向へと流されてやすく、「いや、そっちにいってはだめでしょう」と…

きのみ
1年前
7

「やることがないから介護職」を待遇面の改善によってなんとかしてほしい

前回デイサービスに見学に行ったときのことを記事に書いたが、あれからなかなか一歩が踏み出せずにいた。 実際に施設を見学して、介護現場で働きたい意欲が生まれたかとい…

きのみ
1年前
15

介護制度は手厚すぎる?!

noteの記事は勉強になる内容も多くて、毎日何かしら読んでいる。 特に、介護系の記事は興味深くて面白い。 介護福祉士の方やケアマネージャーの方が投稿する多くの記事は…

きのみ
1年前
24

そんなに悪い死に方じゃない

ある医師が書いた本の中で、「自殺という死に方はそんなに悪い死に方ではない」ということを書いていて、その部分だけ読むと、「え?」と思うのだけれど、読み進めると「そ…

きのみ
1年前
7

それでもあなたは父親ですか?

こどもの頃から父親にはほんとうによく叩かれ、怒鳴られた。 食べ物や飲み物をこぼしたとき、何かものを壊した時、家の中を汚したとき、父親の気に入らないことをしたとき…

きのみ
1年前
9

房総半島千倉:花の谷クリニック~ここで最期を迎えたい

何年前だろう。『「花の谷」の人びと』を読んだのは。 おそらく、4,5年前だと思う。 母が亡くなってから、その最期がずっと心の中でくすぶり続けていて、人の生死や医療の…

きのみ
1年前
15

コロナに感染した話:味覚障害に苦しむ

旅行からヘロヘロの状態で帰ってきて、2日後の午後、発熱した。 その日は朝から軽い頭痛はしていたが、まさか発熱しているなんて思いもしないから熱を測ることもなかった…

きのみ
1年前
8

認知症の叔母とのはじめての旅行:想像以上に疲労困憊で倒れるかもと思った話

認知症の叔母と、その姉の元気な叔母(数年前まで介護福祉士)、そしてわたしの父(自分の怒りがコントロールできずとても短気)を連れて、2泊3日の旅行をした。 後期高齢…

きのみ
1年前
13

飛行機で隣り合わせになったご夫婦のやりとりに心が痛む

先週末は福岡まで鍼の勉強会に行ってきた。 行きの飛行機で隣合わせになった70代と思われるご夫婦。 飛行機に搭乗した直後から夫が妻を怒鳴るので居心地が悪い。 妻は軽…

きのみ
1年前
6

介護の選択は人それぞれ

従兄と電話で話したときに、「あんなにも優しく叔母のことを否定せずに接してるのって意識的にやってるの?」と聞いたら、「そうだよ」とのこと。 認知症だとわかる前は、…

きのみ
1年前
10

認知症の叔母と再会する

久しぶりに母方の叔父叔母たちと食事会をした。 わたしの母は4人兄姉妹の末っ子で、若くして亡くなっている。母が亡くなってからは、親族の誰かが亡くなるときぐらいしか顔…

きのみ
1年前
10

高齢者施設ってどこもこんな感じなの??

機能訓練指導員として経験を積みたいと思い、とある高齢者施設に見学に行った。広くてとてもきれいな施設で、のんびりしていて雰囲気も悪くなかった。案内してくれた職員の…

きのみ
1年前
30

人間が一番怖い

このところメンタルがやられっぱなしでまいっている。 国家試験が終わり、2日後からフルタイムの翻訳の仕事を始めたわけだが、2ヶ月目に突入してほんとこれメンタルやられ…

きのみ
1年前
7

はり師きゅう師国家試験対策勉強法公開

第31回はり師きゅう師国家試験の合格通知が届きました。自己採点で合格していることはわかっていたものの、実際に合格通知を受け取るまでは不安な気持ちもあり、無事に合格…

きのみ
1年前
5

高級老人ホームだからケアの質がよいわけではない

縁あって高級老人ホームにお邪魔させていただき、利用者さんと触れ合う機会があった。

玄関とかめちゃくちゃきれいで高級。

花とか水槽とか絵画とか飾ってあって、受付は専用の人がいて、なんかコンシェルジュっぽい人とかいて、高級感あふれていました。

でも、利用者さんがのる車いすはめちゃくちゃグレードの低いやっすいやつで、利用者さんの爪は伸び放題で真っ黒で、目ヤニが顔にこびりついていて、目が開けにくそう

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利用者が転んでけがをしたら介護士の責任なのか

時と場合による。
立場が違うと見方も変わる。

介護士の方のSNSの投稿で、利用者が転倒⇒骨折して入院⇒認知症⇒肺炎⇒死亡し、とても後悔しているという内容があった。

転倒した時点で、利用者の家族から熾烈な叱責を受けたようだ。

これから介護の仕事にも関わりたいなと思っていたわたしは、なんだか腑に落ちない気持ちになった。

高齢者は転ぶ。当時とても元気だった祖母も一度家の中で転んで骨折した。
自立

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自分の意図した方向とは逆の方向に流されそうになっている意志の弱さ

7月、8月は在宅翻訳の依頼が減る時期なので、気持ちが不安定になりやすい。気持ちが不安定だと、あらぬ方向へと流されてやすく、「いや、そっちにいってはだめでしょう」と自分をたしなめつつ、何とかして自分の気持ちを押し戻している。

夏は仕事が減るから派遣でもしようかと求人を検索していると、なぜか正社員前提の求人ばかり。
派遣か業務委託のサイトを見ているのに、正社員前提の求人載せる必要あります?どんな需要

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「やることがないから介護職」を待遇面の改善によってなんとかしてほしい

前回デイサービスに見学に行ったときのことを記事に書いたが、あれからなかなか一歩が踏み出せずにいた。

実際に施設を見学して、介護現場で働きたい意欲が生まれたかというとそうはならなかった。施設は普通だった。特に悪いところがあるわけでもないし、一般的な施設なのだと思う。じゃあ、今の仕事を捨てて、その世界に飛び込む価値があるかと問われると、「ない」と思った。

わたしは少し介護業界に期待しすぎていた。

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介護制度は手厚すぎる?!

noteの記事は勉強になる内容も多くて、毎日何かしら読んでいる。
特に、介護系の記事は興味深くて面白い。

介護福祉士の方やケアマネージャーの方が投稿する多くの記事は、利用者さんへの思いやりや温かい言葉が多くて、「あぁ、こんなすてきな人たちに最期に出会えたらラッキーだなあ」と感動しながら読んでいる。

介護系のニュースで多いのは、介護制度の改悪や介護職員の給与面含む処遇の問題、そしてときどき虐待事

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そんなに悪い死に方じゃない

ある医師が書いた本の中で、「自殺という死に方はそんなに悪い死に方ではない」ということを書いていて、その部分だけ読むと、「え?」と思うのだけれど、読み進めると「そういう考え方もあるんだな」と思う。

この医師が総合病院の当直で救急外来をやっていたとき、ときどき自ら命を絶った人が運ばれてくることがあった。脈を診て、打っていなければ「うまくやったね。ごくろうさま」と声をかけ、手を合わせる。

その人が辛

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それでもあなたは父親ですか?

こどもの頃から父親にはほんとうによく叩かれ、怒鳴られた。
食べ物や飲み物をこぼしたとき、何かものを壊した時、家の中を汚したとき、父親の気に入らないことをしたとき、口ごたえしたとき。
父親の前で何か粗相をすると、反射的に父の顔を見て身体をこわばらせた。
父の手が上がると目をぎゅっとつむって耐えた。

ときどき、そんなわたしたちの反応をみて、父はにやにやと面白そうに笑った。

母はそのときどうしてたっ

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房総半島千倉:花の谷クリニック~ここで最期を迎えたい

房総半島千倉:花の谷クリニック~ここで最期を迎えたい

何年前だろう。『「花の谷」の人びと』を読んだのは。
おそらく、4,5年前だと思う。
母が亡くなってから、その最期がずっと心の中でくすぶり続けていて、人の生死や医療の問題、緩和ケアに関する本を読むようになった。

おそらく、母の最期が穏やかな死だったら、こんなにも死に方にこだわることはなかったと思う。

今回、縁あって南房総の千倉にある「花の谷クリニック」を見学させて頂いた。
本に書かれている通り、

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コロナに感染した話:味覚障害に苦しむ

旅行からヘロヘロの状態で帰ってきて、2日後の午後、発熱した。

その日は朝から軽い頭痛はしていたが、まさか発熱しているなんて思いもしないから熱を測ることもなかった。
叔母から発熱したとの連絡を受け、急に不安になり、熱を測ると、38度。
38度の割にたいして辛くない。

発熱なんて5,6年ぶりなので、どんな感じだか忘れていた。
38度ならば辛いはずなのに、ぜんぜん辛くないのが不思議。
年取ると鈍くな

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認知症の叔母とのはじめての旅行:想像以上に疲労困憊で倒れるかもと思った話

認知症の叔母と、その姉の元気な叔母(数年前まで介護福祉士)、そしてわたしの父(自分の怒りがコントロールできずとても短気)を連れて、2泊3日の旅行をした。

後期高齢者3人を引き連れた旅行は、人生初、帰路にたどり着くまでに自分が倒れてしまうかもしれないと恐怖を感じた旅行となった。

叔母の認知症は軽度とは聞いていたが、これがもし本当に軽度だとしたら、わたしは確実に親を施設に入れる。

3日間しかお世

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飛行機で隣り合わせになったご夫婦のやりとりに心が痛む

先週末は福岡まで鍼の勉強会に行ってきた。

行きの飛行機で隣合わせになった70代と思われるご夫婦。
飛行機に搭乗した直後から夫が妻を怒鳴るので居心地が悪い。

妻は軽度の片麻痺、言語障害、認知力の低下が見られる。
同じことを繰り返し夫に聞いたりする。
そのたびに、夫が妻に罵声を浴びせる。
周りの乗客がこちらをじろじろ見てもお構いなし。

大声で、しかもものすごくバカにした物言いに、妻は黙り、夫の顔

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介護の選択は人それぞれ

従兄と電話で話したときに、「あんなにも優しく叔母のことを否定せずに接してるのって意識的にやってるの?」と聞いたら、「そうだよ」とのこと。

認知症だとわかる前は、「さっき言ったじゃん!」とか「こないだ言ったこと覚えてないの?」とか「また忘れてるよ!」とかあれこれ言って、かなり叔母を叱責していたらしい。そうだよね、、。

認知症とわかってからは色々勉強して、叱責したり怒ったりすることは、さらに症状が

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認知症の叔母と再会する

久しぶりに母方の叔父叔母たちと食事会をした。
わたしの母は4人兄姉妹の末っ子で、若くして亡くなっている。母が亡くなってからは、親族の誰かが亡くなるときぐらいしか顔を合わせることがなかったので、母の兄姉3人がそろって顔を合わせるのは十数年ぶりだった。
特に、叔母のひとりは地方在住で、わたしは母が亡くなったあとすぐに東京に戻ったので、ずいぶん長いこと会っていなかった。
一昨年、祖母が亡くなったとき、ど

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高齢者施設ってどこもこんな感じなの??

機能訓練指導員として経験を積みたいと思い、とある高齢者施設に見学に行った。広くてとてもきれいな施設で、のんびりしていて雰囲気も悪くなかった。案内してくれた職員の方も感じがよく、説明してくれた現場責任者の方もきちんとしていた。

今回見学をした施設は複合施設で、階ごとにサ高、ショートステイ、デイサービス、グループホームなどに分けられていた。

今回は主にショートステイとデイサービスを見学させてもらっ

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人間が一番怖い

このところメンタルがやられっぱなしでまいっている。
国家試験が終わり、2日後からフルタイムの翻訳の仕事を始めたわけだが、2ヶ月目に突入してほんとこれメンタルやられる仕事だなと改めて思う。
(誤解しないでいただきたい。翻訳大好きという人もたくさんいる。)
その間も、不動産屋めぐり、引っ越し業者手配など普段関わる必要のない人たちとの関りが多く、特に不動産屋と引っ越し業者はナンバー1、2を争うレベルで関

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はり師きゅう師国家試験対策勉強法公開

はり師きゅう師国家試験対策勉強法公開

第31回はり師きゅう師国家試験の合格通知が届きました。自己採点で合格していることはわかっていたものの、実際に合格通知を受け取るまでは不安な気持ちもあり、無事に合格してほっとしています。
合格率は例年とそれほど大きく変わらず、70%程度。
午後の問題は難しいと感じた人が多かったようですが午前が簡単だったのでそこで相殺されたようです。
クラスメートは何人か落ちてしまったのですが、中にはもう来年は受験し

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