高齢者施設ってどこもこんな感じなの??

機能訓練指導員として経験を積みたいと思い、とある高齢者施設に見学に行った。広くてとてもきれいな施設で、のんびりしていて雰囲気も悪くなかった。案内してくれた職員の方も感じがよく、説明してくれた現場責任者の方もきちんとしていた。

今回見学をした施設は複合施設で、階ごとにサ高、ショートステイ、デイサービス、グループホームなどに分けられていた。

今回は主にショートステイとデイサービスを見学させてもらったのだが、うーむ、、皆さん、ぼーっとしてらっしゃる、、。表情がない。無表情。ほぼ全員カオナシ状態になっている。全員がパーキンソンてことはないだろうし、こんなに高齢者の方って無表情なのかしら??

フロアでは体操ビデオが流れており、一部の利用者さんは音楽に合わせて無表情で身体を動かしているが、あとの利用者さんは寝ているか、ぼーっとしている。昼前なので朝早くもなければお昼寝タイムでもない。
どこの高齢者施設もこんなものですか??

「利用者さんたちがニコニコ楽しく過ごされていたらそれは良い施設ってことですよ」とハローワークの方にアドバイスを頂いたが、ニコニコ楽しそうに過ごされている方はひとりも見かけなかった。

決して虐待されたり怒鳴られたりしているわけではないのだけれど、若いヘルパーさんが、利用者さんにまるで赤ちゃんに話しかけるように話していたのにはさすがに閉口した。「いやいや、この方あなたよりずっと先輩ですからね!!たぶんあなたより60年以上は長く人生経験ありますからね!!」と心の中でつぶやく。

祖母が特養に入っていたとき何度か尋ねていったが、利用者さんの表情はもう少し明るかった気がする。いや、祖母に夢中でわたしが気付かなかっただけなのかもしれない。いや、コロナ前とコロナ後の違いかもしれない。

高齢者施設で過ごす利用者の方々を見て、正直、自分の老後が不安になった。自分もいずれカオナシのようになるのだろうか。車いすに座ってぼーっとただ過ごす日々がやってくるのだろうか。

一方、去年まで通っていたピラティス教室にいらした高齢者(60代から70代後半)の方々は、ものすごく元気だった。70代はまだ若いのかもしれない。ピラティスマシンで一緒にトレーニングをしていたが、皆さんわたしよりずっと負荷の高い運動をしていたし、わたしより身体の柔軟性もあった。まもなく80歳を迎えるという女性は、姿勢がピンとしていて、足腰もしっかりしており、とても80歳には見えなかった。元気はつらつでよくしゃべり、よく笑っていた。1週間のうち5日はピラティス、ヨガ、ジムに通い、筋力トレーニングに励んでいる。

彼女のような元気はつらつでトレーニングを欠かさないような高齢者はおそらく世の中にほんの一握りで、大多数の高齢者がわたしが見学した施設のような人たちで、徐々に歩けなくなり、車いすで生活し、認知力が落ち、デイサービスやショートステイに通う生活なのだろう。
介護認定を受けるのがますます厳しくなっている中で、要介護の認定をしてもらうのがとても難しくなったと施設の方が話していた。デイサービスやショートステイに通えるだけましなのだろうか。いろいろと考えがめぐり落ち込む。

とりあえず鍼灸師になったのだから調子が悪くなったら自己治療するとして、やはり日々の体力づくりは大切なのだと改めて思う。運動は嫌いなので50歳になったら筋力強化トレーニングを始めようと心に誓った一日だった。

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