介護の選択は人それぞれ

従兄と電話で話したときに、「あんなにも優しく叔母のことを否定せずに接してるのって意識的にやってるの?」と聞いたら、「そうだよ」とのこと。

認知症だとわかる前は、「さっき言ったじゃん!」とか「こないだ言ったこと覚えてないの?」とか「また忘れてるよ!」とかあれこれ言って、かなり叔母を叱責していたらしい。そうだよね、、。

認知症とわかってからは色々勉強して、叱責したり怒ったりすることは、さらに症状が悪化していくことを知り、意識して言動に気を付けるようにしているという。

だから、叔母がいる前でみんなが「お母さんのお世話して大変だねえ」と言っても、「いや、そんなことないよ」と返す。叔母が傷つかないように。

そのおかげなのかわからないけれど、叔母の認知症は緩やかな経過をたどっている。表情も明るいし、むしろ社長時代よりも穏やかになったように見える。

自分にできるだろうか、と想像してみる。おそらく無理だ、、。

わたしの父はとても短気で些細なことで大声をあげて怒鳴り散らす。
子どもの頃は飲み物や食べ物をこぼすと頭を叩かれたし大声で怒鳴られた。
ほんとうにいつも些細なことで手をあげ怒鳴り散らす人だった。

母はいつも「子供なのだから仕方がないでしょ」とわたしたちをかばってくれたけれど、母が亡くなる前も後も、そして現在も、父は相変わらず些細なことで怒りが沸点に達し、怒鳴り散らす性格は変わらない。

コロナもあって、そのうち実家に誰も寄り付かなくなった。

今は自分が飲み物や食べ物をこぼす側になり、言い訳のように「年を取って手に力が入らなくなった」という。もちろん、わたしたちは誰も責めない。


親の介護をする、しないは、家族との関係が大きい。

一度、いつもいく美容院で親の介護の話になったとき、担当の美容師さんが、親を施設に入れるなんてけしからん!みたいなことを言った。

ほぅ~。この人はそういう考えなのだな、と思った。

家族と一緒に過ごしたからといって幸せだとは限らない。
家族と暮らすよりも施設に入ったほうがストレスなくずっと気楽に過ごせる人だっている。

わたしがもし父と暮らしたら、わたしも父もストレスで発狂すると思う。
最悪、どちらかが殺人者になるかもしれない。

家を出てから20年以上一緒に暮らしておらず、それぞれ自分の生活スタイルがあるわけで、また一緒に暮らすというのはやっぱり現実的ではない。


先日、叔母に会いに行くときに実家に1泊したが、あることが原因で父の怒りがまた沸点に達しそうになったので、わたしはさっさと自分の部屋にこもった。10代のわたしがそうしていたように。
その頃と違うのは、父が部屋まで追いかけてこなくなったことだろうか。

色々考えて、一緒に暮らすなんて絶対無理!!だと思う。

とりあえず、実家近辺で良さそうな施設をいくつかピックアップしておこうと考えている今日この頃です。



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