飛行機で隣り合わせになったご夫婦のやりとりに心が痛む

先週末は福岡まで鍼の勉強会に行ってきた。

行きの飛行機で隣合わせになった70代と思われるご夫婦。
飛行機に搭乗した直後から夫が妻を怒鳴るので居心地が悪い。

妻は軽度の片麻痺、言語障害、認知力の低下が見られる。
同じことを繰り返し夫に聞いたりする。
そのたびに、夫が妻に罵声を浴びせる。
周りの乗客がこちらをじろじろ見てもお構いなし。

大声で、しかもものすごくバカにした物言いに、妻は黙り、夫の顔色を窺っている。

飲み物が運ばれてきて、妻がスープを頼んだ。
夫「こういう飲み物が一番身体に悪い。こんなもの飲むやつはバカだ!」
妻は黙ったまま。
わたしも妻と同じスープを飲んでいる、、、。
なんだか自分がバカにされて怒られている気分になる。

妻がトイレに立ち、席に戻る。
シートベルトの締め方がわからなくなったようだ。
何度もカチカチやっている。
妻「これ、どうやってやるの?」と夫に聞く。
夫「お前はバカか!ほんとうに鬱陶しいやつだな!みればわかるだろ!」と怒鳴る。
妻は、黙り、自分でなんとかしようとずっとカチカチしている。

私は妻の隣に座っていたので、声をかけようかどうしようかとても迷った。
余計なことをしてわたしも夫に怒られるのではないかと思ったのだ。

夫が窓のほうを見ている隙に、小さな声で、
「ベルトの方向が逆ですよ」と声をかけ、差込口の方向をさっと変える。

妻はわたしに「ありがとう」と少したどたどしく言う。

その後も、妻が何かを尋ねるたびに、夫は全否定して怒鳴り散らす。

なんてこったよ、ほんとに。
この夫はたぶん、妻が病気をする前もした後も変わらないのだ。
きっと、病気になる前から、ああやって妻を罵倒し、バカにしていたのだと思う。

妻よ、なぜこんな人と結婚したのか?
余計なお世話だが、そう思ってしまう。自分の母だったら離婚を勧める。

いや、でもこの夫にだってきっと良いところもあるのだ。そう思いたい。
そうじゃなきゃやりきれない。毎日あんな風に怒鳴られて罵倒されたら精神的にまいってしまう。

コロナ明けの久しぶりの遠出だったが、もやもやした気分で目的地に向かうことになったのだった。

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