人間が一番怖い

このところメンタルがやられっぱなしでまいっている。
国家試験が終わり、2日後からフルタイムの翻訳の仕事を始めたわけだが、2ヶ月目に突入してほんとこれメンタルやられる仕事だなと改めて思う。
(誤解しないでいただきたい。翻訳大好きという人もたくさんいる。)
その間も、不動産屋めぐり、引っ越し業者手配など普段関わる必要のない人たちとの関りが多く、特に不動産屋と引っ越し業者はナンバー1、2を争うレベルで関わりたくないひとたちだ。

カナダの大学に入学して家をさがすときも本当に苦労した。ルームメートとそりが合わず結局別々のアパートで暮らすことになったのだけれど、退去したいとオーナーに申し出た途端に、オーナーの態度豹変。デポジット(敷金)を返してくれない。20歳そこそこのわたしは非常に狼狽した。そのとき助けてくれたのが、同じ大学に通う友人のホストマザーだった。
何度もうちのオーナーに電話をかけ、交渉してくれた。
「遠い国からひとりでやってきて、親御さんはどれほど自分の娘を心配しているかあなたもお子さんがいるならわかるでしょう。そんなひどい仕打ちをして、彼女は(←わたしのこと)わたしたちカナダ人に、カナダという国にどんな印象をもつと思いますか。あなたの娘が異国で同じ目にあったらどう思いますか」と話してくれて、数か月後にやっとデポジットが返却された。

わたしなんてまだましなほうで、フランスからきた留学生と中国からきた留学生の7人組でアパートを借りた学生たちは、オーナーが口座から勝手にお金をどんどん引き出していたというとんでも事件もあった、、、。これにはさすがにビビった。
このとき、チャット友だちだったアメリカ人のデイビッドに言われたひとことが、「Landlord(大家)だけは絶対に信用するな。これは日本だろうとカナダだろうとアメリカだろうと同じだ」だった。

不動産屋で腹黒い人たちと対峙するうちに、気持ちが沈み、むかーしむかしのことをふと思い出した。わたし結構色々な修羅場をみてきたなと改めて思うのだが、まったくもって肝が据わらない。毎回、「ひょえ~!!!」とびびりまくっている。

鬱々としながらそれでも毎日仕事をして、種々様々な手続きに奔走し、気づいたことがある。
好きな仕事をしているひとは総じて皆フレンドリーで仕事も楽しそうにやっている。
一方、好きでもない仕事をしている人(←わたし含め多くの人がそう)や人をだましてなんとか1円でも多くお金をふんだくろうと画策している輩は感じが悪いうえにしょーもないことばかり話してくる。いや、表面上感じよくしているのだが、腹黒さが見え見えで、それをすぐに感じ取ってしまうわたしは、どっと精神的に疲れてしまうのだ。

先日、近所で中古の自転車を購入したのだが、そこは年配のスタッフさんが自転車を修理して販売しているところで、そのご高齢の方々はみなさんとても楽そうに笑顔で働いていらっしゃった。みなさんニコニコしながら質問に答えてくれ、自転車初心者のわたしにアドバイスしてくれる。そして他のお客さんも皆さん感じよく、世間話をしたりしながら和やかな時間を過ごせた。久しぶりに鬱々気分が晴れた時間だった。




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