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はり師きゅう師国家試験対策勉強法公開

第31回はり師きゅう師国家試験の合格通知が届きました。自己採点で合格していることはわかっていたものの、実際に合格通知を受け取るまでは不安な気持ちもあり、無事に合格してほっとしています。
合格率は例年とそれほど大きく変わらず、70%程度。
午後の問題は難しいと感じた人が多かったようですが午前が簡単だったのでそこで相殺されたようです。
クラスメートは何人か落ちてしまったのですが、中にはもう来年は受験しないという人もいます。なぜなら浪人生の合格率はとても低く、2~3割程度にとどまるからです。その上、この膨大な範囲の試験勉強をひとりで1年間こつこつ続けるのは、そもそも勉強習慣がなく、勉強が苦手な人にとっては非常に厳しいものがあります。
学校側もそれを十分に承知しているため、浪人生は聴講生として授業や補講に出ることが許されており、プリント配布などのサポートも受けられるようです。それでもやっぱり厳しい。
そこで、今回は国家試験対策の勉強法を公開します。今回の国家試験でも9割以上得点できているので自分の勉強法は間違っていないと確信しています。勉強が苦手、どうやって勉強したらいいか分からないという方はぜひ参考にしてみてください。

【国家試験対策勉強法①国家試験まで1年以上時間がある人】
①国家試験の過去問を入手する
まずは国家試験の問題の傾向を把握するために、過去問を購入してください。今年の試験を含む問題集は今夏に発売されますが、メルカリなどで去年や一昨年ものが安く入手できますので、まずは10年間分の過去問題集をゲットしてください。

②サブ教科は「問題を解く」⇒「解説を読む」⇒「暗記する」
過去問題集は教科別に分かれており、さらに細かく項目ごとに分かれています。
主要教科以外の「医療概論」「衛生学」「関係法規」「病理学」は、問題を解く⇒解説をよく読む⇒暗記でよいと思います。これら4つの教科は勉強するというよりもひたすら暗記です。学校で配布されたプリントがあればそれに目を通すのも良いでしょう。
ここで重要なのは、解説をよく読むこと。これはサブ教科に限らず、メインの教科でも重要なことです。とくに解説の赤字部分は問われやすいので覚えましょう。
また、「コクシーランド」という過去31年間分の問題と解答を4択形式で勉強できるサイトがあるので、過去10年間分だけでなく、最低でも20年間分は解いてください。
<コクシーランド:
https://kokusyland.com/
ただし、統計の問題などは現在とは変わっている可能性があるのでそこは注意が必要です。「あれ?」と思ったら自分で調べるくせをつけてください。たまに過去問題集の解説が間違っていることもありますので注意してください。
「おかしいな」と思ったらまずは自分で調べる。調べて分からなければ教員に質問してください。高額な授業料を払っているわけですから学校はうまく活用しなければもったいないです。
たまに、若い学生で「バカだとも思われるから教員には質問できない」という人がいますが、あなたが勉強できないことは教員を含めみんな知っています。そんな小さなプライドは捨ててください。わからないまま不合格になるより、バカだと思われても質問して答えを明確にして合格したほうが良いですよね??
そもそも教員は誰が勉強できないかは十分把握していますし、学生からの質問をバカにしたりしません。「自分で調べたけどわかりませんでした」と言えば、丁寧に教えてくれる教員がほとんどだと思います。

☆自分で調べて分からない問題は必ず教員に確認する
☆でも、まずは自分で調べてください。教科書や参考書、インターネットで調べれば多くの問題は解決します。すぐに質問する前にまずは自分で調べるクセをつけてください。
☆教科書は索引検索を利用する。教科書の最後のページはキーワードから探せるようになっています。目次から探すよりも探しやすい場合が多いので索引検索を活用しましょう。

③メインの教科は時間をかけてじっくりこつこつ
ここからはメインの教科の勉強法です。
基本はサブ教科の勉強法でよいのですが、時間がある人は教科書をうまく活用していきましょう。
まず、過去問題集を教科別項目別に解いていきます。

例えば「生理学」の場合。
最初の項目は「生理学の基礎」ですよね。
先ずはこの項目のすべての問題を解きながら解答・解説を確認していき、自分の苦手な部分を把握します。解説も必ず読むくせをつけてください。

次に、1問ずつ、該当の教科書の文章に下線を引きます。
過去問題集の項目と教科書の項目は連動しています。
例として、生理学の「生理学の基礎」第21回-31の問題を見てましょう。

問「細胞小器官とその働きとの組合せで正しいのはどれか。」
解「リボソーム ─── 蛋白質合成」

この問題は、生理学の教科書の第1章p.5に「リボソームはタンパク質合成の場」と記載がありますので、ここに鉛筆で下線を引きます。
この前後2,3行にしっかりと目を通してください。
・リボソームはタンパク質合成の場
・リボソームはrRNAとタンパク質からなる
・リボソームがついた粗面小胞体と、リボソームがついていない滑面小胞体がある
この内容が理解できていなければ、ここにも線を引きます。
そして、何も見ずに「リボソームとは何か」を声に出して説明してください。必ず自分の言葉で説明する習慣をつけます。
説明できない=理解できていないということです。

これを繰り返します。
問題を解く⇒解答解説を確認する⇒教科書の該当部分に鉛筆で下線を引く⇒何も見ずに自分の言葉で説明できるか確認する

これをまずは過去10年間分、主要教科すべて行います。

2周目。
はじめから問題を解きます。
次は、間違えた問題にチェックつけ、教科書の該当部分にマーカーをつけます。これは1周目で覚えられなかった部分を明確にするためです。
1周目と同様、自分の言葉で説明できるか確認してください。

3周目。
はじめから問題を解きます。
間違えた問題に大きく印をつけます。教科書の該当部分に、赤色のボールペンで下線を引きます。ここはあなたが苦手とする部分です。3回解いても不正解だった問題です。ノートに自分の言葉で書き留め、通学時間などの隙間時間に何度も目を通してください。

4周目。
3回目で間違えた問題のみを解きます。自分の言葉で説明できるようになっていますか。何度やっても間違えてしまう問題も中にはあるかもしれません。ここまできたら「捨てる」という選択肢もありです。どうしても覚えられない内容は誰でもありますので、試験が近くなってきたらもうそこは割り切ってその問題は捨てましょう。

5周目。
試験前最後にすべての問題を再度解いて、基礎的な問題は確実に点数が取れるようにしておきます。

以上からわかるように、10年間分の過去問題集は最低5回は解いてください。
可能であれば過去20年間分の問題を解いておいたほうがいいと思います。10年以上前の同じ問題が出題されることも多々あります。
そして、さらに余裕のある人はあま師の過去10年間分の問題も解いておきましょう。コクシーランドにはあま師の31年間分の問題も4択形式で表示されます。
過去にあま師で出た問題がはり師で出たことも多々あります。

④授業プリントもしっかり活用する
学校で配布される授業プリントは、教員が長年蓄積し改良を重ねたものが多いのでわかりやすく作成されているはずです。3年生になると国家試験対策プリントも大量に配布されると思います。理解促進に役立ちますので、面倒がらず、隙間時間を活用して目を通しておきましょう。その際、過去問で見た箇所は必ずマーカーを引き、脳内にしっかり記憶させましょう。

【国家試験対策勉強法②国家試験まで残り3ヵ月を切っている人】
国家試験まで残り3ヵ月しかないという人は、過去問題集を解きながら解説をしっかり読みましょう。解説の赤字部分は必ず覚えてください。
過去問に出てくる経穴は取り方まで確実に暗記してください。
3ヵ月あれば過去問に出てくる程度の経穴は暗記できます。
覚えられない内容は潔く捨てましょう。難しい問題にこだわるのではなく、基本的な設問を確実に得点すれば合格できます。

最後に、7割の受験生が受かる試験ですがやはり試験前は緊張します。しかしあまりにも緊張しすぎると、記憶していた内容さえも思い出せなくなってしまいますので深呼吸してリラックスするように心がけましょう。最後は「きっと大丈夫」と開き直ってください。
人によるとは思いますが、試験会場に入ってしまえば意外と緊張しません。なぜなら、集合時間から実際の試験開始時刻まで30分以上延々と説明が続き、あまりにの説明の複雑さと長さにうんざりし、徐々に緊張がほぐれていくからです。試験会場の教室は誕生日順ですので周りは知らない学生ばかりですが、合格を目指して頑張る同じ仲間です。最後まであきらめずに頑張ってください。


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