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一国一城の梁山泊 ―世界にコミットする『起業』という生き方―

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すべての人は人生に問われている。自分の人生の責任を引き受けることによってしか、その問いかけに答えることはできない。  ――ヴィクトール・フランクル『夜と霧』 人にはいくつもの「…
運営しているクリエイター

2020年1月の記事一覧

米国VCが好む起業家の7つの特徴(その1)

米国VCが好む起業家の7つの特徴(その1)

自己紹介DCMベンチャーズというシリコンバレーのベンチャーキャピタルで、スタートアップに投資をしている原です。

思い立ってNoteを始めることにしました。文章にするなら最初は好きな起業家の話にしようと思ったので、その起業家の特徴と具体例について書きます。趣味で海外のVCとか起業家のインタビューを見るのが好きで、彼らがよく話す"成功する起業家の特徴"からまとめて絞り込みました。それぞれの特徴と僕が

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『アニメを殺す経営』――悲惨なマネジメントが押し潰す日本のクリエイター業界に必要なもの――

※このnoteはTogetterにて公開している「好き勝手に語りたいアライさん」アカウントでのテキストを通常の文体に書き変えたものです。執筆者、内容についてはどちらも共通です。

Togetter版:https://togetter.com/li/1451938

今回のテーマは、「『アニメを殺す経営』――悲惨なマネジメントが押し潰す日本のクリエイター業界に必要なもの――」です。

長いので、最後

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起業 in Japan ― 日本人が忘れてしまいつつあること。

起業 in Japan ― 日本人が忘れてしまいつつあること。

ウーバーのなにが画期的なのかが、日本人には判らない。
海外では、日本のようにタクシーを呼ぶという仕組みはなかった。宅配という仕組みは今や「世界標準」だが、日本発である。自宅にまで荷物を届けるというサービスは世界のどこにもなかった。スマホを使っているだけで、本質は変わっていない。世界的に話題となるビジネスを目にしても、何がすごいかがわからないことが多い。

「起業 in Japan」がブーム。
世界

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営利目的という事をもう一度考えたい

営利目的という事をもう一度考えたい

営利目的でないビジネスはない。
だけど、今の世の中、というかネットのコミュニケーションの中では営利目的は非常に嫌がられている。

なぜなのか。すごく、そこに違和感がある。
営利目的を表に出されると嫌な気分になるというのは、どうしてだろうかと。

気持ちはすごくわかるし、そりゃ1円でも安く買いたいという気持ち、すごくわかる。送料がかかるのが嫌、という気持ちもよくわかる。

そして、「相手が儲かるのが

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ベンチャーキャピタルから個人破産申立されて4,000万円支払った話

ベンチャーキャピタルから個人破産申立されて4,000万円支払った話

事実は小説より奇なり。誰も恨まない生き方をするに至った過程をnoteにまとめ、たった1人でも役立てば良いと考え、ナレッジとして残すことにした。

経営は社長に責任がある。これは間違いない。起業家は出資者を恨むことをしない方が幸せになると思う。これもたぶん間違いない。厳密には違うけれども僕が心がけていることだ。

そんな僕が、金商法違反を平気で行うベンチャーキャピタル(VC)から個人破産申立をされた

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スタートアップのファイナンスや資本政策を考える際に読んだ方がよい記事や本10選(後編)

スタートアップのファイナンスや資本政策を考える際に読んだ方がよい記事や本10選(後編)

「ファイナンスの知識がないのですが、スタートアップの資金調達を考える際には、まず何から学べば良いですか。」といった方を主に対象として、スタートアップのファイナンスや資本政策を考える際に読んだ方がよい記事や本10選をまとめた後編です。

前編をまだ読まれていない方は、前編から読まれることをお勧めします。というのも個人的に読みやすいと思う順番から紹介しているからです(注)。

以下、後編です。

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スタートアップのファイナンスや資本政策を考える際に読んだ方がよい記事や本10選(前編)

スタートアップのファイナンスや資本政策を考える際に読んだ方がよい記事や本10選(前編)

「ファイナンスの知識がないのですが、スタートアップの資金調達を考える際には、まず何から学べば良いですか。」

私はスタートアップ関連の資金調達や事業計画作成の支援等を行なっていますが、こういった質問をよく受けます。これまでファイナンス関連業務に携わってこなかった多くの人は、スタートアップ企業のファイナンスや資本政策について何から手をつけて良いのかわからない傾向にあります。

そこで、本記事では資

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借金の本質とはタイムマシンである

借金の本質とはタイムマシンである

ほとんどの人は「借金怖い!絶対しない!」と考えています。ところが、どうもお金持ちや経営者の多くは「借金!最高!ガンガン借りたい!」と思うようです。

どうも経営者の人々は、借金にたいする感覚が違うみたいなんですね。スタートアップをお手伝いしていると、メンバー間でこの感覚のズレが問題になるケースがあります。

そんなわけで、借金とは何で、どういう効果があるのか。わかりやすく説明しておきたいなと。

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主婦と個人事業主の間で働き方とその多様性について考えて来た私が言いたいこと

主婦と個人事業主の間で働き方とその多様性について考えて来た私が言いたいこと

「趣味警察」撲滅宣言「ふ〜ん、それで?」

「生活費に困らないくらいの収入はあるの?」

出た。
出ましたよ。

何回聞いただろうか、このくだり。

次に続く言葉は分かっている。

「なーんだ、それ『趣味』じゃん」

曰く、「そんな程度の収入で、『仕事』なんて言わないでよ」と、ヘソが茶を沸かすと言わんばかりの見下し方である。
私の「仕事」とあなたの「仕事(趣味)」とは、天と地ほどの開きがある、一緒

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なぜサラリーマン経営者の言葉は心に響かないのか。響く言葉を持つためにすべき3つのこと。

なぜサラリーマン経営者の言葉は心に響かないのか。響く言葉を持つためにすべき3つのこと。

内藤忍さんがコラムに書いている通り、私の履歴書って残酷なほどにサラリーマン経営者の内容を読んでても感動せずに、呆れることが多くあります。

ただこれってコラムだけではなくスピーチとかでも同様なんですよね。創業者とサラリーマン社長との間には、全く次元の違う差がある。さらに言えば、創業者でないにしても、オーナー社長と、単なる雇われ社長とでは全く違うのです。

それはまさにリスクを負っているかどうか、と

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いつのまにか、店を引き継いで1年が経っていた

いつのまにか、店を引き継いで1年が経っていた

店を引き継いでから、いつのまにか1年と1ヶ月が経っていた。2018年の12月1日に「旧:喫茶エントワ」を夫婦で引き継いだ。タイミング的に年末年始に振り返ればいいものを、2Fの準備をしていてすっかり忘れていた。

正月気分はとうに抜けているはずなのに今更思い返している。

滑り出しは順調だった。前の店長が退職するのは半年前からわかっていた。引き継ぐことに特に不安はなく、自分たちがやると決めていたし、

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ベンチャーファイナンスの視点からみた「うわさのズッコケ株式会社」

ベンチャーファイナンスの視点からみた「うわさのズッコケ株式会社」

ズッコケ三人組という本を知っていますか?

有名なシリーズなので読んだこともある人も多いかと思います。読んだことがない方向けに簡単に紹介すると、三人の小学生、ハチベエ・ハカセ・モーちゃんが日々の生活で巻き起こす色々な物語が描かれている児童文学のシリーズで、番外編などを除くと50巻が刊行されています。
基本的に各巻ごとに話が完結するので読みやすく、小さい頃は年2回の新刊の発売日を楽しみにしていました

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