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人と組織をつくる哲学 ―マネジメントと教育の「共通解」―

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マネジメント=管理とは「兵站(生産・物流・調達部門)を通じて限りある資源(ヒト・モノ・カネ・トキ)を把握・分配し、適時適切に適所で活かす」ことである。古来より兵站を軽んじ、人材や…
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2019年11月の記事一覧

「デザインマネジメント論」を語る(1)

「デザインマネジメント論」を語る(1)

ポドキャストを再開しました。1時間程度です。

八重樫文さんと安藤拓生さんの本『デザインマネジメント論 ビジネスにおけるデザインの意義と役割』(新曜社)を前に、ミラノのカフェで八重樫さんとこの本について質問したり、話し合ったりした内容の第1回目です。

この本は、八重樫さんの表現を借りれば「これからデザインマネジメントの議論の場で使っていって欲しいワード」を解説したものです(だから、知らない言葉が

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「デザインマネジメント論」を語る(2)

「デザインマネジメント論」を語る(2)

先週に引き続き、八重樫文さんと安藤拓生さんの本『デザインマネジメント論 ビジネスにおけるデザインの意義と役割』(新曜社)について、ミラノのカフェで八重樫さんにこの本について質問した記録をポドキャストで公開しました。

今回はIIの「デザインと技術の相互作用」という見出しの意図、「デザイン主導型イノベーション」と「デザイン・ドリブン・イノベーション」の違い、「デザインディスコース」「テクノロジーエピ

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チームは何人がベストなのか?

仕事をするうえでのチームは何人がベストなのでしょうか?
もちろんプロジェクトや仕事量の関係もありますが、最小単位となるひとまとまりの話です。
組織が大きくなるなら、そのひとまとまりの中にリーダーがいて、それがさらにつながっていくイメージですね。

最小単位は7人がいい、という話を聞いたことがあります。
ふ~ん、そんなもんかなぁ。と思っていたのですが、ミズーリ大学の認知心理学者、ネルソン・コーワンと

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過重労働をさせない管理者になろう。部下を過重労働で不幸にさせてはいけない。

過重労働をさせない管理者になろう。部下を過重労働で不幸にさせてはいけない。

どこの会社にもありそうな話ですが、過重労働は問題になりますよね。
そして労基法に違反して労働させる上司もいます。私は管理者になった時から決めていることがあります。

労基法違反したときは会社を辞める

法を犯してまで達成すべきものなんて何もないと思っています。そして、法を犯してまで達成しようという人間に成り下がったなら、現場から退くべきだと。

■ 過重労働で問題なのは過労死のリスクがあることこん

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マッキンゼーが提唱する「らせん型組織」とはなにか?

マッキンゼーが提唱する「らせん型組織」とはなにか?

マッキンゼーの論考「The helix organization らせん型組織」が興味深い内容なので訳していきたいと思います。 

本論では、まず世界の大手企業のCEOが、事業構造の変化の激しい今のビジネス環境に対応した組織モデルを模索していることが述べられます。そして、この解決策としてマッキンゼーは「らせん型組織」を提示しています。

ではその冒頭の部分を訳してみましょう。

(始)------

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DAY6 『信頼投資™️』 信用と信頼の違いについて

DAY6 『信頼投資™️』 信用と信頼の違いについて

ここ数ヶ月、出会ったクライアントに質問している。
信用と信頼の違いって分かりますか?
『信頼』を築くのは時間がかかるが、『信頼』を失うのは一瞬だ。
この文章は、間違いだ。正解は『信頼』ではなく→『信用』だ。
『信用』は、相手に対する『理性的』な判断。
『信頼』は、相手との『感情的』な結びつき。(双方向)
『credit』と『trust』の違いと言っても良い。
『信頼=信用』になっている人は、自己中

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生き残るコミュニティの3要素【オンラインサロンの心理学】

生き残るコミュニティの3要素【オンラインサロンの心理学】

2018年から2019年は、オンラインコミュニティやオンラインサロンと呼ばれるサービスが流行した年でした。

ただ流行というものの常として、成功の陰には少なくない死体があるわけで・・・。

なにごとも『始めるよりも続けることが難しい』と言われます。

オンラインコミュニティもその例にもれず、続けていくことは始めるよりもはるかに難しいようです。

このnoteは、僕が多くのオンラインサロン・オンライ

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非正社員をやる気にさせるインセンティブとリバース・メンタリング

非正社員をやる気にさせるインセンティブとリバース・メンタリング

 非正社員率が高い会社では、正社員との待遇格差が、社内の人間関係を悪くして、モチベーションの低下を引き起こしていることがある。

そこで、アルバイトやパート社員に対しても、数万円程度のミニボーナスを支給している会社もあるが、大切なのは、会社側がスタッフに対して感謝の気持ちを示すことであり、経営者や幹部社員と食事をして、仕事やプライベートの話ができる機会を設けることだけでも、モチベーションの向上に繋

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「察しと思いやり」に必要な「観察」の練習方法

「察しと思いやり」に必要な「観察」の練習方法

「日本人の信条は察しと思いやりだからよ」

というのは『ヱヴァンゲリヲン:破』での葛城ミサトのセリフです。「どうして日本人って危機意識がないのかしら!」というアスカをたしなめるように、このセリフを言いました。

他人の気持ちを察して思いやることは、友達と雑談をするときでも、子どもと関わるときでも、会社で会議をするときも、効果を発揮します。

そこにいる人の気持ちが無視されたまま事が進んでしまうと、

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本質を理解することだけに注力しよう

本質を理解することだけに注力しよう

いきなりですが。

たとえば、ソフトウェア開発の世界では、"要件定義"と言う言葉があって、一番最初に「現状の把握」「要求の整理」「制約事項の確認」「システム化領域の特定」「対効果の分析」などを行いますが、この"要件定義"工程が無いと、システムは開発できないのか?と言うと、疑問が残ります(いや、大抵必要ではあるんですけど)。もう少し厳密にいうと、必要性をきちんと確認せずに、もしも

 「とにかく要件

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「正そう」とする前に「分かろう」とする③

「正そう」とする前に「分かろう」とする③

悩みの聴き方シリーズの3回目。
今回は、やってしまいがちな「危険な悩みの聴き方」について。

質問:部下からの相談「仕事が楽しくない。辞めようと悩んでる。」と、相談を受けた時、あなたはどんな反応をしますか?

大切な仲間が、悩んでいるのだから力になりたいですよね。

でも実は、仲間を大切に思うあまり、私たちはつい間違った相談の聴き方をしてしまうことがあるのです。

6つの危険な悩みの聴き方自分がい

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「正そう」とする前に「分かろう」とする②

「正そう」とする前に「分かろう」とする②

昨日の投稿で悩みを相談された時、『正そう』とする前に悩みを『分かろうとする』ことの大切さについて書いたのだけど、
今日は『どんな風にしたら分かろうとする行動ができるのか?』について。

相手を良い方向に導くための4つの方法相手が悩みを相談されると、どうしても相手を思えばこそ「早く解決してあげたい」と思ってしまうもの。。

必死にアドバイスをするけれど、なかなか相手の顔は晴れず、アドバイスも実行して

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「正そう」とする前に「分かろう」とする①

「正そう」とする前に「分かろう」とする①

部下との面談は得意ですか?

しっかりとアドバイスをしたのに相手の顔が曇ったままだったり、
面談をしたすぐ後に実は仕事を辞めたいと言われたり、
外の上司には本音を話すのに自分には話してくれなかったり、、

など、リーダーとして部下の本音を気づいて導くのは難しく、面談や1on1ミーティングの前は嫌だな〜と思うこともあるのではないでしょうか?

「正そう」とする前に、「分かろう」とする

ます前提とし

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「固定観念にとらわれずに、自由にアイデアを考えましょう!」というファシリテーションに対する改善提案

「固定観念にとらわれずに、自由にアイデアを考えましょう!」というファシリテーションに対する改善提案

ワークショップやファシリテーションを専門に仕事をしていると、現場の方々とコミュニケーションをするなかで「外部でこのような酷いワークショップを経験した」「こういうファシリテーションに、参加者として不快な思いをした」というような報告が、耳に入ってきます。(たまに自分たちもやっちゃってるなー..と思って、耳が痛くなることもあります笑)

そのなかでも、多く耳にする”愚痴”が、以下のようなファシリテーショ

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