安斎勇樹

株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環特任助教/人と組…

安斎勇樹

株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環特任助教/人と組織の創造性を高める方法論について研究しています/主な著書『問いのデザイン』『問いかけの作法』など http://yukianzai.com/

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    問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術

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    問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

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  • 経営・組織マネジメント

    MIMIGURIの経営に関する気づき、組織マネジメントに関する知見、エッセイをまとめていきます。

  • 遊びのデザイン論

    「遊びのデザイン」に関する研究メモ、エッセイなどをまとめていきます。

  • ワークショップデザイン・ファシリテーション論

    ワークショップデザインやファシリテーションに関する知見や論考をまとめていきます。

  • 問いのデザイン論

    「問いのデザイン」に関する研究メモ、エッセイなどをまとめていきます。

  • 書評・読書メモ

    安斎が読んだ書籍や文献の感想、メモ、レビューに基づくエッセイなどを書き残していきます。

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最近の記事

企業に染み付いた組織文化を変えるには?「カルチャー」変革のための3つのレバレッジ・ポイント

前回の記事では、先行研究をもとにカルチャーの定義を紐解き、カルチャーが組織において果たす役割とその重要性について確認しました。 その後編となる本記事では、どのようにしてカルチャーがつくられるのか、どうすればカルチャーを変革できるのか、というテーマについて解説していきたいと思います。 とはいえ、あらかじめ断っておくと、組織に染み付いたカルチャーを変えるのは、簡単なことではありません。 そこで本記事では、具体的に注力すべきカルチャー変革の3つのレバレッジ・ポイントについてご

    • 企業の「カルチャー」とは何か?「組織文化」研究から考える、その本質

      組織について語る上で、必ずと言ってもいいほど頻繁に用いられる「カルチャー」というキーワード。 しかしながら、カルチャーという言葉がいったい何を指しているのか。改めて問われると、意外によくわからないという方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、先行研究をもとにカルチャーの定義を確認し、組織においてカルチャーがどんな機能を果たしているのかについて解説します。 「企業文化」研究は、日本企業への注目から生まれた多くの人にとって親しみ深い「カルチャー」という言葉ですが、

      • 採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき

        昨年のことになりますが、Indeed Japan主催の「キャリア社員が継続活躍できる組織の作り方」というテーマのセミナーで、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆さんと対談させていただく機会がありました。 伊達さんとは、実は大学院生時代からの十年来の友人でもあるのですが、こうして外部のイベントでご一緒させていただくのは、この機会が初めて。なんだか感慨深いものがありました。 拙著『問いのデザイン』が「HRアワード2021」最優秀賞に選ばれ、伊達さんがその翌年、『越境学習入

        • 21世紀の組織づくりのスタンダードを打ち立てる──MIMIGURIの知を結集した「新時代の整合性モデル」とは?

          MVVの開発・浸透、人事や評価制度の構築、事業目標の管理、採用や人材育成、カルチャー醸成……「組織づくり」と称して、企業ではさまざまな施策が行われていることと思います。 しかしこれらは、組織をつくる断片的な施策にすぎず、組織づくりの本質は、さまざまな組織の構成要素を「整合」させることにあります。 これまでは、組織の整合性を確認するためのツールとして、「ナドラー&タッシュマンの整合性モデル」が使われてきました。しかし、整合性モデルは1980年代のアメリカで開発されたものであ

        企業に染み付いた組織文化を変えるには?「カルチャー」変革のための3つのレバレッジ・ポイント

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        記事

          2023年のMIMIGURIを象徴する6つのキーワード

          今年もMIMIGURIではAdvent Calendarに挑戦します! MIMIGURIは合併後3期目を迎え、メンバーは約70名となり、"人と組織に対する深い洞察と専門知を有する経営コンサルティングファーム"をアイデンティティに掲げながら、毎日楽しくやっております。 ずっと仮設だったコーポレートサイトも、ようやくリニューアルしました。 さて、MIMIGURI Advent Calendar 2023では、以下の6テーマを掲げて、それぞれのメンバーが好きなテーマを選択して

          2023年のMIMIGURIを象徴する6つのキーワード

          MVV開発、制度構築、カルチャー醸成……いずれも「組織づくり」の本質ではない。前時代の「整合性モデル」と、その限界

          このnoteを読んでくださっている皆さんの中には、「組織づくり」に携わっている方も多いと思います。 しかし、この「組織づくり」という言葉の定義は、人によって案外まちまちです。 「経営理念を作って浸透させることが重要だ」という話もあれば、最近では「心理的安全性を高めることこそが重要だ」という議論もありますね。あるいは、組織カルチャーが話題になることもあるでしょう。 たしかにこれらは、いずれも組織づくりにおいて重要な施策ではあります。 しかしながら、これらは組織づくりを構

          MVV開発、制度構築、カルチャー醸成……いずれも「組織づくり」の本質ではない。前時代の「整合性モデル」と、その限界

          安斎への講演依頼、2023年の人気テーマ

          この3年間で『問いのデザイン』『問いかけの作法』『リサーチ・ドリブン・イノベーション』『パラドックス思考』などを出版し、最近では「新時代の組織づくり」「冒険的世界観」などのキーワードを積極的に発信していることから、大変ありがたいことに幅広いテーマで講演依頼をいただくことが増えてきました。 リソースに限りがあるためすべてのお声がけにお応えすることはできないのですが、自分にとって「探究の成果を話すこと」は内発的にも楽しい仕事で、喋りながら「回数を重ねるごとに、言語化の精度があが

          安斎への講演依頼、2023年の人気テーマ

          "軍事的"ではない経営はいかにして可能か?「冒険的世界観」を実現するマネジメントを探究する

          前回の記事では、20世紀のビジネスを支えてきた「軍事的世界観」に焦点を当て、いまはその限界が表出しているタイミングにあることを説明しました。そしてこれからの時代においては、「冒険的世界観」という新たなパラダイムにシフトする必要があるのではないか、ということについても触れました。 しかしながら、軍事的世界観から冒険的世界観へのシフトとは、「もっとゆるくラクに働こうよ」という意味ではありません。 冒険的世界観を組織において実践するためには、むしろより高度なマネジメントが求めら

          "軍事的"ではない経営はいかにして可能か?「冒険的世界観」を実現するマネジメントを探究する

          組織を遊ぶ、ルールのデザイン論:カルチャー改革の手がかり

          ビジネスカルチャーマガジン『XD MAGAZINE』Vol.7(7月20日発売)に安斎の寄稿記事『組織を遊ぶ、ルールのデザイン論』が掲載されました。 雑誌のテーマが「遊ぶ」ということで、実は『問いのデザイン』の次は『遊びのデザイン』を執筆しようという構想もあったくらい、自分にはドンピシャのテーマ。さらにはちょうど法律家の水野祐さんと共に「ルールデザイン」について研究を進めていたこともあり、喜んで執筆をお引き受けしました。 雑誌には魅力的な記事が多数掲載されていましたので、

          組織を遊ぶ、ルールのデザイン論:カルチャー改革の手がかり

          ビジネスを『キングダム』に喩える功罪!? 経営・組織論に根付く「軍事的世界観」とその限界

          「戦略と戦術」「レッドオーシャン」「市場支配」……経営やビジネスの現場で当たり前に使われているこうした言葉。 しかし、ふと考えてみると、いずれも戦争のメタファーが用いられていると気がつきます。また起業家やスタートアップ業界では漫画『キングダム』にたとえてビジネスの話をすることが少なくありませんが、それもまた戦争にたとえていると言えるでしょう。 これらの背景には、ビジネスの世界の根底に横たわる「軍事的世界観」というパラダイムの存在があると私は考えています。そして、20世紀か

          ビジネスを『キングダム』に喩える功罪!? 経営・組織論に根付く「軍事的世界観」とその限界

          なぜナレッジマネジメントはうまくいかないのか:組織に眠れる"もうひとつの暗黙知"の重要性

          近ごろは従業員のノウハウを組織全体で共有する「ナレッジマネジメント」の考えが一般的になっていますが、単にデータベースやWikiを設置するだけで形骸化してしまったり、高度な業務における言葉にならない「暗黙知」をうまく形式知に転換できずにつまづいてしまったり、一部の社員にばかり負担がかかったりと、あまり機能していないケースも多いようです。 ナレッジマネジメントは知識創造の源泉であり、「学び続ける組織」をつくるために不可欠なもの。そもそも、「暗黙知」が何を指すのか、曖昧なまま仕組

          なぜナレッジマネジメントはうまくいかないのか:組織に眠れる"もうひとつの暗黙知"の重要性

          キャリアに偶発性を呼び込み、複数の専門性を獲得するには?冒険的なキャリアデザインを支える「戦略的トラベリング」の提案

          人々の仕事を取り巻く環境が劇的に変化している現代において、「キャリアデザイン」についてもさまざまな議論が交わされ、アップデートが試みられています。 たとえば、教育心理学者のクランボルツは、重要なキャリアの転換点は偶然によってもたらされるという「計画的偶発性理論」を発表し、一度立てたキャリアプランに固執することは、かえってチャンスを掴む可能性を狭めてしまうことを指摘しました。また、「人生100年時代」を提唱したイギリスの組織論学者リンダ・グラットンは、1つの専門性を突き詰める

          キャリアに偶発性を呼び込み、複数の専門性を獲得するには?冒険的なキャリアデザインを支える「戦略的トラベリング」の提案

          心理的安全性だけでは物足りない!?チームにおける真の「よい関係性」の築き方を考える

          コロナ禍を通じて働き方が大きく変化したことで、チームビルディングや組織開発のあり方も見直され、「よい関係性をつくること」の重要性について指摘する人が増えてきていると感じます。 とりわけ「心理的安全性」というキーワードがこの潮流に与えた影響は大きく、「言いたいことを言い合える関係性をつくった方が、チームの生産性とパフォーマンスが上がる」ということは、多くのビジネスパーソンに広まっているのではないでしょうか。私自身も『問いかけの作法』を執筆するにあたって、旧友である『心理的安全

          心理的安全性だけでは物足りない!?チームにおける真の「よい関係性」の築き方を考える

          企業リーダーと事業リーダーは何が違うのか?経営人材への「覚醒条件」を考える

          「次世代の経営層をいかにして育てるか?」 これは、ある程度の規模の企業なら、どこかで必ずぶち当たる難題です。 実際、MIMIGURIでも最近、経営人材育成に関する企業からのご相談が増えています。 もちろん「外部から採用する」という選択肢はあります。しかし、経営層になれるようなエグゼクティブ人材はそもそも市場に少なく、見つかったとしても報酬が非常に高額で、さらにカルチャーフィットする人材となるとほとんど見つからないのが一般的です。 だからこそ、多くの企業が「どうやって社内

          企業リーダーと事業リーダーは何が違うのか?経営人材への「覚醒条件」を考える

          『パラドックス思考』が(惜しくも)刺さらなかった読者への手引き

          新刊『パラドックス思考』出版から2カ月経って、大学生から20代若手、ミドルマネージャーや経営陣とかなり幅広い層の方々に届いているなと実感しています。SNSを見ていると、嬉しい感想もちらほら。 特に大企業やメガベンチャーの重責を担う経営層や幹部リーダーの方々からは「まさに経営とマネジメントの葛藤を言語化してくれたと感じた」「複雑な意思決定の真髄が書かれている」などのありがたい感想を多数いただきました。 一方、Amazonのレビューでは一部に「個人の悩みの解決には役立ちそうだ

          『パラドックス思考』が(惜しくも)刺さらなかった読者への手引き

          学び続ける組織文化をつくるために、MIMIGURIで実践している5つのこと

          「VUCAの時代」や「ハイパーコンペティション時代」とも言われるように、先行き不透明で、気を抜けばすぐに競合に追い抜かれてしまうこの時代。 組織にとっても、個人にとっても、「ひとつのことを長く続ける」戦略はもはや有効ではなく、「学び続ける」姿勢が重要になっています。 こうした背景を踏まえて、以前noteで、学習論研究の蓄積を踏まえて「組織の学習観をすり合わせること」が重要であると書きました。 しかしながら、学習観の統一はあくまでもファーストステップ。そこで終わってしまっ

          学び続ける組織文化をつくるために、MIMIGURIで実践している5つのこと