安斎勇樹

株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環客員助教/人と組…

安斎勇樹

株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO/東京大学大学院情報学環客員助教/人と組織の創造性を高める方法論について研究しています/主な著書『問いのデザイン』『問いかけの作法』など http://yukianzai.com/

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    問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術

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    問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション

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    MIMIGURIの経営に関する気づき、組織マネジメントに関する知見、エッセイをまとめていきます。

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    安斎が読んだ書籍や文献の感想、メモ、レビューに基づくエッセイなどを書き残していきます。

記事一覧

中年期のアイデンティティ・クライシス。その原因と処方箋を考える

「自分に合った仕事とは?」「自分らしい働き方とは?」 多くの人が、自分の個性やアイデンティティと向き合いながら、キャリアを模索していることと思います。 学習論で…

安斎勇樹
12日前
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「探究テーマ」はどうやって設定する?自分の才能を活かした「探究」を実現するための4STEP

「探究テーマ」を設定し、生活に「探究」を取り入れることで、人生は豊かでプレイフルなものになります。 「自分と世界とのよりよい繋がり方」を模索する行為であり、究極…

安斎勇樹
4週間前
170

キャリア目標を捨て、「探究テーマ」を持とう─究極の娯楽でありケアである「探究」という営み

"将来の目標"を明確にして、そのために必要なスキルを主体的に身に着けていこう──こうしたキャリアデザインの考え方は、一般的に多くの人に浸透しているものだと思います…

安斎勇樹
1か月前
357

経営・組織論に根付く「軍事的世界観」は本当に悪なのか?その"功"と"罪"を改めて考察する

ビジネスの世界の根底には「軍事的世界観」というパラダイムが横たわっており、20世紀から続くこの世界観こそが、21世紀の企業や経営者に必要な変革を妨げている。これから…

安斎勇樹
2か月前
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中年期のアイデンティティ・クライシスを乗り越える探究論の探究/リーダーの"正しさ"の鎧/"学習観"のアップデートなど【Voicy5…

4月にVoicyチャンネル「安斎勇樹の冒険のヒント」を立ち上げて、2ヶ月が経ちました。なんとか約15分の音声配信を毎日続けています!おかげさまでフォロワーも2000人を超え…

安斎勇樹
2か月前
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職場は“マジメな場”であるべきか?これから必要な「エンタメ経営」のあり方を考える

「楽しさ」や「面白さ」、エンターテインメント性。これらは従来、企業現場、職場の従業員体験において、あまり重要視されてこなかったように思います。 一方、「エンター…

安斎勇樹
3か月前
194

ブラックボックス化しがちな「目標設定」のナレッジ。組織の上位方針と個人の衝動をミートさせ、「物語」を駆動させるには?

新年度のバタバタが落ち着いて、組織やチームとして新たに設定した目標に向かって走り出しているところかと思います。1年間のチームの歩みに影響を与えるという点で、非常…

安斎勇樹
3か月前
204

新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』発売決定!先行して「はじめに」を全文公開します。

チームづくりに関する最新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』(池田 めぐみ・安斎 勇樹 共著)を今月末に発売します。Amazonで予約が開始さ…

安斎勇樹
3か月前
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組織に“できたてホヤホヤの暗黙知”をシェアする仕組みをどうつくるか?子どもの「逆上がり」習得過程を見て気づいたこと

今日は「子どもの日」ということで、個人的な話になりますが、先日、5歳の娘が「逆上がり」を習得しました。 一人の親として感動を覚える瞬間だったことはもちろん、習得…

安斎勇樹
3か月前
890

"心理的安全性の誤解"の誤解/キャリア目標を捨てよう。探究テーマの重要性/暗黙知を引き出すインタビューのコツなど【Voicy4月…

2023年度を振り返ると、春に「軍事的世界観から冒険的世界観へ」という新たなスローガンを掲げて、冒険型の組織づくりのモデル「CCM」を開発して、今秋出版予定の集大成的…

安斎勇樹
3か月前
68

毎年新刊を出すために実践している、知的生産の4つのルーティーン

近頃は2冊の新刊を仕上げていて、終わりが見えてきました。 1冊目はチームづくりに関するもので、MIMIGURIのリサーチャーの池田めぐみさんとの共著。2022年頃から進めて…

安斎勇樹
4か月前
214

マネジメントの「もぐら叩き」からいかに抜け出すか。ミドルマネージャーが心得ておくべき「問いのデザイン」の新原則とは?

経営層の方針をチームに伝え、実行に移すミドルマネジメントの現場において、「問い」のデザインがますます重要になってきていると感じます。 本記事では、2023年10月に開…

安斎勇樹
4か月前
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いま必要なのは「ゆるやかな組織変革」?「もったいない」から始める、前向きなカルチャー変革のアプローチ

昨年頃から急激に「カルチャー変革」というテーマで登壇の依頼をいただくことが増えています。そうした中で、企業のカルチャー変革の本質や、具体的に実践する際のレバレッ…

安斎勇樹
4か月前
176

企業に染み付いた組織文化を変えるには?「カルチャー」変革のための3つのレバレッジ・ポイント

前回の記事では、先行研究をもとにカルチャーの定義を紐解き、カルチャーが組織において果たす役割とその重要性について確認しました。 その後編となる本記事では、どのよ…

安斎勇樹
6か月前
119

企業の「カルチャー」とは何か?「組織文化」研究から考える、その本質

組織について語る上で、必ずと言ってもいいほど頻繁に用いられる「カルチャー」というキーワード。 しかしながら、カルチャーという言葉がいったい何を指しているのか。改…

安斎勇樹
6か月前
287

採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき

昨年のことになりますが、Indeed Japan主催の「キャリア社員が継続活躍できる組織の作り方」というテーマのセミナーで、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆さんと対…

安斎勇樹
6か月前
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中年期のアイデンティティ・クライシス。その原因と処方箋を考える

中年期のアイデンティティ・クライシス。その原因と処方箋を考える

「自分に合った仕事とは?」「自分らしい働き方とは?」

多くの人が、自分の個性やアイデンティティと向き合いながら、キャリアを模索していることと思います。

学習論でも、「学習とは、アイデンティティの変容である」という学習観が支持されており、人の成長とアイデンティティは密接に結びついています。実際に、20代後半や30代前半くらいになると、知識や技術が増えたことよりも特定の仕事において「一人前になって

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「探究テーマ」はどうやって設定する?自分の才能を活かした「探究」を実現するための4STEP

「探究テーマ」はどうやって設定する?自分の才能を活かした「探究」を実現するための4STEP

「探究テーマ」を設定し、生活に「探究」を取り入れることで、人生は豊かでプレイフルなものになります。

「自分と世界とのよりよい繋がり方」を模索する行為であり、究極の娯楽でありケアである「探究」の特徴や基本については、以下の記事で詳しく解説しました。

一方で、探究テーマを設定することの重要性はわかったけれど、うまくテーマを立てられない……という人も多いのではないかと思います。実際、"全員探究"をカ

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キャリア目標を捨て、「探究テーマ」を持とう─究極の娯楽でありケアである「探究」という営み

キャリア目標を捨て、「探究テーマ」を持とう─究極の娯楽でありケアである「探究」という営み

"将来の目標"を明確にして、そのために必要なスキルを主体的に身に着けていこう──こうしたキャリアデザインの考え方は、一般的に多くの人に浸透しているものだと思います。しかし、不確実性の高い現代において、思い描いた通りのキャリアを歩むことは、いったいどの程度可能なのでしょうか。また、そもそも自分の「将来やりたいこと」や「数年後のありたい姿」がわからないと、悩んでいる人も少なくないと思います。

そうし

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経営・組織論に根付く「軍事的世界観」は本当に悪なのか?その"功"と"罪"を改めて考察する

経営・組織論に根付く「軍事的世界観」は本当に悪なのか?その"功"と"罪"を改めて考察する

ビジネスの世界の根底には「軍事的世界観」というパラダイムが横たわっており、20世紀から続くこの世界観こそが、21世紀の企業や経営者に必要な変革を妨げている。これからの時代は、「冒険的世界観」という新たなパラダイムにシフトしていくはず──以前noteで2記事にわたって、こうした提言を書きました。

しかしながら、もしかすると読者によっては、

「そうは言っても、軍事的世界観にはまだまだ多くのメリット

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中年期のアイデンティティ・クライシスを乗り越える探究論の探究/リーダーの"正しさ"の鎧/"学習観"のアップデートなど【Voicy5月総集編BEST5】

中年期のアイデンティティ・クライシスを乗り越える探究論の探究/リーダーの"正しさ"の鎧/"学習観"のアップデートなど【Voicy5月総集編BEST5】

4月にVoicyチャンネル「安斎勇樹の冒険のヒント」を立ち上げて、2ヶ月が経ちました。なんとか約15分の音声配信を毎日続けています!おかげさまでフォロワーも2000人を超えました。本当にありがたい限りです。

5月のVoicy「安斎勇樹の冒険のヒント」人気コンテンツBEST5本記事では、先月に引き続き、5月に配信した31本のコンテンツのうち、アナリティクス(視聴データ)を振り返って、リスナー数やい

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職場は“マジメな場”であるべきか?これから必要な「エンタメ経営」のあり方を考える

職場は“マジメな場”であるべきか?これから必要な「エンタメ経営」のあり方を考える

「楽しさ」や「面白さ」、エンターテインメント性。これらは従来、企業現場、職場の従業員体験において、あまり重要視されてこなかったように思います。

一方、「エンターテインメント」は、MIMIGURIや僕個人にとって非常に重要な概念であり、毎日の朝会から部門長のミーティング、全社総会や社内番組に至るまで、あらゆる場面で「面白いかどうか」を重視しています。そして、これからの時代においては、「エンターテイ

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ブラックボックス化しがちな「目標設定」のナレッジ。組織の上位方針と個人の衝動をミートさせ、「物語」を駆動させるには?

ブラックボックス化しがちな「目標設定」のナレッジ。組織の上位方針と個人の衝動をミートさせ、「物語」を駆動させるには?

新年度のバタバタが落ち着いて、組織やチームとして新たに設定した目標に向かって走り出しているところかと思います。1年間のチームの歩みに影響を与えるという点で、非常に重要な意味を持つ目標設定と、その伝え方。

しかし、そのナレッジはブラックボックスになりがちであり、「うまくいかない」と相談を受けることも多くあります。

相談の詳細を尋ねると、多くのマネージャーが、上から降ってきた目標をそのままチームに

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新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』発売決定!先行して「はじめに」を全文公開します。

新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』発売決定!先行して「はじめに」を全文公開します。

チームづくりに関する最新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』(池田 めぐみ・安斎 勇樹 共著)を今月末に発売します。Amazonで予約が開始されていますので、ぜひ発売前にご予約ください!

本記事では、一足先に書籍の「はじめに:チームの行く手を阻むもの」を公開いたします。※校正前の原稿ですので、発売時のものとは若干異なります

チームに降りかかる「困難」を乗り越えるには早

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組織に“できたてホヤホヤの暗黙知”をシェアする仕組みをどうつくるか?子どもの「逆上がり」習得過程を見て気づいたこと

組織に“できたてホヤホヤの暗黙知”をシェアする仕組みをどうつくるか?子どもの「逆上がり」習得過程を見て気づいたこと

今日は「子どもの日」ということで、個人的な話になりますが、先日、5歳の娘が「逆上がり」を習得しました。

一人の親として感動を覚える瞬間だったことはもちろん、習得のプロセスがまさにヴィゴツキーの言う「ZPD(Zone of Proximal Development、最近接発達領域)」そのもので、親としても、研究者としても非常に感激してしまいました。

そこで本記事では、「娘の『逆上がり』習得」とい

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"心理的安全性の誤解"の誤解/キャリア目標を捨てよう。探究テーマの重要性/暗黙知を引き出すインタビューのコツなど【Voicy4月総集編BEST5】

"心理的安全性の誤解"の誤解/キャリア目標を捨てよう。探究テーマの重要性/暗黙知を引き出すインタビューのコツなど【Voicy4月総集編BEST5】

2023年度を振り返ると、春に「軍事的世界観から冒険的世界観へ」という新たなスローガンを掲げて、冒険型の組織づくりのモデル「CCM」を開発して、今秋出版予定の集大成的な単著の執筆に取り掛かった1年で、まさに「大きなアウトプット」にすべてのリソースを費やした1年間でした。

単著はまだ現在進行形でブラッシュアップ中ではあるのですが、大型のアウトプットを通してやや燃え尽きかけていたというか、研究者とし

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毎年新刊を出すために実践している、知的生産の4つのルーティーン

毎年新刊を出すために実践している、知的生産の4つのルーティーン

近頃は2冊の新刊を仕上げていて、終わりが見えてきました。

1冊目はチームづくりに関するもので、MIMIGURIのリサーチャーの池田めぐみさんとの共著。2022年頃から進めてきた共同研究の成果として2024年初夏に出版予定で、連休明けくらいに情報を解禁できそうです。

2冊目は、組織づくりに関する単著で、2024年秋頃の出版を予定しています。冒険的世界観の組織づくりを体系化した実践書になる予定で、

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マネジメントの「もぐら叩き」からいかに抜け出すか。ミドルマネージャーが心得ておくべき「問いのデザイン」の新原則とは?

マネジメントの「もぐら叩き」からいかに抜け出すか。ミドルマネージャーが心得ておくべき「問いのデザイン」の新原則とは?

経営層の方針をチームに伝え、実行に移すミドルマネジメントの現場において、「問い」のデザインがますます重要になってきていると感じます。

本記事では、2023年10月に開催し、大変好評だったウェビナー「チームを覚醒させる「問い」のデザイン:新時代のミドルマネジメントの真髄」の内容より、「問い」を活用したミドルマネジメントの新原則について、ケーススタディとともにご紹介します。

『問いのデザイン』の大

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いま必要なのは「ゆるやかな組織変革」?「もったいない」から始める、前向きなカルチャー変革のアプローチ

いま必要なのは「ゆるやかな組織変革」?「もったいない」から始める、前向きなカルチャー変革のアプローチ

昨年頃から急激に「カルチャー変革」というテーマで登壇の依頼をいただくことが増えています。そうした中で、企業のカルチャー変革の本質や、具体的に実践する際のレバレッジポイントについて詳しく解説する記事も書きました。

組織のカルチャーに注目が集まっていることを嬉しく感じる一方で、少し違和感を覚えることもあります。というのも、組織変革のご相談を受けるとき、「今の組織がダメなので、カルチャーを変革をせねば

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企業に染み付いた組織文化を変えるには?「カルチャー」変革のための3つのレバレッジ・ポイント

企業に染み付いた組織文化を変えるには?「カルチャー」変革のための3つのレバレッジ・ポイント

前回の記事では、先行研究をもとにカルチャーの定義を紐解き、カルチャーが組織において果たす役割とその重要性について確認しました。

その後編となる本記事では、どのようにしてカルチャーがつくられるのか、どうすればカルチャーを変革できるのか、というテーマについて解説していきたいと思います。

とはいえ、あらかじめ断っておくと、組織に染み付いたカルチャーを変えるのは、簡単なことではありません。

そこで本

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企業の「カルチャー」とは何か?「組織文化」研究から考える、その本質

企業の「カルチャー」とは何か?「組織文化」研究から考える、その本質

組織について語る上で、必ずと言ってもいいほど頻繁に用いられる「カルチャー」というキーワード。

しかしながら、カルチャーという言葉がいったい何を指しているのか。改めて問われると、意外によくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、先行研究をもとにカルチャーの定義を確認し、組織においてカルチャーがどんな機能を果たしているのかについて解説します。

「企業文化」研究は、日本企

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採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき

採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき

昨年のことになりますが、Indeed Japan主催の「キャリア社員が継続活躍できる組織の作り方」というテーマのセミナーで、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆さんと対談させていただく機会がありました。

伊達さんとは、実は大学院生時代からの十年来の友人でもあるのですが、こうして外部のイベントでご一緒させていただくのは、この機会が初めて。なんだか感慨深いものがありました。

拙著『問いのデザイ

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