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井戸とカリフラワー:日本から見た「世界」、世界の中の「日本」

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カリフラワーに住む虫は、カリフラワーを世界だと思っている。 (The insect that lives in the cauliflower thinks the caulif… もっと読む
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#日経COMEMO

ムスリム観光が深めるタイバーシティへの理解

ムスリム観光が深めるタイバーシティへの理解

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

GW初日となった今日、空港や電車の混雑がはじまっているようです。都内の繁華街に出ると、来日客と見られる人々を多く目にします。本格的なインバウンドの回復もはじまってきているようです。コロナ前は中国系の方々を一番多く見かけましたが、最近はインド系やタイ系、マレーシア系など東南アジアから来られる方々のほうが多いように感じます。実際、2013年に東南アジア諸国か

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「分断と協調」〜入植者や奴隷、自分の中に存在する矛盾と向き合い続けてきた南アフリカ”カラード”の友人から学ぶこと

「分断と協調」〜入植者や奴隷、自分の中に存在する矛盾と向き合い続けてきた南アフリカ”カラード”の友人から学ぶこと

ここ数年、私たちはたくさんの「分断」を目の当たりにしてきました。新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃から顕著になったアジア人差別、ジョージ・フロイド氏の殺害事件に端を発したBlack Lives Matter(ブラックライブズマター)、ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元首相の銃撃と政教分離の論争、あらゆる安全保障をめぐる米中対立…枚挙にいとまがないほど、心の痛くなる現実を突きつけられていると思

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「前門のインフレ、後門のリセッション」~ECBに何が起きているのか~

「前門のインフレ、後門のリセッション」~ECBに何が起きているのか~

2か月続いた情報発信の混乱
注目された7月のECB政策理事会は預金ファシリティ金利を▲0.50%から+50bp引き上げ、ゼロ%としました。利上げは2011年7月以来で約11年ぶり、+50bpという利上げ幅は2000年6月以来、約22年ぶりとなります:

また、2014年6月に導入されたマイナス金利の歴史も8年で幕を閉じることになりました。さらに今会合では分断化対応のために提示された伝達保護措置(T

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久しぶりに海外に出てみて感じた、コロナ禍の"世界"と"日本"

久しぶりに海外に出てみて感じた、コロナ禍の"世界"と"日本"

2年半ぶりの海外出張に行ってきました。2020年頭に行った最後の出張もヨーロッパで、イタリアの同僚に会いにミラノに行き、出国した数日後にミラノがロックダウン、そしてその後ドイツ・フランスを訪問したのですが、フランスから帰国するときにガスマスクのようなものをつけている人がいて「大事になってきた・・・」と思ったのをよく覚えています。
一方で帰国した日本、羽田空港は何もなかったかのような状態。でもそこか

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細谷雄一さん(日経COMEMO KOL)の投稿が日経朝刊「私見卓見」に掲載されました。

細谷雄一さん(日経COMEMO KOL)の投稿が日経朝刊「私見卓見」に掲載されました。

日経COMEMOのキーオピニオンリーダーとして活躍中の細谷雄一さん(慶応義塾大学教授)の記事が、2月11日(金)の日本経済新聞朝刊に掲載されました。

テーマは「中国台頭にどう向き合うべきか」です。

▼公開された紙面はこちらです。

日経COMEMOでは、日経新聞の担当者がCOMEMOに載っている投稿を選び、再編集して日本経済新聞本紙「私見卓見」で紹介する連動企画を行っています。

▼これまでの

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日本から世界への発信は足りているか?

日本から世界への発信は足りているか?

皆さんこんにちは、高木です。

いかがお過ごしでしょうか。コロナも少し落ち着きを見せてきましたが、これまで海外出張を控えていた人も、そろそろ計画を立てようかな。。と思われているかもしれませんね。

ところで、海外とのやりとりに関してふと思ったのは、日本は海外から情報を持ってくるばかりで、日本から海外には、充分に情報発信してきたのだろうか?ということです。

そのことに思い当たったのは、10月5日か

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「アメリカのスエズ」の到来?

「アメリカのスエズ」の到来?

「スエズ」という言葉は、イギリス外交の歴史の中で特別な重みを持っている。

「スエズ」とは、イギリスの衰退、そしてイギリスの世界大国としての地位からの没落の契機として参照されることが多い。はたして同様に、「カブール」という言葉、そしてタリバーンの攻勢によりそこから撤退する米軍の姿が、アメリカの衰退と結びつけて記憶されることになるのだろうか。

だとすれば、アフガニスタンからの米軍の撤退は、「アメリ

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外国人社員と働くということ

シンガポールで生活をしていると様々な人種、文化的背景を持った人達と一緒に働くこととなります。また、日本でも外資系企業で働く場合、同じように外国人社員と共に働くことになります。筆者も両方を経験したことがあります。

外国人社員と一緒に働くと、これまでの常識と考えていたことからすると驚かされることも起こります。宗教上の理由から終業時刻中にお祈りをするスタッフがいる場合もあります。また、ランチなどに選ぶ

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マンガと異業種のコラボに需要はあるのか=ドイツから考える

マンガと異業種のコラボに需要はあるのか=ドイツから考える

ドイツ、フランクフルト近郊のリンゴ酒メーカーが先日、マンガ風のデザインを採用した新商品を発表しました。イラストを担当したのは日本の大学院でもマンガ制作を学んだドイツのプロ漫画家クリスティーナ・プラカさん。このシードルとレモネードをミックスしたアルコール飲料は、ドイツの大型スーパーチェーンでの販売を予定しているそうで、つまり全国規模での展開だと思われます。ドイツのクオリティペーパー『フランクフルター

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コンビニ店主が教えてくれる外国人労働者を受け入れる上で大切なこと。

コンビニ店主が教えてくれる外国人労働者を受け入れる上で大切なこと。

現職に入社して丸4年過ぎ、生鮮食品に特化したEC事業を手がける当社において、ロジスティクスがいかに重要かを痛感する昨今。特に生鮮食品を中心とした食材の輸送・保管・包装・システム・流通加工などは、温度帯などの管理はもちろん、商品そのものも在庫に出来る期間が短く、自然を相手にするビジネスゆえの様々な変数にも向き合っており、その難易度は生産者からお客さまの手元に届くまで本当に高いです。(※そういう意味で

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「日本では当たり前」を変えるために今、個々が自分を変えることから始よう。

「日本では当たり前」を変えるために今、個々が自分を変えることから始よう。

昨日まで「当たり前だと思っていたことが急に変わったらどうなるか」。体験者は語る。マジしんどい。

私の住むマレーシアでは本日6月10日から「回復期行動制限」に入った。最初のロックダウンからすると色々なことが出来るようになった。このように政府から色々な指示があるとその度にその時の「当たり前」が変わる。なぜならその期においての「当たり前」が常に変化していくからだ。

この「当たり前がその都度変わる」は

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ラガルドECB総裁、実質的なデビュー戦~第二のwhatever-it-takes~

ラガルドECB総裁、実質的なデビュー戦~第二のwhatever-it-takes~

IMFトップとは勝手が違う中銀総裁
ラガルドECB総裁にとって3回目の会合となりましたが、手腕を見る、という意味では実質的にはこれがデビュー会合となりました。既に報じられている通り、市場から失望を買ったという点では散々な結果に終わりました。しかし、最初に断っておきますと、私は市場が失望しているからといってECBが利下げすべきだったとは思いませんし、むしろこれだけの暴風が吹き荒れる中で「要らんものは

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不要不急の利下げでしくじったFRB

不要不急の利下げでしくじったFRB

「不要不急の利下げ」で失われたカード
3月3日、FRBは臨時FOMCを開催し、FF金利誘導目標を「1.50~1.75%」から「1.00~1.25%」へ▲50bps切り下げました。この勇猛に見える決断ですが、市場では前向きに評価する向きは殆どありません。利下げで未知の疫病を治癒も根絶もできず、サプライチェーンの寸断も復元できない以上、中央銀行(金融政策)に期待された役割は「時間稼ぎ」以外何物でもない

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ドイツ政変が浮き彫りにしたメルケル首相の理想&日和見主義の憂鬱

ドイツ政変が浮き彫りにしたメルケル首相の理想&日和見主義の憂鬱

流動化するドイツ政局
にわかにドイツ政局が流動化しています。この1週間で大きな事件が2つ起きました。1つが旧東ドイツ地域のチューリンゲン州での州首相選出にまつわる混乱、もう1つがメルケル首相後継者を巡る混乱です。前者は2月5日から6日にかけて、後者は週末を挟んだ2月10日に起きたものです。現在、先進国で最長の在任期間(2005年11月~)を誇るメルケル独首相が退任するまであと1年余り。今後も同様の

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