記事一覧
フランス政治の今~理想は挫折するのか~
「人間は自由で権利において平等なものとして生まれ、かつ生きつづける。社会的区別は共同の利益にもとづいてのみ設けることができる。」
1789年のフランス人権宣言は上記の第一条の条文から始まる。
これ以降、フランスは人権理念の母国として、世界の自由主義化を牽引してきた。
しかし、その理想が今挫折の危機に瀕している。
ポピュリズムの台頭と民主主義政治の機能不全2024年7月の議会選挙で、与党・中道
読書感想文⑨~『企業変革力』~
企業だけでなく社会・組織変革にも通じる変革論の古典的名著!経営学の大家・ジョン・コッタ―が記した企業変革論。
入社1年目の時に、部長からおススメされた本だったが、これまで本棚に積読したままであったことを思い出し、読んでみると、驚くほどの良書だった。
これだけ簡潔かつ明瞭に企業変革の原理原則を整理した本を読んだことはなかった。またその抽象度の高さから、企業以外の組織、あるいは社会に向けた活動全般
読書感想文⑤~『破天荒フェニックス』~
日本版『ハードシングス』~生々しいドラマの中に見える経営の普遍原則~本書は、14億円の借入金があり債務超過に陥っていたオンデーズの社長に就任した田中修二の奮闘を描く小説である。
本書は、とにかくドラマチックかつ生々しい苦しみが描かれる、日本版『ハードシングス』のような本だった。登場人物たちの裏切りや想定外の困難と僥倖が目まぐるしく降ってくる。その中で並外れた挑戦心と諦めの悪さで起死回生の逆転を繰
【所要時間15分】最適な都知事を選ぶための情報整理をしてみた~忙しい都民の皆さまへ~
忙しい都民の皆さまへ
2024年7月7日は、東京都知事選挙の投票日だ。
都民のみなさん、都知事選びのための情報収集は済んでいるだろうか?
ただでさえ仕事や家事で忙しい毎日。
その上メディアでは、真偽の定かではない偏った情報が散らかっており、「どうやって都知事を選べばよいのか」「そのための必要十分な情報はどこにあるのか」悩まれている方も多くいるのではないか。
そこで、今回は、最適な都知事選びの
読書感想文③~『意識と本質~』井筒 俊彦~
最も進んでいる哲学だった?!東洋哲学の総覧難しい。。これが本書を読み始めた際の最初の感想だった。
新しい概念だらけで理解が追い付かない。
2周して図解化してなんとか分かった気がするのが今の状態だ。
しかし、おぼろげな理解ながら、西洋哲学に染まってしまっている現代の私たちにとって、独創的で、新たな方向性を示してくれる思想を持っていると思う。
特に、「本質は存在しない、故に我々は自由だ」という本質
読書感想文②『「社会正義」はいつも正しい』
今回も最近読んだ本の感想を書き留めたいと思います。
最近、「ポリティカルコレクトネス」や「アイデンティティポリティクス」という言葉が日本でも聞かれるようになりました。本書では、その震源地であるアメリカから、こういった概念が自由や科学を重んじるリベラリズムをを蝕んでいることを指摘しています。
本書の要旨~社会を破壊するものの正体~
現代社会は「分断」に悩まされています。
その理由が「アイデンティ
解説シリーズ①~ Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2024」~
新シリーズ第一弾今回は新シリーズ、解説シリーズの第一弾です。
このシリーズでは、私の独断と偏見でピックアップした、理想社会や現状の課題、その変革方法について、解像度を高めてくれそうな記事や動画、本の内容をより詳しく解説しようと思っています。
第一弾は、先日、世界的な経済誌『Forbes』で特集された、「日本の起業家ランキング2024」の内容を解説します。
私としては起業家こそが現代社会において、